夕焼けに誓う幼馴染達 作:椿姫
2年前から始まり遂に完結。
番外編含めて全62話、見ていただけたこととても嬉しい思います。では、最終回をどうぞ。
〜2019年4月 羽丘学園〜
…桜舞い散り暖かな陽気が指す季節、羽丘学園は賑わいで溢れかえっていた。そんな中でも特に賑わいを見せてるのはクラスが張り出された紙だ。
「あー!また同じクラスだ!」
「えっ!!俺E組かよ食堂遠いじゃねーか〜」
「私C組だったよ!」
「うそー!あたしも一緒だ!やったー!」
もちろん僕達もその張り紙を見ている。何せ今日から2年生になったわけだからね。
「ゆうま!同じクラスになれたらいいね…っあ!私A組だっ!」
「お!ひまりもA組だな!アタシもモカもA組だぞ!」
「おっほっほ〜、またひーちゃんと同じクラスですな〜」
ひまりと巴、モカは同じクラスになったことを喜んでいる。一方つぐみと蘭は、
「…ん、あった。あたしA組」
「蘭ちゃんもA組!?私もA組だよ!同じクラスだね!!」
どうやら幼馴染のみんなは無事A組で同じクラスだったみたいだね。さーて、ちゃちゃっと僕も見つけなくちゃ。えっと…
「ゆうま!蘭がA組だったから皆同じだよ!これであとはゆうまだけ!ねーねー早く見つけてよ〜♡」
「うわわっ!!ビックリさせないでよひまり、分かってるから…」
張り出されたクラス名簿欄から名前を見つけようとするとひまりが腕に絡んでくる。相変わらず甘え上手なのはわかるけど人目を気にして欲しい…豊満で柔らかい胸が腕に収まってて妬み嫉みの視線と女子からの黄色い歓声が…ひまりに言ってもやめないからいいんだけどね。そんなことを考えながら僕の名前を探していく。
「あ、あった。えっと…僕はB組だね」
「……ゑ?私の聞き間違いかなー?ゆうまさん?もう1回言ってくれませんか?」
「……僕はB組だよ」
それを聞いたひまりは、絡めていた腕をするすると解いて膝を腕をついて落胆する。
「うぅ…うぞだどんどごどーん」
「ひまり?だ、大丈夫?」
「ゆ、ゆうまと同じクラスじゃないなんて…ゆうま成分補充できないぃ〜」
「せ、成分ってそんな大袈裟な…」
確かにひまりは放課後とか昼休み、ましては授業終わりの10分休みに「成分ちょーだい♡」って言って抱きついたくるんだよね。クラスの男子の視線凄いよ?時々呪怨とかお経、ましてやどこか分からない民族儀式までする人がいたくらいだもん。
「どうやって補充すればいいかわかんないよっ!?こうなったら授業終わりにB組行ってゆうまに甘やかしてもらう!!」
「補充する前提なの!?」
「まぁまぁひーちゃんや、そんなこと言ってるけどマー君はつぐと一緒に生徒会になったからそんな気を落とさずに〜」
「せ、生徒会…がはっ!!」
ひまりは吐血するふりをしながら巴に抱き抱えられる。モカが言うように僕も生徒会に入ることになったのだ。理由はまぁ担任に、生徒会に興味無いかって言われて半ば強引にだけど。
「トドメはダメだぞモカ!?」
「いや、もはやオーバーキルしてるよ巴…それより教室に行かないとそろそろ遅刻するんじゃない?」
「お、そうだな。おーいひまり、遅刻しちまうぞ〜?」
「う、うぅ…」
「ほら、行くよひまり。じゃあ雄天、後でね」
叫ぶ巴を尻目に蘭は苦笑いになる。巴はひまりを起こして昇降口に向かった。遅れること僕も自分のクラスの下駄箱に向かい、教室に向かった。荷物を置いてからは生徒会室に行き、打ち合わせとなる。
「あ!おーい雄天くーん!」
「日菜さん、時間的に大丈夫ですか?」
「ぜーんぜん!あたしは問題ないよー!つぐちゃんもさっき来たばかりだし!ね、つぐちゃん!」
そう言うと日菜さんはつぐみの方を向いて確認を取る。さて、何故生徒会室に日菜さんがいるのかと言うと、何を隠そう日菜さんが新しい羽丘の生徒会長になったのだ。
