夕焼けに誓う幼馴染達   作:椿姫

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第8話「羽沢家お泊まり会の乱」 後編

 

 

「1日だけですけど、お世話になります」

 

僕、滝河雄天はつぐみのお母さんに挨拶をする。僕に続きひまりとモカも挨拶する。

 

「は〜い。こちらこそよろしく」

 

つぐみのお母さんが挨拶すると台所から

 

「つ、つぐみが友達と、か、彼氏を連れてきただとぉぉぉぉぉ!?どこのどいつだつぐみを誑かす不届き者はァ!?」

 

つぐみの父親がけっそうをかえて出てくる。ちょっとまて今の挨拶から何をどう読み取るとそんな結論になるんだ?

 

「お、お父さん!?何言ってんの?幼馴染の雄天くんとひまりちゃんにモカちゃんだよ!?か、か、彼氏なんて…」

 

つぐみが顔を赤らめて否定すると、

 

「ん?あぁ、雄天君たちかァ!何だそれなら安心だ!!つぐみの友達と未来の婿がいるから安心だ!!」

 

ダメだこの人。話聞かないし通じない。それを見かねたつぐみのお母さんが、

 

「お父さん?ちょっと台所に来てくれます?今すぐに」

黒い笑顔で手招きをしている。

 

「ん?どうしたんですか?」

 

…その後台所からつぐみのお父さんの断末魔が聞こえてきたのは言うまでもない。それから数分後つぐみのお母さんが来た。

 

「取り敢えず寝るところはつぐみの部屋でいいかしら?」

 

『え、あ、ハイ…』

 

僕やひまり、モカは怯えながら返事をした。

そういえばつぐみの家に泊まるなんて初めてなんだよな。ひまりとモカは中学の時に何回か泊まりに来ていたらしいが。僕はつぐみの部屋に荷物を置いて

 

「それじゃつぐみ、練習する?」

 

僕はつぐみに問いかける。つぐみは

 

「うん!」

 

と、笑顔で頷いた。するとひまりは

 

「いよーし、みんなで頑張ろー!えいえいおー٩('ω')ﻭ」

 

「さてつぐみ、モカ、練習行こうか」

 

僕がひまりの掛け声を無視するとひまりが、

 

「ええっ!?無視しないでよぉ~ゆうまぁ~」

 

と泣き顔で追いかけてきた。因みに練習場所はつぐみの家の倉庫だ。音も響かないしお客にも周りにも迷惑がかからないからいい練習場所になる。SPACEに行けば機材もたっぷりあるけど予約しないとだから。その点こっちは予約しなくていいし。機材もそれなりにあるから演奏は出来なくもないし。店のほうはつぐみのお母さんとさっきまで重症だったはずなのにぴんぴんしているつぐみのお父さんに任せることとなった。ってかつぐみのお父さん生命力ハンパねーな…

 そんなわけで練習が始まるのだった…

 

 

 

ひまりsaid

 

 

むううぅぅ…

 

練習が始まって数時間、私、上原ひまりは今猛烈に羨ましい光景を目にしています。それは、

 

 

「つぐみ、そこはこうじゃないか?」

「え?こ、こうかな?」

「うん。そんな感じでもう一回やってみて」

「あ!出来た出来た!ありがと雄天くん!」

「僕なんかのアドバイスが役に立てて嬉しいよ」

「じゃあさ、ここのパートなんだけど自主練の時にできなくて…」

「ちょっと譜面みせて?あぁ、ここはね…」

 

なんとゆうまがつぐにマンツーマン指導をしている。すごく仲睦まじそうに…。頬を膨れさせてその光景を見ていると横からモカが話しかけてきた。

 

「つぐとマー君、いい雰囲気ですなあぁ~ひーちゃん」

 

「羨ましい…モカは何とも思わないの?」

 

「あたしは何とも思わないよ~、マー君が他人の手伝いするのって昔から好きじゃ~ん」

 

「そうだけどさぁ…」

 

私もゆうまからマンツーマン指導受けたいよおぉ~構ってよぉ~私だって出来ないところあるんだよぉ~

そんな事を考えていると倉庫の外からつぐのお母さんの声がした。

 

「みなさぁん、ごはんできましたよぉ~」

 

「え?もうそんな時間!?」

 

「時間が過ぎるのはあっという間だねぇ~あー、僕も腹減ったぁ~」

 

「モカちゃんもお腹減ったぁ~」

 

「じゃあごはん食べるか?」

 

