「・・・・・・・・・・・・。」
本番五分前、のび太はジュリエットの衣装を着たアカメに心を奪われる。
「何をしている?もうすぐ本番だぞ!」
「えっ!?ああ、うん。」
アカメの言葉で我にかえり、彼女の隣に立つのび太。するとアカメはふっと笑い出す。
「???」
「こうしていると帝都にいた頃を思い出す。あの頃もこうやってお前と一緒に戦っていた。お互いに背中を、命を預けながら。」
「そうだね・・・・・。あれからもう三年経つけど・・・・・君は全然変わらないね。大食らいでマイペースなアカメのまま。」
「お前も・・・・・意気地なしでのんきなのび太のままだ。」
そう言いながら二人は見つめ合い、笑みを浮かべる。
「さっ、行こう。」
「ああ。」
こうして劇の本番が始まった。
観客席に座るのはドラえもん、レオーネ、シェーレ、のび太の両親、スネ夫の母、そしてジャイアンの母。
「楽しみだな〜。」
そして舞台の幕が上がった。
「おっ、出てきた。あれ?随分派手な衣装だな。」
「本当だ、まるでロミオみたい。」
のび太の服装に違和感を覚える野比助たち。
「ロミオみたいじゃなくて、あれロミオなんじゃないの?」
「そんなはずは・・・・・ロミオはアカメのはずじゃあ・・・・」
「ロミオ、ロミオ。どうしてあなたはロミオなの?その家名をお捨てになっててくれたなら、私も家名を捨てるのに。」
観客は静まりかえる。アカメのジュリエットに彼らの心が引き込まれていく。
「その言葉、確かに頂戴いたします。ただ一言、僕を恋人と呼んでくれたなら、その言葉こそ新しき洗礼、今日からはもう、僕はロミオでなくなります。」
そして観客席では
「それにしても、なんでのび太くんロミオやってるんだろう・・・・」
「いいじゃん、理由なんてどうだって。」
そう言いながらレオーネたちはアカメに視線を向ける。
「そうだね。」
「アカメったらとってもいい顔してますね。」
「フフフ、ホント。よかったわねアカメちゃん。」
劇の内容に玉子たちは満足する。
「すごい息ぴったり!これは嬉しい誤算だわ。」
「本当だね。源さん相手の時はどこかぎこちない感じだったのに、今はすごく自然な感じ・・・本当の恋人みたいに見えるよ。」
「アカメちゃん嬉しそうにぴったりくっついてる・・・・すごいね、本番になるとさらに恋人同士って感じが出ててさ。」
「二人の恋にもう夢中だよぉ〜っ!台本見てるはずなのに、先がきになるぅ〜っ!」
「学園祭の劇だからって、舐めてたけど、とんでもねぇよ。」
舞台袖や客席から、声が聞こえてくる。
のび太の結婚相手は?
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アカメ
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クロメ
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チェルシー
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シェーレ
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レオーネ