「ここが・・・・。」
グラウンドから校舎を見上げる少女。ここにあの人がいる。少女は持っていた手帳を握りしめる。
「それじゃあ、翼ちゃん。お昼頃、迎えに来るからね。」
「はーい。」
翼を乗せていた車は走り去っていった。
「よし!」
そう言うと、彼女は校舎へと入っていった。
そして教室では
「ジャーーーーーーン!!!」
スネ夫がまた何かを自慢げにバッグから取り出す。その取り出した物にジャイアンたちは目を輝かせる。
「それって伊藤翼ちゃんのサインか!」
「パパが翼ちゃんのマネージャーと友達でね、特別に貰ってきたんだ!」
「凄い!!」
「俺にも見せろよ!!」
「僕も!!」
今日も学校でスネ夫がいつものように何かを見せびらかす。ああ、なんて平和なんだろう。最近ゴタゴタしてたから、こうやってのんびりするのも久しぶりだ。
「ハア〜っ。」
あくびをしながらスネ夫たちの様子を見守るのび太。
「伊藤翼って、そんなに有名なのか?」
隣に座っているアカメが口を開く。
「大人気のアイドルで、歌手・俳優業両方で活躍してるからね。知らない人の方が少ないよ。」
「ふ〜ん。のび太は見に行かないの?」
チェルシーの問いにのび太は腕を伸ばしながら答える。
「いいよ。別に興味ないし・・・・」
普段からそれ以上の美女たちに囲まれているのび太にはアイドルなど、どうでもいいものなのである。
「そうだよ。のび太には私がいるんだから。」
そう言うとクロメが後ろから座ってるのび太に抱きつく。
ムッ
それを見たアカメはのび太の耳を掴むと、力一杯引っ張る。チェルシーものび太の足を思いっきり踏みつける。
「いたたったたったったたた!!!」
キーンコーンカンコン!!
「みんな、席に付け!!」
チャイムが鳴り、先生が教室に入ってくる。先生の言葉に席を立っていた生徒は散り散り自分の席へとついていく。
「え~、急なのですが、今日から皆さんと一緒に勉強をすることになった転校生を紹介します。」
「え、転校生?また?」
「何でいつもこのクラスなんだろう?」
先生の急な申し出にクラスのみんなはざわざわと騒ぎ出す。
「さあ、入って来なさい!!」
「はい。」
先生の言葉で一瞬静かになった教室に扉が開く音が妙に大きく響いていた。転校生は教室に足を踏み入れる。
「おい、あれって!?」
「嘘だろう・・・・」
「まじか!?」
転校生を見た生徒たちは驚く。
「初めまして、伊藤 翼といいます。これからよろしくお願いします。」
わあああああああああ!!!
クラスの男子全員が泣きながら喜ぶ。
「へえーっ、あの娘が。」
チェルシーたちは興味なさそうな視線を彼女に向ける。翼は教室内を見渡すと
「あっ!」
嬉しそうに大声で手を振りだす。
「野比く〜ん!!」
「!?」
のび太の結婚相手は?
-
アカメ
-
クロメ
-
チェルシー
-
シェーレ
-
レオーネ