ゆうまがそう聞くとみんな返事をして楽器を置いて向かっていく。私もベースを置いて向かう。

 

 

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

 

雄天side

 

 

「おいしーです〜」

 

「う、美味い!!」

 

「喜んで貰えて良かったわぁ、たくさん食べてね?」

 

『ありがとうございます!!』

 

モカと僕が声を揃えて言う。時刻は18時を回っていた。つぐみのお父さんもビールを飲んでいた。

 

「あ、ありがてぇ!!ビールがキンッキンに冷えてやがるぅ!!」

 

聞いたことあるようなセリフだったがスルーしよう。気にしたら負けだ。

食べ終わり食器を片付けその後はつぐみの部屋でトランプすることになった。結果はというと、モカの圧勝だった。しかもすげードヤ顔してきた。他のゲームでもモカには勝てなかった。某戦略型カードゲームアプリでも大富豪、スピード、ポーカー、ヌ●ロンでも勝てなかった。く、悔しい…

僕やひまり、つぐみが負の感情に浸っているとつぐみのお母さんが入ってきた。

 

「みんなお疲れ様。ケーキ持ってきたわよぉ〜」

 

そう言ってケーキを4人分置いた。チョコケーキかな?

 

「みんなゲームで盛り上がるのは良いけど遅くならないようにね?お風呂は順番決めて入っちゃってね?」

 

そう言うとみんな息ぴったりに返事をした。風呂はレディーファーストとも言うからなぁ。僕は3人に

 

「先に風呂はいって来ていいよ?僕は持ってきた課題やって待ってるからさ」

 

そう言うと再び息ぴったりに

 

『ゆうま(マー君)(雄天くん)が先に入ってきて、大丈夫だよ!!』

 

「?お、おう…じゃあお言葉に甘えさてもらいます?」

 

僕は意味も分からぬまま着替えの入ったバッグを持って風呂に向かった…

 

 

つぐみsaid

 

「モカ、ゆうまは下に行った?」

 

ひまりちゃんがモカちゃんに言った。行ったよ~と返事をするとひまりちゃんは「グッジョブ!」と言いながら親指を立てた。

 

「モカちゃん、ひまりちゃん…本当にするの?」

 

私の発言にモカちゃんとひまりちゃんが問いかける。

 

「つぐ、ゆうまがいない今だからこそ、だよ?」

「そうだよつぐ~」

 

「は、はぁ…」

 

私、押しに弱いなぁと思ってしまう。こういう時の二人は一度決めたらやめないからなぁ…

 

「じゃあ、はじめるよ……」

 

ひまりちゃんが私とモカちゃんに聞いてくる。モカちゃんは頷き、私も頷くしかなかった。そしてひまりちゃんが一拍おいて口を開く…

 

 

「第一回!!お風呂上りのゆうまを驚かそう作戦会議!!」

 

「いえーい」

 

2人は大盛り上がりみたい。

 

「あはは…」

 

そんなわけで作戦会議?が始まっちゃったんです…このまま何も無ければいいんだけどなぁ…

 

数分後…

 

『ん〜』

 

案の定いい案が出てないみたい。

二人揃って今は唸っています。私はと言うとキーボードの譜面を確認しています。さっき夕食前雄天くんが教えてくれたところをみてお母さんが持ってきたケーキを食べながらイメージトレーニング中です。あ、このケーキ美味しい。

 

「こうなったらケーキを食べて頭を回復だー!」

「う〜そうするしかないようですなぁ〜」

 

そうして2人はケーキを食べはじめた。美味しかったのかすぐに食べ終わってしまっていた。そしてすぐに話し合いをはじめ…

 

突然、私は頭がクラクラし始めた

 

(あ、あれ?……か、体が暑い…しょれに…頭が、ぼーっと………すりゅ…呂律が回ら…な)

 

どーやらひまりちゃんとモカひゃんにも同じ事が起きてりゅみたい…私は何とか立ち上がり部屋を出た。

 

(このことをゆ…雄天君につ…た………え…)

 

 

そこで私の意識が途切れた。

 

 

 

 

 

雄天side

 

(ど、どういう事だ…?)

