ドラえもん のび太のアカメが斬る!   作:雛月 加代

56 / 257
最終章:さよならを斬る

帝都から西に20キロの位置にある少し離れた崖。

 

「これでナイトレイドも解散だ。」

 

「うん。」

 

そこに立つ少年少女たち。

 

「ありがとう、全てお前たちのおかげだ。これで帝国は生まれ変わることができる。」

 

「アカメたちの未来はこれからだね、応援してるよ。」

 

アカメたちの表情が暗くなる。

 

「・・・・・・やっぱり帰るのか?」

 

「・・・・・うん。革命軍の闇の部分は全て僕たちのせいにしておけばいい。」

 

「すまない、辛い役目を・・・」

 

「国作りをするアカメたちの方がよっぽど大変だよ。辛いこともたくさんあったけど、それでもアカメに誘われてナイトレイドに入って良かった。」

 

「寂しくなるな。」

 

 

 

 

 

クロメはドラえもんたちの前に立つ。

 

「のび太、ドラえもん、ありがとう。今の私があるのは二人のおかげだよ。」

 

「・・・・・・・・・・・・・。」

 

「のび太たちは思い出させてくれた。」

 

「クロメ・・・・。」

 

「私に泣くことも、怒ることも、そして一緒に笑うことも・・・・」

 

「・・・・・・・・・・・・・・・。」

 

「私、生きるよ。背一杯、人間を信じて、のび太を信じて・・・・」

 

「・・・・・・・・・・・・・・。」

 

「自分を信じて!!」

 

「うん。」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「お兄ちゃん。」

 

「???」

 

サヨの後ろからローグが顔を出す。

 

「いいのよ、ローグ。二人と一緒に行っても。」

 

そう言いながらサヨはローグに笑みを向ける。

 

「でも、街は沢山壊れちゃったし、怪我した人たちも一杯いる。だから私ここに残る。」

 

「・・・・・・・・・・・ローグ・・・。」

 

「私嫌だよ、サヨナラするの。・・・・・でも・・・・」

 

「でも?」

 

「私決めたの!のび太お兄ちゃんみたいに強くなるって!!」

 

『「・・・・・・・・・・・・。」』

 

「ドラえもんみたいに困ってる人を助けるんだって!!」

 

「偉いよ、ローグ。」

 

そう言いながらドラえもんとのび太はローグの頭を撫でる。

 

「私、泣かないよ・・・・」

 

「・・・・・・・・・・・。」

 

「泣かないよ、お兄ちゃん。」

 

「ローグ・・・。」

 

そして最後に、アカメがのび太に抱きつく。

 

「お別れだ。」

 

「・・・うん、さようなら。」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「お元気で。」

 

「私たちのこと、忘れないでね。」

 

シェーレとチェルシーも笑いながら手を振る。

 

「忘れるもんか、みんなとってもいい友達だった!!!」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「ただいま、タツミ。」

 

帝都より少し離れた場所にある墓地に人影があった。

 

「のび太たちは帰ったよ。」

 

サヨはそう言いながら墓の前に座る。

 

「もうのび太は立派な私たちの英雄。私が保証するわ。」

 

帝都ではお祭りが行なわれているのだが、この辺りはいたって静かだ。

 

「・・・・タツミ。はじめてあった時のこと、覚えてる?お正月だったわよね。突然部屋の窓け破って入ってくるんだもん驚いたわよ。二人でいろんなところへ行ったっけ。命からがら逃げたり、タツミはいつも肝心なとこで詰めが甘かったわね。」

 

サヨの目から涙がこぼれ落ちる。

 

「私が虐められてたとき自分のことのように思ってくれて・・・・。ちゃんとお礼言ってなかったけど、本当に嬉しかった。本気で取っ組み合いの喧嘩もしたっけ。でも、その数だけ仲直りしたよね。」

 

サヨは涙をふいた。

 

「あの日、私、お医者さんから言われたの。あと半年の命だって。そのことでお母さんとお父さんが夫婦喧嘩しちゃって。『どうせ半年しか生きられないんだから、入院させるだけ無駄だ』って。もう私のために使うお金が家にはなかったんでしょうね。だから私、病院を抜け出してタツミに会いに行った。あなたと一緒に村を出て、帝都に行くつもりだったの。残された時間をあなたと一緒に過ごしたかったから・・・・・・。」

 

サヨはニコリと笑う。

 

「辛いこともあったけど、それでも帝都に来て良かった。・・・・・・・・・・・信じてあげられなくてゴメンね。助けてあげられなくてゴメンね。最後までカッコ悪くてゴメンね。ワガママばかりでゴメンね。一杯一杯ゴメンね。・・・・・・・・・・ありがとう。」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

生まれ変わったら・・・・・・・また会おうね・・・・・・・・

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「サヨお姉ちゃん!!お祭り早く行こう、みんな待ってるよ!!」

 

「・・・・・・・・・・・・・・。」

 

ローグがサヨの元へやってきた。だがサヨの返事がかえってくることはなかった。

 

「お姉ちゃん?」

 

ローグはサヨの顔を覗き込んだ。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「お姉ちゃん、こんな所で寝たら風邪ひくよ?」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

ローグの目から涙が溢れ出る。




ナイトレイド―帝国時代末期帝都を震え上がらせた凶悪犯罪組織と言われる。 しかし、新国家の記録書には彼らの記述は一切記されていない。人の営みがあるかぎり闇は生まれる。闇があるかぎり悪が生まれる。 刃を持たぬ人のため、天が裁けぬその悪を闇の中で始末する。 我ら全員、殺し屋稼業。

のび太の結婚相手は?

  • 静香
  • ジャイ子
  • 梨華
  • なつみ
  • その他

▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧 ※ログインせずに感想を書き込みたい場合はこちら
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。