ドラえもん のび太のアカメが斬る!   作:雛月 加代

93 / 257
第十二章:本番を斬る (後編)

ナレーション:ようやくジュリエットの家の前にたどり着いたロミオ

 

「待て、ロミオ!!!」

 

「???」

 

「ウフフフ・・・・。」

 

するともの陰からジャイアンが現れる。

 

「随分息が上がっているようだな。」

 

「???」

 

「お前をジュリエットに会わせるわけにはいかない。俺様はジュリエットの兄、フレイドリイ。」

 

「・・・・・・・・・。」

 

「こっちは体力満タンだ。はじめから隠れていたからな。」

 

「相変わらずセコイな。」

 

のび太は昔やった「拳銃王コンテスト」を思い出す。あの時もこうやってジャイアンは戦わずに、のび太が全弾弾を撃ち尽くすまで待っていたのだ。

 

「うるせえ。勝ったものの勝ちだ。」

 

そう言うとフレイドリイは持っていた拳銃をのび太に向ける。

 

「どこをねらってほしい?頭か?胸か?」

 

「・・・・・・・・・・・・。」

 

のび太は後ずさる。さてどうしたものか。

 

「フフフフ・・・・フフフフ。いくぜ!!」

 

フレイドリイが銃の引き金を引こうとしたまさにその一瞬、のび太は後ろに飛ぶと、落ちていた親衛隊の銃を手に取り引き金を引いた。

 

ドン!!

 

バタン!

 

フレイドリイはそのまま後ろに倒れこむ。ロミオは頭上にいるジュリエットに視線を向ける。彼女の表情はいつもより嬉しそうだ。それはジュリエット役になれたからではない。かといって女らしく振舞えたからでもない。彼女自身も気づいていない、彼女は今ロミオに

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

ロミオはロープのハシゴを登り、ジュリエットが待つバルコニーへと向かった。するとバルコニーにから声がした。

 

「ロミオ。どうしてあなたはロミオなの?あなたがモンタギュー家のロミオでなければ、私たちの愛を邪魔するものはなにもないというのに。そのロミオと言う名の代わりに私の全てを受け取ってください。」

 

「頂戴しましょう。その代わり、私を恋人と呼んでください。そうすれば私は今日からロミオではなくなります。」

 

そう言うとロミオは自身の手をジュリエットに差し出す。

 

「愛しのジュリエット・・・・」

 

「ええ。私も愛していますわ、ロミオ様。」

 

ジュリエットはロミオの手をとり、彼に抱きつく。そして二人の唇が徐々に近づいていく。

 

 

 

ドクン

 

 

 

ドクン

 

 

観客が見守る中、彼らの唇が触れ・・・・

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「まだだ、まだ終わっていない!!」

 

倒れていたはずのフレイドリイがよろけながら立ち上がると、息を大きく吸い込む。

 

「せーの!おーれはじゃいあーんがーきだいしょー!!!!!!!」

 

な、なんて大きな声の歌なんだ。ひどすぎる、これは人間の声じゃない。 あまりの酷さに観客がバタバタと倒れていく。

 

 

 

 

 

ミシッ

 

 

 

 

『「!?」』

 

するとバルコニーにヒビがはいる。

 

ドオーーーーーーーーーーーン!!

 

セットの家がロミオとジュリエット諸共跡形もなく崩れ去った。

のび太の結婚相手は?

  • アカメ
  • クロメ
  • チェルシー
  • シェーレ
  • レオーネ

▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧 ※ログインせずに感想を書き込みたい場合はこちら
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。