僕の目の前にはカオスとも呼べる惨状になっていた。

 

な、何を言っているのか分からないと思うけど聞いてくれ!!お風呂上ってつぐみ達のいる部屋に向かっていったら部屋の外のドアの前でつぐみが寝ていて部屋に入ったらひまりがつぐみの布団に頭を突っ込んで寝息を立てていてモカはフードを被って部屋の中を転がり回っていた。最初見た時は頭がどうにかなりそうだった。ドッキリとかそんなもんじゃ断じてない!もっと恐ろしい片鱗を味わったぜ…(●ルナレフ風)

 

ってそんなことを考えてる場合じゃない。まずはつぐみを起こして何でこうなったか聞かないとな。

 

「つぐみ?つぐみ起きてってば!」

 

「……んん?」

 

僕の呼びかけでつぐみが目を擦りながら起きた。

 

「………? 雄天君?何で私の家にいるのぉ?」

 

「何寝ぼけてんのつぐみ?泊まりがけでキーボード教えてって言ってたじゃん?」

 

僕が寝ぼけてるつぐみにそう言うと

 

「…………っは!そうだった!」

 

と言いながら目を覚ました。

 

「そうだよ雄天君!実はケーキを食べたら頭がぼーっとしてそれで雄天君に伝えに行こうとしたらそれで…」

 

つぐみの話を聞いて分かった。そして一つの結論に至る。

 

「つぐみ、そのケーキってもしかしてブランデーケーキじゃない?」

 

そう言って僕のケーキを指さす。

 

「ブランデーってお酒の入ってるケーキの事だよね?」

 

「うん。それを食べからだよきっと」

 

「でも何でお母さん、ブランデーケーキを持ってきたんだろう?」

 

「つぐみ、そこも疑問だけどさ、取り敢えずモカとひまりを風呂に入れて酔いを覚まさせよう。つぐみも少しは食べちゃってるからついでに入ってきてよ」

 

「あ、ありがとう雄天君」

 

そう言うとつぐみはモカを、僕はひまりを起こそうとした瞬間、

 

ガシッ!!

 

『!?』

 

僕とつぐみの腕が掴まれた。

 

「ちょっと待って?つぐみ、こ、これって……」

「奇遇だね雄天君…私も今同じこと考えていたの…」

 

そう言いながら掴んでいる手、もといひまりとモカの方をそっと見てみる。いいや、まさかね?そんなことあるわけな…

 

『エヘヘへへへへ…』

 

あら2人とも起きてらっしゃる。しかも酔いが覚めてないというオマケ付きで。

そしてそのまま僕はひまりに、つぐみはモカに引っ張られてしまった。

 

『あ…』

 

ひまりに引っ張られた僕はそのままひまりに抱きしめられてしまう。ひまりの発育のいい大きな胸が僕の顔に当たる。

 

(ひまりー!!何考えてんだぁァ! い、息がぁぁぁぁぁ!?)

 

「うっへっへぇ〜ゆうまぁ〜離さないよ〜だ♡」

 

辛うじて僕は声を上げる。

 

「ちょっひまり!? 落ち着いてってば!は、離せ、やめろォ!HA☆NA☆SE☆!!」

 

「嫌だぁ〜ゆうまの事離さないよぉ」

 

そう言ってひまりは抱きしめてる腕にぐっと力を入れた

 

「ちょっとひまり?いい加減にしないと僕でもそろそろ怒るよ?」

 

つぐみの方に顔を向けるとあちらも同じような光景だった。

 

「つぐぅ〜どこに行ってたのぉ?」

 

「も、モカちゃん落ちついて!?ね?」

 

「んーそんなことを言うつぐにはモカちゃんからお仕置きだー」

 

そう言うとモカはつぐみの頬を引っ張りはじめた。何回も何回も。

 

「ちょ、モカちゃん…」

「ちょっとひまり…」

 

……

 

 

『いい加減にしろー(してー)!!』

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「あー、疲れたぁ」

 

何とかひまりとモカが寝てくれて助かったよ。

 

このあと急に寝たひまりとモカをつぐみと協力して運びつぐみも何とか風呂に入ることが出来た。そして何も知らずに風呂から上がってきたモカとひまりを正座させて僕とつぐみでお説教をしたことは言うまでもない。そしてこれは後に

 

『羽沢家 お泊まり会の乱』 と呼ばれるようになるだろう…

 

そんなことを考えてる内に僕は眠りについた…

 

ー翌朝ー

 

ひまりとモカは昨晩の事を覚えていないとのこと。いや覚えていない方が有難い。そしてつぐみのお母さんは

 

「ごめんね〜間違ってお酒入のケーキ持ってっちゃってぇ〜」

 

とわざとらしく言った。策士だ。多分この人分かってて持ってきたんだろうなぁ。僕はそう思った…

 

 




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