ドラえもん のび太のアカメが斬る!   作:雛月 加代

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第四章:優しい味を斬る

キーンコーカンコーン

 

「のび太さん!」

 

「何、静香ちゃん?」

 

放課後、静香がのび太の所にやってきた。

 

「今日、家に来ない?美味しいケーキを焼くんだけど。」

 

「えっ、あっ・・・・うん・・・。」

 

そう言いながらのび太はアカメの事を思い出す。休み時間も昼休みも、ずっと一人で台本を読んでいた。

 

「・・・・・・・・・・・・。」

 

「何か用事でもあるの?」

 

「えっ、あっ、うん。それじゃあ、カバン置いたらすぐ行くよ!」

 

「うん、待ってるわ!」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

アカメは大急ぎで家に帰る。いつもより体が重く感じるのは、目眩がするのは気のせいだろうか?

 

 

 

 

 

 

『男らしい』のがアカメのいい所の一つでしょう?

 

 

 

 

 

 

 

先日ののび太の言葉がずっとアカメの頭を過っていた。

 

(くっ、見ていろ、今に女らしくなってやる。)

 

アカメは部屋のドアノブに手を掛ける。

 

(うっ・・・・・・・)

 

するとアカメの視界がいきなり暗くなり、アカメは意識を失う。

 

バタン

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「ん?」

 

どれくらいたっただろうか、アカメが目をさますと

 

「あっ、気がついた。」

 

「のび太・・・?私は一体・・・・」

 

そう言いながら辺りを見渡す。アカメは自分の布団に寝かされ、おでこには濡れたタオルが置かれていた。

 

「部屋の前で倒れてたんだよ・・・うわ、40度もある。」

 

体温計をアカメの脇から引き抜く。

 

「お前、静香の家に行ったんじゃなかったのか?」

 

「うん、でもアカメの事が心配だったから・・・・」

 

「???」

 

「『いつも通り』振る舞ってるアカメを見ると、どうにも嫌な予感がしてならなかったんだよ・・・・」

 

「そうか・・・心配かけてすまない。もう大丈夫・・・」

 

 

ぐううう〜

 

 

「・・・・・・・・・・。」

 

「・・・・・・・・・。」

 

「一応おかゆ作ってみたんだけど・・・食べる?」

 

「・・・・・・・・・・・。」

 

のび太はおかゆが乗ったトレイを取り出す。

 

「ママみたいにうまくできなかったけど・・・・・」

 

のび太はレンゲにおかゆを掬うと、それをアカメの前に差し出す。

 

「ハイ、あ〜ん!」

 

ハムッ

 

「!?」

 

アカメはのび太の腕ごと、かぶりついた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

確かに温度は低い。塩のかけすぎ。醤油が少ない。卵がご飯と混ざっていない。おかゆとは呼べない品物だ。だが、

 

「とても優しい味だ、とても・・・・」

 

「・・・・・・・・・・。」

 

作った人の心が良く分かる。のび太らしいな。

 

「のび太。」

 

「うん?」

 

「ありがとう。」

 

そう言うとアカメの表情は自然と笑顔になった。

 

「///// あ、そうだ!おしぼり取り替えないと・・・/////」

 

アカメの言葉にのび太は急いで部屋を出ようとするが

 

ガランッ!!

 

バシャン!!

 

「ゴメン、すぐ片付けるよ。」

 

ガン!!

 

「わあ、こぼしちゃった!!」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

その光景にアカメは再び笑みを浮かべる。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

のび太、私頑張る。

 

 

 

 

 

 

のび太の結婚相手は?

  • アカメ
  • クロメ
  • チェルシー
  • シェーレ
  • レオーネ

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