「ロミオ、ロミオ。どうしてあなたはロミオなの?その家名をお捨てになっててくれたなら、私も家名を捨てるのに。」
静寂の教室に、アカメの声が満ちていく。するとアカメは向かい側にくると
「その言葉、確かに頂戴いたします。ただ一言、僕を恋人と呼んでくれたなら、その言葉こそ新しき洗礼、今日からはもう、僕はロミオでなくなります。」
キリッ
「『「『「!!!!!」』」』」
アカメの凛々しい顔がクラス全員の視線を釘付けにする。
「・・・・・・ふぅ」
演技を終えると、水を打ったような静けさが満ちた。
パチパチパチ
そのなかに、やがて、ぽつぽつと拍手がうまれて。
それはやがて、心踊るような祝福の音となった。
「すごい・・・・・わたし、演技を見てこんなにドキドキしたの、はじめて・・・・」
「うん、私もっ・・・・・」
「どうしょう、なんだか震えてきちゃった・・・・」
拍手に混じって聞こえる感想の呟きに、なんとも言えず、照れくさくなるアカメ。だけど、素直で飾らない反応だからこそ、その言葉は拍手の音とともに、彼女の胸に染みていった。
「いやぁ〜っ。素晴らしい、素晴らしいよアカメさん!こんな素敵な『ロミオとジュリエット』は初めて見た。」
「先生・・・・・。」
褒められたアカメは嬉しそうに笑う。当然だろう、この日の為に眠いのを我慢し、食べ物もロクに食べず、ひたすら練習だけをしてきた。
そしてその努力がこうして報われた。
かに思われた・・・・・・・・。先生は嬉しそうにアカメの肩をポンと叩くと
「う〜ん、ロミオの役は君しかないな!」
「えっ・・・・・!?(今、何て・・・・?)」
「みんな、どうかな!?」
「賛成!!!!」
先生の言葉にクラス全員が声をあげた。
「えーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーっ!!!!!!!!!!!」
アカメの声が校舎中に響き渡った。
そしてその日の午後、
「あははははははははは、ロミオ役だって!!!流石帝都最凶殺し屋と言われていたアカメ!!」
のび太から話を聞いたレオーネが腹を抑えながら大笑いする。
「レ、レオーネ、そんなに笑っちゃダメだってアハハ!」
(そう言うドラえもんだって笑ってるじゃないか。)
のび太たちはアカメに視線を向ける。アカメは部屋の隅で膝を抱えながら丸くなっていた。その表情は聞くまでもなく暗い。
「・・・・・・・・・・・・。」
気の毒すぎて声もかけられない。のび太とクロメはアカメに向かって手を合わせた。
「『ご愁傷様。』」
チーン
のび太の結婚相手は?
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アカメ
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クロメ
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チェルシー
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シェーレ
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レオーネ