ドラえもん のび太のアカメが斬る!   作:雛月 加代

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第二十二章:ファーストキスを斬る

「の、のび太さんは、初めてじゃなかったのね・・・・?」

 

「えっと、まぁ・・・・・その・・・・・・うん・・・」

 

ワナワナ

 

すると静香は烈火の如くのび太に詰め寄る。今の今まで溺れていた人間とは思えない程の気迫である。

 

「あ、相手は誰よ・・・・アカメさん!?クロメさん!?チェルシーさん!?シェーレさん!?レオーネさん!?まさか、それ以外の女の子だったりしないでしょうね?」

 

その問いにのび太は目線を逸らす。

 

「え、えーっと、それは、その・・・ノーコメントということで・・・・」

 

すると静香の体からドス黒いオーラが溢れ出す。

 

「へぇ・・・・・そう、そうなの・・・・・随分と経験がおありなのねぇ・・・・?」

 

何故か殺気がこもった目でのび太を見はじめる静香。その得体の知れない気迫に、何故か気圧されるのび太。

 

「レオーネさんやチェルシーさんと話す時も物怖じしてなかったわよね・・・ああ、そうね、女性の扱いも随分と手馴れたご様子で・・・・」

 

静香の声色が、明らかに冷えていて、敬語なのが、凄く怖い。

 

(こうなったら・・・)

 

アカメたちに助けてもらおうと振り返るが

 

「!?」

 

辺りには人っ子一人いない。どうやら緊急回避、全員逃げ出したようだ。

 

「ちょ、ちょっと待って、静香ちゃん?何かすごい誤解と勘違いを、なさって・・・・ません?」

 

「別に?誤解も勘違いもしてないわよ?あなたが今までにどこで、何人の女の子と、どれだけキスしてようが?私には、何の関係も?ないことですしね?」

 

「(・・・絶対に、誤解も勘違いもしている。こういう時、何て言えばいいんだろうか。)そ・・・・・その、静香ちゃんは、初めてだったり・・・・した?」

 

顔色を伺うつもりで、口走ったその一言。

 

 

 

 

ガシャン

 

 

 

 

 

何かが割れる音がした。のび太は今、本日最大級の特大地雷を踏んづけた。

 

「は・・・・・・は・・・初めてで・・・・悪ぅございましたわね!」

 

静香は泣きながらのび太に訴える。こんな静香を見るのは生まれて初めてだ。

 

「い、いや、そういうつもりで言ったんじゃなくて!悪くなんてない!全然!真面目で、その・・・・!」

 

「まさかのび太さんがこんなふしだらな人だとは思わなかったわ!」

 

「ふ、ふしだら・・・!?そのっ、ご、ごめん!でも、静香ちゃんはいろいろと誤解してるー」

 

パチン!!!!

 

「私のファーストキスは、誤解じゃないわよ!!!!!!!!!」

 

そう言いながらのび太の顔を思いっきり引っ叩く静香。彼女は泣きながら女子更衣に入っていった。

 

 

「・・・・・・・・・・・・・。」

 

そして後には頬を赤くしたのび太だけが残された。

のび太のファーストキスの相手は?

  • アカメ
  • クロメ
  • チェルシー
  • シェーレ
  • レオーネ

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