生徒会長までの経緯を話すと、日菜さんは『生徒会長るんっ♪ってする!』という事だそうで…。相変わらず、るんっ♪の意味は僕もつぐみは疎か、他の人にも分からないままである。
それはさておき、資料やら原稿やらを纏めた僕達は新入生を迎えた入学式兼始業式の最終チェックなどに取り掛かる。
「えっとここはこうだから…」
「雄天くーん!ちょっと来てー!」
「え?どうしたんですか日菜さん?」
スピーチの内容を確認していた日菜さんから呼ばれて僕は日菜さんの方に向かう。
「あのさー、ここの文章なんだけどあたし的にはドヒューンよりもヒュんっの方がいいと思うんだけどどう思う?」
「ゑ?どういう…?」
「だからー、ドヒューンだってば!」
「わかりやすく言ってください!?」
やっぱり日菜さんは分からない…。そう思ってると今度はつぐみに話しかける。
「つぐちゃんはどう思う〜?」
「え?わ、私ですか…えぇ…」
こんなんで何とかなるのだろうか。不安だなぁ…
ひまりside
「ううう…ゆうまぁ〜ゆうまぁ…」
「ひまり、さっきから雄天の名前ばっかり呟かないでよ…」
「だってぇ〜」
つぐとゆうまが生徒会にいる頃、A組に居る私と蘭、モカと巴は始業式が始まるまで教室で待っている。私はLIN○でゆうまに何回かメールを送るけど当然既読がつくわけもなかった。朝から何度目かわからないほど私は肩をがっくしとさせる。
「ゆうまぁ〜あうぅ」
「まぁまぁひーちゃんや、マー君もお忙しいんだから察してあげなきゃダメですぞー?」
「それはそうだけどさぁ…」
「ふあぁ…そう言うわけなのでモカちゃんは眠いのでお眠しま〜す」
モカは机に突っ伏すと直ぐに寝息を立てた。巴は他のクラスメイトと話してるし蘭は読書、時間になるまで暇だった私は、仕方なく携帯の中にある画像ファイルを閲覧する。Afterglowのみんなで撮ったライブパーティーとか燐子さん達といった海水浴、他にもお花見や文化祭、それに…大好きなゆうまとのデートや思い出がこれでもかというくらいに収められていた。
「懐かしいの沢山あるなぁ♪」
今年も去年みたいに、幼馴染みのみんなと思い出を作りたいなぁと思いながら思い出に浸っていると先生が教室に入って来た。
「そろそろ時間だから2年生と3年生は先に体育館にて待つように。親1年生を迎えるんだから上級生としての自覚をしっかり持つんだぞー」
『はーい』
クラスのみんなが返事をして体育館に移動を始めた。巴がモカを起こすも寝ぼけていたため、なんとかモカを担いでそれを後ろから見守る形で私と蘭も体育館に向かう。
「おーいモカ、さっさと起きろー」
巴がモカに声をかけるけどまだ眠たいのか巴に担がれながらも睡眠を始めようとしてる。
「むぐむぐ…フランスパン…むにゃむにゃ」
「まだ寝ぼけてる…早く起きなって」
蘭がモカの頬をつつくと、目が覚めたのかモカはふあぁとあくび混じりに目を擦る。
「あー、モカやっと起きたー」
「ありぇ?ひーちゃん?蘭にトモちん?」
「おっ、やっと起きたかモカ!」
「あらあら〜?モカちゃんトモちんに運ばれちゃってる〜。あ〜れ〜、連れ去られちゃうぅ〜」
「はぁ…ふざけてる場合じゃないでしょ」
「さーせんー」
蘭に指摘されながらもモカは渋々巴から降りて体育館に向かう。入学式と始業式は淡々と進められて行き、生徒会の挨拶では日菜さんとつぐ、ゆうま達が自己紹介やらなんやらをした。
『それではこれにて、羽丘学園の入学式と始業式を終了します。本日は各クラスの清掃が終了次第各自解散となっています。明日からは授業も始まりますので綺麗にしていきましょう』
教室に戻ってから、私達は掃除を手早く終えてつぐとゆうまが来るのを玄関で待つ。しばらく待つとつぐが鞄を背負って走って来た。
「みんなお待たせー!ま、待った?」
