帝国のとある空き地、そこには大量の空き缶が並べられていた。のび太は持っていた銃で空き缶を一つずつ、外すことなく撃ち抜いていく。もちろん弾はプラステックである。
「わあー、すごい!百発百中じゃないか。」
のび太の射撃の腕前に興奮を覚えるタツミ。タツミに褒められ、嬉しくなるのび太。だが、
「誰にでも取り柄はあるんだね。こういうくだらないことだと、のび太は実に上手い!」
後ろで座っていた、黒髪の少女が声を上げる。彼女はクロメ。タツミの仲間の一人である。
「じつに腹の立つ褒め方だな。」
「だって、それプラスチックでしょ?当たっても、痛いだけだよ!」
「・・・・・・・。」
「それにのび太って、ここぞって時に弱そう。」
クスクスと笑うクロメ。
「・・・・・・・・・。」
図星をさされて、何も言い返せないのび太。
そしてアジトでは
「よし、次は瞬間移動だ!」
「瞬間移動?」
「姿を消す、同時に離れた場所に現れる。例えば、ここからトイレに行こうと思えば・・・・」
のび太は目を閉じると、
「心の中でトイレに長紐をひっかけて、それをぐいって引き寄せる感じ。う〜ん。」
隣でその様子を見守るドラえもん。
「グイ、グイ、グイ。」
するとどこからともなく便器が飛んで来て
ガン!
ドラえもんの頭を直撃する。
「やっぱり無理だな。何か他のものにしょう!」
「何をいまさら、決めたことはとことんまでやるんだ!」
ドラえもんの勢いに飲まれ、特訓は日が暮れるまで続いた。
「ねぇ、どうしても3年かかるの?」
「何が?」
「訓練。」
「うん、一人前の超能力者になるには、毎日3時間ずつ訓練して3年かかるんだ。」
「そんなあ・・・・・もっと簡単に超能力者になれないかなあ・・・。」
のび太の発言にドラえもんは呆れる。
「君はすぐそうやって、楽をしょうとする。」
「違うよ。これじゃあ、いつまでたっても宮殿に入れないし、サヨちゃん達だって守れるかどうか・・・。」
「そうだな・・・・。」
「ねえ、ドラえもん。1日で3年の訓練ができる道具はない?」
「そんな物あるわけ・・・・・・・・あった!」
「えっ!?」
ドラえもんの返答に驚くのび太。ドラえもんはポケットに手を入れると
「かんづめかん!!」
かんづめかんー巨大な缶詰の形をした道具で、中は圧縮空間となっており仕事に必要な道具がそろっているほか、出前が取れたりマッサージを受けられたりとサービス面も万全。また、中の時間の流れは外より早い(中で1日過ごしても、外では1時間しか経過しない)ため結果少ない時間で大量の仕事ができるようになっている。
「そうか!確かこの中に入れば・・・・。」
「そう、一時間で1日の訓練が出来る。」
「えーと、3年は1095日で、1日3時間だから・・・・・。」
「訓練は3285時間。でも僕たちは1日9時間だから、365日かかる。カンズメの中で365日過ごしても、外では15日だ。」
「わーい!僕はやるぞ!この世界で最初の超能力者になるんだ!」
「えっ、しばらく留守にする?」
「うん。ちょっと訳あって・・・。」
しばらく留守にすることをタツミとクロメに報告するのび太。
「それでいつ帰って来るんだ?」
「二週間ぐらいかな。でも今度会う時は、ちゃんとした超能力者になってるから。」
「ああ、楽しみにしてるぜ!」
「まっ、期待してないけどね。」
三人で握手を交わす。
「それまでにこの国を今よりずーと豊かにしてみせる。」
「うん。」
のび太はニッコリ笑う。
「超能力者、野比のび太はしばらく、休業だ!」
そう言いながらタツミたちと別れるのび太。
のび太の結婚相手は?
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静香
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ジャイ子
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梨華
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なつみ
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その他