夕焼けに誓う幼馴染達   作:椿姫

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今回は蘭がメインヒロイン?かも知れません


第9話「蘭の気持ちと美竹流後継者」

ー羽丘学園ー

キーンコーンカーンコーン

 

授業の終わりのチャイムが鳴った。

 

「それでは今日はここまで。日直、号令頼む」

 

先生に言われて日直が反応する。今日の日直は確か榊木だったな…そんな事を考えてると、榊木が立ち上がる。そして

 

「我、堕天の王なり!!ストライクショ」

 

「誰が某引っ張りハンティングの大号令ssをしろと言った?」

 

「…すいません。言ってみたかったんです。起立!!」

 

榊木は謝ると普通に号令をかけた。ってか先生、モン●ト知ってたんだ……

 

そんなわけで今日の授業が終わった。因みに午前中で終わりだ。

 

みんなが帰りの支度をしていると先生が

 

「あぁ滝河、これを渡し忘れる所だった」

 

と言ってプリントを渡してきた。

 

「それ今日休んだ上原と青葉の家に届けてくれないか?」

 

「分かりました」

 

そう言って僕は2人分のプリントを受け取った。ってか結構あるなぁ〜

 

「助かったよ。大事なテスト範囲だからな。いいか?届けろよ?絶対に届けろよ?」

 

「それは届けるなというフリですか?」

 

「違うわ。ちゃんと届けろ」

 

そんな茶番をしつつ僕は二人の家に向かった…

 

 

ーモカ宅、玄関前ー

 

「ほらモカ。今日の授業分のプリント」

 

そう言って僕はプリントを手渡す。

 

「ありがとーマーく…ゲホゲホッ」

 

モカは咳混じりに喋る。

 

「このあとひまりの家にも行くから。ちゃんと風邪治してね?」

 

「……は〜いゲホゲホッ」

 

そう言って僕はひまりの家に向かった

 

 

ーひまり宅、玄関前ー

 

「ゴホゴホた、助けゴホゴホてぇ〜ゆ、ゆうまぁ〜ゴホゴホ」

 

なんか重症に見えてしまうほど咳をしていた。しかも顔真っ青!

 

「だ、大丈夫?これ今日の授業分のプリント。取り敢えず安静にしててね?」

 

「はぁ〜いゴホゴホ」

 

そう言ってひまりは自分の家に戻った。僕もひまりを見送り、自宅に戻った。何故ひまりとモカが風邪をひいたかというと前回の「羽沢家お泊まり会の乱」を見ている人は分かるかと思うが、どうやらその反動で風邪をひいたらしい。近いうちに期末テストあるけど大丈夫かな?モカは元から頭が良いからいいとしてひまりは…僕は勉強はそれなりに出来るからまぁ問題ないとは思うが…後で要点押さえた箇所のプリントと作り置きしてある金柑の蜂蜜漬けでも持って行こうかな?

 

「さて、僕も勉強しないとな」

 

そう言って僕はテスト勉強に取り組み始めた…

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

しばらくして僕は時計を確認した。

 

「もう15時か…」

 

2〜3時間勉強したのか。そろそろ夕飯の食材を買ってこなきゃな。そう思って買い物の準備をしていると、ピンポーンと家のチャイムが鳴った。

ドアを開けるとそこには幼馴染の姿があった。

 

「………………………」

 

「ら、蘭?珍しいね。僕の家に来るなん」

 

僕が蘭に問いただすと言葉を遮るように蘭は抱きついてきた。

 

「!?ちょ、蘭!? 一体どうしたのさ?」

 

「……………て…」

 

「え?なんて言ったの?」

 

もう一度問いただす。

 

「しばらく匿って!! お願い!!」

 

蘭は目に涙を浮かべて僕に訴えかける。

 

「ら、蘭…」

 

放っとくわけにもいかないので僕は蘭を家に入れることにした

 

蘭を家に入れて飲み物とビターチョコを出す。

 

「それで蘭?匿ってことは、何かあったの?」

 

