ドラえもん のび太のアカメが斬る!   作:雛月 加代

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第八章:代役を斬る

「ようやく行く気になったんだね!」

 

「・・・・・・・・・・・。」

 

そう言うと、のび太はアカメと一緒に家を出た。だがアカメの表情が暗い。恐らくこの数日間、のび太たちにかけた迷惑、その罪悪感をいま感じているのだろう。

 

「本番まで一週間しかないんだ、頑張ろう!」

 

「・・・・・・・・・・・。」

 

ウキウキ気分で歩くのび太の後をアカメは無言で追いかける。すると

 

ザッ

 

「やい、のび太!女と登校して良く恥ずかしくないな!」

 

「!?」

 

いきなり目の前にジャイアンとスネ夫が現れる。

 

「お前、それでも男かよ!」

 

「まるで女の子よ、のび太さん!」

 

「何ーっ!?僕のどこが女だって言うんだ!」

 

「ふん!考えてもみろ遊ぶのはいつもアカメちゃんたちとばっか。」

 

「スポーツはまるでダメ、特技はアヤトリ。ハハハハッハ!!!」

 

「男らしいトコなんか一つもないじゃないかよー!!」

 

「アハハハハハハハ!!」

 

 

 

 

 

 

 

 

「・・・・・・・・・・・・。」

 

「女と一緒なんて恥ずかしい〜。」

 

ブチッ

 

ジャイアンの一言で何かが切れる音がした。

 

バコン

 

するとのび太はジャイアンの顔面にその拳を叩き込む。

 

「痛っ!!」

 

その威力にジャイアンは尻餅をつく。

 

ワナワナ

 

「・・・・なんかない・・・・・」

 

「???」

 

「恥ずかしくなんかないったら!!!」

 

のび太は顔を赤くしながら叫んだ。

 

「な、な・・・なんだよ・・・・」

 

その気迫にジャイアンとスネ夫が後ずさり、逃げていった。

 

「二度と来るな!!!」

 

二人を追い払うとのび太はアカメの方に振り向く。

 

「早く行こう。」

 

(のび太の顔が赤い、本当は物凄く恥ずかしかったんだろう。)

 

「男らしいとか、女らしいなんて関係ない。僕は僕。アカメはアカメだよ。」

 

「・・・・・・・・・・・・・。」

 

のび太の言葉にアカメの顔が少しだけ明るくなる。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

そして学園祭当日、

 

ガラン

 

「おはよう・・・・・・・って、何かあったの?」

 

教室に入ると、クラスが呆然としていた。

 

「何かってレベルじゃねーって!源さんが熱をだしちゃったんだよ!」

 

「なんだって!?」

 

ジュリエット役の静香が本番当時体調を崩したらしい。

 

「ここに来てジュリエットの離脱はピンチどころの話じゃないよ!代役を立てるにしても・・・・」

 

「そうだよね、衣装は詰めたりしてなんとか誤魔化せてもセリフとかあるし。」

 

すると男子たちが騒ぎだす。

 

「ってことは!アカメちゃんの相手役になれるチャンスってことか!?俺、ジュリエットやります!」

 

「待て待て、アカメちゃんの相手役はこの俺様だ!」

 

ジャイアンたちは名乗りを上げた。女装してまでアカメと一緒になりたいのか。この間、男らしいくないとか云々言ってたのは誰だよ。すると女子たちは全員ため息をつく。

 

「もう男子ったら馬鹿ばっかり言ってないで!今から台本覚えられるの?」

 

その言葉に男子たちは後ずさる。

 

「そ、それはいくらなんでも・・・・無理だろ。」

 

「だよな。さすがに・・・なあ?」

 

「でもジュリエットなしでなんて、どうやっても劇にならないよ。」

 

「いくらアカメさんでも相手役なしでロミジュリは無理でしょ。せめて違う内容だったら・・・・」

 

「内容を変更する方がよっぽど無理だって!セットだって衣装だって専用に作ってんだぜ?」

 

みんな黙り込んでしまう。重苦しい空気がクラスに広がっていく。

のび太の結婚相手は?

  • アカメ
  • クロメ
  • チェルシー
  • シェーレ
  • レオーネ

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