合わないと思った方はそっ閉じしてください。優しい方は罵倒批評してください。励みになります。
────────あの後、その場に居合わせたほぼ全員が腰を抜かすほどの大惨事になった。陰陽師なんか間違えて悪霊呼んだかと思って臨戦態勢に入る程だった。
そんな彼女の第一声はこう。
「嗚呼、
───────何で初対面の奴に殺害予告されなきゃならないんだ。悪霊で間違ってねぇだろ、コイツ。
で、一つ二つ質疑応答を繰り返して、例の使い魔とやらで合ってる様だ、と確認できた。晴れて俺も聖杯戦争とやらに正式参戦する事が決まった様だ。
さて、ここで俺が言いたい事は一つ。
「…………何で、俺がこんな化け物女連れて回らなきゃなんないんだ?」
他の面子が呼んだのは、触媒が豪華なだけあってまさに勇ましい英雄だった。
自分の藩の祖が着てた着物だとか。五輪書の原本だとか。中華から取り寄せた、大昔の武将の装具だとか。化け物を射抜いた矢だとか。どっかの忍者が使っていた武具だとか。だから見てるだけで格好良い英雄ばっかりだった。どっからどう見ても腕が立つ、相棒として信頼に値するようなのばっかり。
だが、俺の呼んだ英雄はコイツだ。質に関してはまぁ、ボロっちいお守りだったから仕方が無い。────が、流石に限度があるだろう、限度が。
…………まず英雄なのか?コイツは。どう見ても今にも俺を祟り殺そうとしてる様にしか見えないぞ。というか本気で祟り殺そうとして来ている。助けてくれ。誰か。誰か除霊してくれ。
────────陰陽師の奴が言うに、伝説やらの類から云々、って事だから一応創作の登場人物でも召喚される、らしい。
となるとどう見ても英雄でないコイツはなんかのお伽話か神話から……いや、どう考えても怪談だな、怪談。
ちなみに先程も言ったが、コイツは暇さえありゃ俺を祟ろうとしている。今も現在進行形で。イマイチ話が通じないから理由を聞くのに手間取ったが、どうやら理由は「旦那に似ている」かららしい。こっちとしちゃ堪ったもんじゃねぇですよ、旦那さん。アンタのせいでこっちは常に命の危機に晒されなきゃならなくなったんですが。
まぁ一つだけ良かったとすりゃ、四六時中コイツに引っ付かれて過ごしてかなけりゃならないと悲観していたのが杞憂だった事。
どうやらコイツらは使い魔と言うだけはあってか隠形は出来るらしい。一応、これで近所に見られて変な噂を立てられることは無い。ただずっと呪われてるのは変わらないが。何で俺に狂戦士の枠が当たったんだよ。お守りでこんなの喚べるのかよ。絶対おかしい。
さて、元凶となった聖杯も聖杯でなんか色々ある様だ。前途多難じゃねぇか、良く実行しようと思ったな。もう心配と不安が大渋滞起こしてて収拾がつかない感じがプンプンする。
────陰陽師が言っていたが、どうやら完全な複製品は作れず、喚べる数や使い魔の力量が本来のものと比べ若干劣っているらしい。一応、知名度がある英雄はその分与えられる力は大きいそうだが。冬木だか何だかの本来の聖杯戦争は剣槍弓騎魔殺狂の七騎、もしくは騎魔殺狂の四つのどれかの代わりに特殊な奴を召喚するらしい。……特級はあくまで理論上の話だそうだが。
ちなみに、なんで劣化品しか作れなかったんだ?と聞いたら、鬼のような形相で睨みつけながら「あんな物作れただけで奇跡だ!もう誰に頼まれても二度と作らんわ!」と言われた。アイツらが総出でも作れないなんて、本物を作った奴は一体どれだけの化物なんだ?陰陽師は怪しい道具でも何でも作ってるような印象があったんだが。まぁ元の奴は7騎しか使わないのにこっちは両陣営に等しく与える為に無理したんだろう。ご愁傷さまだ。
────俺、本当にこの仕事受けて良かったのかな?
何か今更心配になってきたんだが。取り憑かれたし。
あとコイツの真名も分からん。周りの反応によるとそれなりに有名らしいが、俺には皆目検討がつかん。書いてあった神社の神様とかだったら万々歳だが、神様は喚べないらしいからそれは無い。
んー、有名で、片目で、幽霊…………分からん。町人にコイツ見せたら分かったりするんだろうか。創作だとすると、文楽か歌舞伎か?それなら俺は見た事ないからお手上げなんだが。ヤローや人形の劇なんて興味無いし。
まぁ保留にしとこう。別に名前を呼ばなくてもお前、で事足りる。
────と、そういや将軍様の姿が見えなかったな。俺に謁見の権利が無いからわざと隠れてたのかも知れんが。まさか流石に将軍様ともあろう者が配下を置いて逃げる事はないだろうし。
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───────京。
幕府は江戸を明け渡したものの、思いがけない「元」幕府軍の反逆により、江戸に本拠を遷す計画は滞っていた。
が、200年の間に牙が抜け落ちた名ばかりの武士達など駆逐して、さっさと新政府の基盤を固める筈、だった。
「…………まさか、あそこまで往生際が悪いとは」
───────いつの間に調べていたか分からないが……小さな、誰も名を知らんような街に住む異邦人の妖しげな儀式を引き合いに出し、あまつさえ「無血での決着」などと宣うとは。自分達がそもそもの根源であると云うのに、だ。
帝も帝で困り者だ。何故奴等の甘言に乗るのだ……?