僕が蘭に問いかける。蘭はビターチョコを食べて語り出す。

 

「実は……」

 

 

 

 

 

蘭side

 

あたしの家は「美竹流」って言う100年以上に渡って受け継いできた華道の家元。お父さんであり現在の美竹流の華道を教えている美竹仙寿とお母さんの3人で暮らしている。

今日は午前授業だったから早く家に帰った。そして自分の部屋にいってギターの練習をいつも通りにするはずだった…

 

「よし、次は…」

 

コンコン

あたしが練習していると部屋のドアを叩く音がする。

 

「蘭、話がある。リビングに来てくれ」

 

お父さんだ。あたしはうんと一言いってリビングに向かった…

 

 

ー美竹家 リビングー

 

「それで、話って何?」

 

あたしが父さんに問いかける。

 

「……まだ、美竹流を継ぐ気にはならないのか?」

 

またその話かと言わんばかりにため息をしてあたしはすぐに答える。

 

「継がない。あたしは仲間と一緒にバンドをやっていくって決めたの。」

 

お父さんもため息をして喋りだす。

 

「…いつまでもワガママが通ると思うなよ蘭。お前だってもう高校生、大人になっていく時期なんだ。ごっこ遊びと家元の華道とどちらが大事かなんて、すぐに分かるはずだ。それが分からない娘では無かったはずだろう…」

 

「仙寿さん、あまり蘭を責め立ててはいけませ」

 

母さんがフォローするがそれを遮る。

 

「母さんは蘭を甘やかしすぎです。」

 

2人が口論してる間にあたしは立ち上がり部屋に戻ろうとすると

 

「待て蘭!まだ話は終わってないぞ!!」

 

お父さんが止めようとする。あたしは

 

「バンドはごっこ遊びなんかじゃない。お父さんはなにも知らない癖に。そんなに華道の後継者が大事なら勝手に探して勝手にやってれば良いじゃん。なんて言われようともあたしはバンドを続ける」

 

そう言って部屋に戻り荷物を纏める

 

「ら、蘭?何をしているの?」

 

ついてきたお母さんが言う。

 

「お母さん、お父さんに伝えて。あたしは美竹流は絶対に継がないって」

 

そう言ってあたしは家を出ていった。

 

 

 

 

雄天side

 

……蘭の話を聞いて僕は蘭へ問いかける。

 

「要は華道は継がない。けど自分達のバンド活動を認めてほしいってことでいいのかな?」

 

「…まぁ、そうなる」

 

「大体の事情は分かった。親は心配して無いの?せめてどこにいるかは連絡した方が…」

 

僕が蘭に言うと蘭は

 

「華道の後継者の事しか頭になくてバンドを、みんなをバカにして尚ごっこ遊びなんていうような人が心配すると思う?」

 

確かにバカにされて黙ってることは出来ないけど…

 

「親が心配するのは当たり前だよ?自分の娘や息子を心配しない親なんていないんだからさ?匿うのは構わないけどさ…泣きそうになってる蘭、放っとくことなんて出来ないからね…もし巴やつぐみ達に話せない悩みとかあるなら遠慮なく相談して良いからさ、ね?」

 

そう僕が蘭に言うと蘭は気持ちが楽になったのか、泣き始めた。

 

「あぅ…あ…ありがとぉ…雄天ぁ……」

 

こんな蘭を見るのは初めてだ。蘭は負けず嫌いで気が強いが寂しがり屋なとこもある。幼馴染や身内を誰よりも大切にするタイプだ。そのせいか悩みとかを誰かに話さないで溜め込んでしまう。以前にその様な事があって蘭と巴が喧嘩しちゃったんだよなぁ…あれを宥めたりするのは大変だったよ…

 

「どういたしまして、蘭、顔赤くなってるよ?」

 

僕が指摘すると蘭はより一層赤くなった。

「はあっ!?あ、赤くなんかなってないし!!」

 

(素直じゃないなぁ、このツンデレは)

 

「ツンデレじゃないから!?雄天何言ってんの!?」

 