「大丈夫だよ、つぐみ」
「ううん、ぜーんぜんっ!ってあれ?つぐ、ゆうまは?一緒じゃなかったの?」
2人とも生徒会だったから一緒のはずなんだけど…私はつぐに問いかけた。
「あー、それなんだけどね…雄天くんから伝言預かってるんだ…」
「ゆうまから伝言?なになに?」
「えっとね…『新しいバイトの面接あるから今日は皆と帰れない、ゴメンね』ってことなんだよね」
「えーーっ!?」
私は今日1番の声を上げた。そしてまたゆっくりと膝から崩れ落ちた。
雄天side
〜ライブハウス Galaxy〜
「うん。滝河くん、そう言うことで明後日からでも大丈夫かな?」
「はい、こちらこそ宜しくお願いします」
バイトの面接は無事採用に終わった僕はライブハウス内を見て回ることにした。
「設備がいいな…SPACEよりは少し狭く感じるけど」
僕は、前までバイトしていたライブハウスSPACEが無くなり新しいバイト先を探している時、ここGalaxyを見つけた。隣が青果店で男の人がいたけどあの人がオーナーだって言ってたなぁ店長。
「あ、ドラムがある」
練習用ドラムを見つけた僕はドラムの元に駆け寄る。
「うぉ…凄い叩いた跡がある」
黒ずんだところを見ると相当の練習量こなしてるのが分かる。その時、扉が開けられ人が入って来た。
「…あ?お前誰だ?」
入って来たのは黄色い髪に目つきが悪く、スカジャンのようなものを着ている女の人だった。手にはドラムスティックが握られていて、そのスティックは何度も叩いた跡があるのか幾つも傷がついている。
「あ、今度からここでバイトさせてもらう滝河雄天です」
「ふーん…あたし佐藤ますき、よろしく。早速で悪いけど今から練習するからどっか行け」
「あ、はい…」
僕はさっさとスタジオから追い出された。なんかあの人…関わり辛そうだなぁ、そう思いながら荷物を纏めて家に帰ることにした。家に帰ってからは、疲れからかすぐ自分の部屋に直行してベッドダイブした。
「はあぁぁぁぁ…疲れたぁ…」
制服のズボンからスマホを取り出し時間を確認する。時刻は18時を回っていてそろそろ夕飯の時間だった。眠そうな目を擦りながら疲れ切った身体を起こし、部屋を出ようとすると
「ゆーうまっ!!」
ひまりがベランダから僕の部屋に入ってきた。ドアノブに手をかけていた僕は驚いて腰を抜かし、その場に座り込む。
「び、びっくりした…どしたのひまり?」
「どうしたもこうしたもない〜っ!」
ひまりは僕の腰に手を回しぎゅっと抱きしめる。
「今日全然ゆうまとイチャイチャしてないの〜!」
「ねぇ…ひまり、僕今ものすごく空腹なんだけど…」
「ご、ごめん。どうする?私何か作ってくる?」
「そうして貰えると嬉しいかな…」
「よーしっ!ひまりちゃんに任せなさいっ!」
ひまりはそう言うと腰に回していた手を離し、勢いよく部屋を出て階段を駆け下りて行く。クッションに顔を埋めてぐでぐですること数十分、ひまりが戻ってきた。
「おまたせー♪簡単なものだけど食べれる?」
「あ、ありがと…」
ひまりが作ってきた夕飯を食べ終えると、ひまりはベッドに座り僕の前で手を広げて何かを促し始める。まぁ、何がしたいのかはだいたい分かるけど。
「お疲れ様ゆうま…おいで♪私がぎゅーってしてあげる♪」
「ありがと。それじゃあお言葉に甘えさせてもらおうかな…」
「ふふ♪いーっぱい甘えていいんだよ♡」
僕は疲れた身体でひまりの元に行き、ひまりの腰辺りに手首を回す形で抱きしめる。それを確認するとひまりはめいいっぱいに僕を抱きしめた。ひまりの胸に僕の顔がうずめられてる状態だが心身共にお疲れモードな為、ほぼ思考停止状態だ。
「うう…ひまりぃ〜、疲れたよぉ〜」
「よしよし♪頑張った頑張った♡ゆうま偉いよ〜♡」