明らかに妖しい提案を疑いもせずに受けるとは、聡明なあの方らしくもない。
確かに、武士に生まれた者としては英雄と共に戦うというのはこの上ない名誉だ。
が、今やるべき事ではないのだ。
幕府の阿呆共から取り戻した権威を盤石なものとする。それが最優先事項の筈なのに。
───────まぁ良い。どの様な手法であれ、丁重に叩き潰す。帝に仇なす逆賊には誅伐を下すまでだ。
さて、件の英霊の召喚とやらも近い。気乗りはせずとも、帝が決めた事はしっかりと守らねばなるまい。
それが、新たな世を興した我等の当然の義務なのだから。
……それにしても何者なのだ、あの男。
まるで知っているかのように未来の出来事を予言する。
───────本人は未来から渡ってきたと宣って居たが、まさかその様な戯言が真実である訳が無い。普通に考えれば、魔術師等と云う妖しい者共の手先か何かなのだろうが。奴等の陣営に雇われるよりはマシだが、どうにも信用出来ん…………。
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「────────いやぁ、参った。軽い気持ちで時空を渡ってみたら、まさか近代日本の一大イベントに畏れ多くも参加させて頂く事になるとは」
なんて言ってみる。確かに時代の変わり目をこの目で見ようと渡ってきた。
…………が、まさか小遣い稼ぎのつもりで、曲芸もどきのついでに歴史に障らない程度の未来を告知してたら天皇サマにまで評判が届くとはね。で、謁見した先で色々と「予言」してみせたら、俺は特例とやらで政府のお抱え魔術師になった。それも、予言を認められて
それよりもたまげたのはアレだ。話には聞いた事がある、聖杯戦争。
それがまさかこの時代、更には戊辰戦争の決着法として行われるとはね。しかもナチュラルに巻き込まれた。魔術師扱いだからって。
───────ま、前から興味があった事はあった。という訳でいい経験とさせて頂こう。まさか巡り巡って魔術界隈でも最奥の儀式に参加するとは…………この俺、二階堂祐介の人生も数奇なモンだね。
「俺としちゃ、サーヴァントはマタ・ハリかクー・フーリンが良いんだが……」
残念ながら前者はまだ産まれてさえいないし、後者も触媒になる様な物は持っていない。案としちゃもう一人居るんだが……アイツはそもそも喚ぶ事が不可能そうだ、流石に。
「……まぁ、周りに倣って東洋の英雄が無難かね」
よし、触媒探しにでも出掛けるか。信長とか喚べたら万々歳だな。
───────それにしても、幾らなんでもこの時代、この瞬間に聖杯戦争ねぇ……。もしや俺が来てあれやこれやしたせいで特異点になったか?出来れば、並行世界の正史であったらいいんだが。
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開戰報告
本日慶應四年ニ月十五日
我軍國賊共ニ使イ魔ノ召喚ニ成功セリ
我軍ハ劍士 槍兵 弓兵 魔術士 狂戰士 及ヒ特級ノ六騎
國賊ハ劍士 槍兵 弓兵 騎兵 暗殺者 狂戰士ノ六騎ヲ從エ戰ウ物トシ其以上ノ不當召喚ハ嚴禁トスル
尚此ノ規則ヲ破リシ者ハ斬首刑ニ處ス事トスル事ヲ此處ニ定メル
與エラレル絶對命令權ハ二回
勝敗ハ自陣ノ六騎總テノ使イ魔ノ消失ニヨリ決定スル物トスル
以上 之ヲ以テ本日ヨリ英霊決戰ノ儀ヲ執リ行イ
此處ニ聖杯戰爭ヲ開幕スル事ヲ宣言ス
えぇ、今回はこれで終わります。5000文字まで書こうと思ったけど3500文字しか書けなかった。ラーメン毎日食ってる暇あったら書こうよ。1週間半何してたんだろう。
えぇ、それではゲストキャラのご紹介をさせていただきます。
3番目の区切りのとこの人、二階堂祐介くん。
気前のいい知人が快く許可してくれたので色々盛って頑張ってカルデアみたいなタイプの来訪者枠にさせて頂きました。
まぁこの人葛木先生やFGO3章のキャプテンみたいに英霊とタイマン張れる人なんですけどね。差し当って色々封印してるようです。因みに彼のコンセプトは「自身が考えうる限りのチート」「理不尽な干渉力と絶対的な耐性で誰にも負けない主人公」らしいです。意外と倫理的で魅入る人は魅入られるんだよなこれが。
えぇと、彼のハンドルネームはどくろん氏と申します。多岐に渡って精力的に活動し、同人サークルも運営しておられますを。
それではまた次回。期待しないでお待ちください。
マスターは検討さえついてないようですが、皆様は流石に幕府側バーサーカーの真名分かると思います。と言うかもう清姫みたいにマスターのルビ振られてる漢字にモロに出てますし。ステータスは次回までお待ちください……。
あとなんか開戦報告がクオリティ低くてすみません。私の頭じゃ理解して形をなすことが出来なかった……