あれ?今なんで考えてること分かった?まぁ、いいか。そう言えば今何時だ?…ってもう6時過ぎてんのか…ご飯作らないとな

 

「蘭、そろそろ夕飯にするけど何か食べたいのある?」

 

「…グリーンピース入ってなければ何でもいい」

 

「了解。ちょっと待ってて」

 

僕は夕飯の調理に取り掛かった。

 

 

数分後、テーブルに並べられた料理を見て蘭は呆然とする。

「雄天、アンタの料理の腕って凄いよね…?」

 

「いや、これ位は普通じゃないの?」

 

「まぁいいや。食べよ雄天」

 

「そうだね」

 

僕と蘭はテーブルに座り蘭が僕の作った料理を1口食べる。

 

「…美味しい」

 

「良かった。口に合わなかったらどうしようかと思ったよ」

 

「…ゆうまが作るものなら何だって美味しい(小声)」

 

蘭がゴニョゴニョしながら何か言ってる?

 

「?何か言った蘭?」

 

「な、何でもない/////」

 

そう言うと蘭はご飯を食べ続ける。なんて言ったんだろう?

 

「あ、蘭。ご飯食べたら先に風呂に入ってきていいよ?僕は後片付けがあるからさ、ね?」

 

「分かった。じゃ、そうさせてもらう」

 

そう言い終わるとご飯を食べ終えた蘭はバッグを持って風呂に向かった。さて、僕も後片付けをしなきゃな…そう思い蘭の使った食器を運運ぼうとすると、

 

ピンポーン

 

チャイムが鳴った。こんな時間に一体誰だ?

 

「はーい。今行きまーす」

 

そう言って玄関を開ける。そこには短髪に眼鏡を掛けていて和服に身を包んでいる男の人、もとい蘭のお父さん、美竹仙寿がいた。

 

「雄天君。久しぶりだね。そっちに蘭が来てないかね?」

 

「お、お久しぶりです。仙寿さん」

 

「そんなに堅苦しくなくていいよ。蘭が家を出てったんたが、君の家に蘭はいないか?」

 

「あ、今風呂に入ってますよ蘭は?それがどうかしたんですか?」

 

仙寿さんはハァとため息をついた。

 

「全くあの娘は…すまないね雄天君。今日だけでいいから蘭を泊めてやってくれ。迷惑かも知れないが、いいかな?」

 

「迷惑だなんてとんでもないですよ!? 」

 

「そうか。そう言ってもらえると助かるよ。それじゃ」

 

そう言って仙寿さんは帰ろうとする。が、僕はそれを引き留める。

 

「あの、仙寿さん。お話したいことが、あるんです…少しだけ良いですか?」

 

「?どうしたんだい?」

 

そう聞いてきた仙寿さんに僕は

 

「明日、蘭の話を聞いてやってください。お願いします。あと、蘭が来た時に美竹流を継ぐとか継がないとかっていう話があったんですよ。その事について詳しく聞きたくて」

 

と言った。仙寿さんは

 

「美竹流の華道はその家元、もしくは娘が惚れた男を私達が見定めて後継者を決めている。門下生の中には蘭に求婚してくる輩が多くてな、どいつもこいつもつり合うどころか下心満載で来るから玉砕するのにどれだけ苦労したことか…」

 

そう言うと仙寿さん何か閃いたようだ。

 

「そうだ、この手があれば!」

 

「せ、仙寿さん?」

 

「雄天君。そこまで言うのなら蘭の話は聞こう。それで私の心が動くのならば蘭にバンドを続けさせるよ。それと蘭が美竹流を継がくてもいい方法がある」

 

「ほ、本当ですか!?その方法って?」

 

「簡単な話だ‥‥ーー

 

 

 

雄天君。キミが蘭と交際をして美竹流後継者になれば良いんだよ!!」

 

 

‥………は?

この人は何を言っているんだ?

 

 

 




蘭の父親の名前が分からないのでオリジナルにしました。もしわかる人いれば教えていただけると幸いです。

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これからもよろしくお願いします
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