ひまりが頭を撫でる度に胸がむにゅむにゅってする。今ならひまりを抱き枕にしてそのまま眠ってしまいそうだ。が、そうにも行かない。だってまだ風呂はいってないし明日の準備もあるし。あ、でも眠くなってきたかも…ヤバい。ひまりいい匂いする…。
「くあぁ…」
「ふふ♡ゆうまのあくび女の子みたーい♡可愛い♡」
「う…可愛いって言わないでよ…恥ずかしぃ」
「もー♡ゆうま可愛いすぎ♡♡私ゆうまの事好き好き〜っ♡」
むにゅむにゅされてなでなでされて甘やかされて…2年生になってからこんなにしてもらって申し訳ないような気がするけど、ひまりから離れたくない僕がいる。ぶっちゃけすごく幸せな気分なんだよねぇ…
この後散々甘やかしてもらい、癒されたあとは風呂に浸かり疲れをさらに落とした。あとは寝るだけなのだがひまりは、「今日は一緒に寝よ♡」という事になった。それは大丈夫なのと聞いたらひまりのお母さんやお姉さんは勿論OKとの事だった。逆に断る理由はあるのかって言われてもあるはずないけどね。
「ふふ、ゆーうまっ♡いつでもぎゅーってしていいからね♡」
風呂から上がったひまりと一緒に、ベッドで横になり、部屋の電気を消す。
「ひまり、ありがと」
「ん〜?どうしたのいきなり」
「いや…その、疲れてる僕にここまでしてくれてありがとうっていうかなんて言うかその…んん〜、上手く表現できない」
「なーに当たり前のこと言ってんの♪幼馴染として放って置けないし、何よりゆうまの恋人として…ね♡」
どう言ったらいいか分からなくなってる僕の頬をひまりが指でつつく。
「ねぇゆうま♪ちゅーして♡」
「しょうがないなぁ…」
僕は両手をひまりの頬に添え、ゆっくりと顔を近づけ、お互いに唇を触れ合わせた。
「ん…んちゅっ♡」
「れろっ…ちゅぅ…」
触れる瞬間、ひまりは舌を使ってこじ開け僕の口内に舌を侵入させてきた。
「んんんっ!?んー!んー!」
その後どうなったかと言うと…ひまりが満足するまでキスしたのは言うまでもなかった。そしていつの間にか僕はひまりを抱きしめる形でゆっくりと眠りについた。
ひまりside
「ふふ…可愛いなぁ」
私に抱きつくように、って言うか私を抱き枕にしてゆうまが寝ちゃったんだけど…ものすごく可愛い。
「寝顔…キュン♡」
ほっぺをつついたり髪をわしゃわしゃしたりするとちょっと反応するけどすぐ寝ちゃう。今日のゆうまはすごく大変そうだったから無理もないよね。ゆうまの顔にスマホのライトが当たらないように自分のスマホをつけて時間を確認すると22時を回っていた。
「あ、そろそろ私も寝なきゃ…」
さすがにこれ以上起きてると明日からの授業に影響しかねない。たっぷり雄成分を補充した所で、私はゆうまを抱きしめてゆっくりと目を閉じた。
〜翌日 羽丘学園 屋上にて〜
「もー!なんで朝起こしてくれなかったのゆうま〜!?」
「少なくとも4回は起こしてるけどそれから何回揺すっても可愛い寝顔でぐっすり眠ってるから中々起こせかったの!!」
「いやそこは頑張って起こそうよ!?」
「で、でもっ!僕にはひまりの寝顔を守る義務が…」
「学校あるんだから起こす義務を全うしてよ!?」
昼休み、屋上に集まった皆とお昼の最中、私とゆうまはちょっとした言い合いになっていた。まぁ原因は朝ギリギリ遅刻しそうになったんだよね…4度寝した私も悪いけど。
「マー君とひーちゃん揃って遅刻ギリギリとはね〜、もしかしてお楽しみなことしてたり〜?」
「ケホッケホッ!何言ってんのモカちゃんっ!?」
モカの爆弾発言につぐみが咳き込む。お楽しみってことでは無いけどちょっとだけイチャついたってのはあるかな…
「お楽しみとかそう言うのは無いよ」
「え〜、マー君のいけず〜」
「いけず〜じゃないよ。ほんとに無いからね」
「はーい」
「それにしても2年生になってもユウとひまりは相変わらずだよな?クラス離れてる筈なのに休み時間なった途端、人目もはばからず凄いイチャついてるよな?なー蘭」
「確かに…胸焼けしそうだし甘ったるいからコーヒー飲みたくなるよ」
蘭はそう言いながら自販機で買った缶コーヒーを開けて、ぐいっと飲む。
「あれ?あたし無糖買ったはずなのに…おかしい」
「蘭…えっと、その…ごめんね?」
「いやいや、別に雄天が悪いって言ってるわけじゃないから謝んなくていいよ?原因の8割はひまりだし」
「ええっ!?」
「うん。残りの2割は僕なんだよねそれ」
そんなことを話していると予鈴のチャイムが鳴った。もうちょっとだけでいいから昼休み増えないかな〜、という切な願いは届く事なくチャイムは鳴り続ける。
「って…あー!次私達体育じゃん!」
「やば…急いで戻ろ」
「トモちんおぶって〜、モカちゃんお昼でお腹いっぱーい」
「寄りかかるなモカ!自分で走れ!」
「さ〜せん」
「あ、僕も次移動教室だった…急がなきゃ」
みんな足早に階段を駆け下りて教室へと行った。
雄天side
放課後になってから生徒会室に向かうのが日課になった僕とつぐみは今日も今日とて日菜さんに振り回される。
「よーし!今日もるんっ♪ってすること探しに行こーっ!行くよ2人ともー!」
「待ってくださいって…生徒総会の資料は…」
「もう終わったよ〜簡単すぎるんだもん♪」
日菜さんが指さすその方向には纏められた生徒総会の資料がドン!と置かれていた。
「うそーん…」
「日菜さんすごすぎ…」
「ほらほらー、早く早くー!」
この後僕とつぐみは目を光らせた日菜さんに散々振り回され(無茶苦茶な行動と理論)、終わる頃には机に突っ伏していた。
「うう…つぐみ大丈夫?」
「わ、私は大丈夫だよ〜」
「そっか…じゃあ僕はそろそろ帰ろっかな?おつかれ〜」
「うん、おつかr…ってあ!そうだ!雄天くんちょっと待ってぇ!」
つぐみが何かを思い出したかのようにつぐみが僕の制服の袖を掴む。
「ど、どうしたのつぐみ?」
「ひまりちゃん達が言ってたの!生徒会の活動終わったら雄天くんと私に屋上来て!って!危なく伝え忘れるとこだったよ…ふぅ」
「屋上に?」
「うん!行こ!」
僕は荷物を抱えたまま、つぐみに連れられ屋上に向かう。屋上前の扉を開けるとそこには、ひまり、蘭、巴、モカが勢揃いだった。ひまりは、僕とつぐみが来たのを確認すると真っ先に駆け寄って来る。
「やっと来たー!遅かったねつぐ、ゆうま!」
「あはは、日菜さんがハチャメチャすぎてね…」
「雄天くん振り回されてたもんね…」
つぐみが思わず苦笑いになる。
「日菜さんって話通じないって言うかなんて言うか…あたし、ほんのちょっと苦手かな。パスパレの曲作って提供した時とかもだけど」
「そ〜かなー?モカちゃんは日菜さんの話なんとな〜く分かるよ〜」
「ははは、モカと日菜さんって何となくだけど同じタイプって感じするもんな!」
「確かに。そんな気がするかも」
「マー君、モカちゃんはモカちゃんなのだぞ〜?」
巴に同調すると、モカがすぐさま反論して来た。その時、ひまりが大きな声を上げる。
「あ!ゆうま!みんな見て見て!」
「どうしたのひまり…っておぉ、これは…」
「大きな声ださないでひまり…ん?あ…」
「うおおお!すげー!」
「エモいですな〜、ねぇつぐ?」
「うん!すごいね!」
皆が見つめるその先は、綺麗な夕焼けだった。時刻はだいたい17時を過ぎたあたり、赤と橙が混ざり合ったような明るく綺麗に輝く夕焼けが目の前に広がっていた。思わず見蕩れてるとひまりが口を開く。
「そう言えば中等部の時もさ、こんな感じの夕焼けをみんなで見たよね?」
「あ、懐かしー!あん時はまだユウとひまりが付き合ってなかった頃だったよな!」
「バンド始めた時もそうだったよね。あたしが別のクラスになった時につぐみがファミレスでバンドやろう!って言ってAfterglowが生まれたんだよね」
「いやぁ、懐かしいですな〜」
「そうだね」
蘭はほくそ笑みながら思い出していた。モカとつぐみは蘭を見てふふふと笑うと更にひまりが口を開く。
「ねぇみんな…私達さ、幼馴染6人組じゃん?」
「ん?いきなりどうしたのひまり?」
いきなりの話題に僕は疑問符を浮かべながらひまりに問いただす。
「いやあ、ちっちゃい時からずーっと一緒だったじゃん?Afterglowのメンバーとライブして、ゆうまと恋人同士になって、デートしたり、ケンカしたり…色んな事乗り越えて楽しみながらここまで来たんだなーって思ってるんだ!」
「ひまりらしい考えだね…あたしは悪くないと思うよ」
「おー、蘭が素直だ〜」
「からかわないでよモカ、あたしはいつも通りだから」
「ご〜めんなさ〜い」
モカと蘭の茶番もどきが終わるとひまりは口を開く。
「夕焼けを見てるとさ…私達いつまでもずーっといられるなって思うんだ!ゆうまもそう思わない!?」
「…確かにそうかも。あの時夕焼けを皆で見て、それぞれいろんな考えとか想いを抱いて…それから、普段一緒にいるみんなとの距離が縮まったって僕は思うよ。ひまりとも付き合えてるし♪」
「えへへ…褒めたってひまりちゃんからは何も出ないぞ〜?」
「ったく…2人とも変わんないね。ま、それがいいんだけど」
「だよな!アタシらはいつも通りって感じだよな!」
「このメンバーだからこそ、幼馴染だからこそ!だね!」
「つぐってモカってエモいですな〜これをモカちゃんの言葉で言うなら『夕焼けに誓う幼馴染達』って感じですかな〜?」
いい感じの言葉で纏めたモカのその言葉にひまりが即座に反応する。
「夕焼けに誓う幼馴染達、かぁ…いい!すごいいい!よーっし!なんだかテンション上がってきたよ〜!みんな!これからもずーっと一緒にいようね!行くよ!せーの…えいえい、おー!」
「……」
僕は疎か、ひまりを除く他のみんなは『いつも通り』を押し通す。このいつも通りの日常が僕らを支え、背中を押してくれる。そんな気がした。
「えーーっ!?こんなにいい時なのになんでやってくれないの〜!?てょもえぇ〜!」
ひまりがぽこぽこと巴を握りこぶしで軽く叩く。
「はは、落ち着け落ち着けってひまり!これがひまりって感じなんだから気にするなって!」
「ひまりはいつも通りでいいよ…ふふっ」
「ひ、ひまりちゃんらしくて私はいいなーって思うよ?」
「ひーちゃんひまってる〜」
みんなにからかわれたのかひまりはぷくっと頬を膨らます。
「むぅ〜っ!ねぇゆうま〜、ゆうまからみんなに言ってよ〜?」
「うーん…ひまりはひまりらしくいればいいってことじゃない?いつも通り…ね?」
「もー!どういうことなの〜っ!?」
屋上では夕焼けを背にみんなの笑い声が響き渡った。
夕焼けに誓う幼馴染達〜END〜
改めて最終話、最後まで読んでもらいありがとうございました!「椿姫」という名前でハーメルン作家として2年…長いようで短いあっという間な期間でした!!
連載当初から読んでくれている古参の方も、僕のハメ作家としての初めての小説、『夕焼けに誓う幼馴染達』を途中からでも読んでくれてお気に入り登録してくれた皆さんには感謝でいっぱいです。ひまりへの愛は今も尚トップギアです!心が躍り脳は震えます!
夕焼けに誓う幼馴染達はこれでひとまず完結となりますがまだ連載してる小説はあります。
「努力家と天才の茨道 2nd season」
「臆病な兄と奇天烈集団」
「Bitter Sweet 〜消えた記憶の行方〜」
「彼女たちと紡ぐ思い出」※これはR18バンドリとなってます
こちらの方も僕が書いてる小説となりますので何卒よろしくお願いします。
ひまりの魅力や可愛さに惚れてひまり推しが増えたら嬉しいですね、では!