死神最強の英雄譚   作:えんじぇる114

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お待たせしました!今回は戦闘回です!!

戦闘難しすぎる...何回書き直したことかわからないけどなんとか完成しました!

それと後書きに山本柳姫の騎士情報?いわゆるステータスを載せました!
よかったら見て感想をください!
改善点なんかも是非是非!


第6話:格の違い

「準備はいいな?

...では、試合開始!!」

 

 

 

そう理事長である黒乃が試合の開始を宣言した。

 

...はずなのだが、ステラも柳姫も一歩もその場から動かない。

 

 

 

2人がなかなか動き出さないことで観客席にどよめきが広がっていく。

 

だが、そんな観客席のことなど気にしてない、気にできないステラは柳姫から意識をそらすことができなかった。

 

 

刀を右手に持って構えという構えをせず仁王立ちで立っている柳姫。

一見隙だらけに見える、が...

 

 

(くっ....試合前からイッキからリュウ姫の話を聞いてなかったら瞬殺されてたわね...)

 

 

ステラは試合が始まった瞬間、柳姫の雰囲気が変わったことを感じ取った。

試合開始が宣言されるまで日本有数のAランク騎士と言うのが信じられなかったが今なら納得する。

下手に動けば自分は切り捨てられるだろう。

 

 

(でもいつまでも睨み合ってられない...ならこちらから!)

 

 

ステラが動き出したことでついに戦いの火蓋は切って落とされて。

 

 

____________________________________________________________________________

 

 

うぅ...試合始まったからにはしっかりしないと!

どこまでステラさんと渡り合えるかわからないけどとりあえず一生懸命やるんだ!

 

 

まず重要なのは相手の動きを予想すること...

山爺に叩き込まれたことをしっかりやるだけ...

 

 

観察してなるべく多くの情報を...

固有霊装は炎を纏った大剣

身長は私の方が低い...

 

初手から切り結ぶには危険だから後ろに避けよう。

あ、でも大剣の炎が飛んで来るかもしれないから後ろに避けながら鬼火を飛ばして牽制した方がいいかな?

 

 

 

「ハァァアアア!!」

 

 

 

きたっ!

 

ステラが大剣の重さを感じさせない速さで柳姫に迫り、炎を纏った大剣を振り下ろした。

力任せにも見えるその一撃は荒々しいのだが、その剣筋は恐ろしく鋭い。

 

 

柳姫は想定していた通りに後ろに避け、鬼火-焱の塊を飛ばす技-を3発ほど放とうとしたところで、柳姫の避けたステラの大剣が訓練場の床に叩きつけられた。

 

 

瞬間__

 

ズドォン!と音をたて、訓練場全体が振動した。

 

 

 

「ヒェッ...」

 

そう柳姫が変な声を出しても仕方ないと思う。

しかし、その大きな音と振動でステラの胸あたりを狙っていた鬼火の狙いが少し外れ、足元に飛んでいった。

 

 

 

ステラは炎を操るものに炎の攻撃とは...と思いながらも自身の大剣で焱の塊を弾き飛ばす__

 

 

「ッ!?」

 

 

のを突如中断し、無理な体勢になりながらも大きく後ろに跳び下がり鬼火を避けた。

 

 

鬼火は床に着弾したと同時に焱が瞬間的に大きくなり、凄まじい熱量が放射された。

焱が収まった跡は着弾地を中心に床が融解し、溶け落ちていた。

 

 

 

「なっ!?」

 

 

ステラは弾く寸前に自分の中の何かが強い危機感を訴えてきたのに従って大きく後ろに下がることができた。

だがもし下がらずに大剣であの焱の塊に触れていたら...。

あの床のようになっていたのは自分の体だっただろう...。

 

 

 

(なんて熱量よっ!!あんなの掠っただけでも致命傷じゃないの!

あの熱量を持った炎を剣にも纏わせているとしたら防がれただけでもこっちがダメージを食らうわね...)

 

 

あまりの熱量に驚愕し、柳姫から意識を少し逸らしてしまったことに気づいたステラは咄嗟に大剣でガードの体勢をとった。

 

するとステラのガードが出たと同時に距離を取って離れていた柳姫が、瞬間移動したかのように自身の目の前に現れ、上段からの一太刀を大剣で受けてしまう。

 

ステラの大剣と柳姫の刀が触れた瞬間。

キィィン!!と甲高い音が響くと同時に自身より強い力と、凄まじい熱量が襲いかかってきた。

 

 

(やばっ...)

 

 

押され始めたと同時にステラは力に逆らわず、自らも跳ぶと同時に炎を操作して面で炎を出し柳姫の視界を奪った。

 

一面の炎に柳姫は円燃を発動させつつ、後ろに退いた。

 

 

(思った通り、剣でガードしただけで両腕が大火傷じゃないの...

これはそんなに持たなそうね...

くっ...こうなったら一か八か!)

 

 

 

そう覚悟を決めたステラはもう一度後ろに大きく下がり距離を取る。リングの端、それはイッキに伐刀絶技を放った場所と変わらない。観客席とリングを隔てる壁際まで下がると〔妃竜の罪剣〕(レーヴァティン)を天に掲げ

 

 

 

「蒼天穿て、煉獄の焔!」

 

 

 

と言った瞬間、大剣に宿る炎がその光度と温度を昂らせ光の柱となり伸びて訓練場のドーム状になっている天井を溶かし貫いた。

 

100mを優に超えるその光の剣はAランク騎士《紅蓮の皇女》が誇る必殺の伐刀絶技(ノウブルアーツ)

 

 

 

「イッキには負けたわ。彼は私では敵わない剣客よ。それは彼が誰よりも努力してきたから。

そして才能。これはさっきの攻防を見る限り私はリュウ姫に負けている。

けど、諦める訳ではないわ!いつか勝ってみせる!

だから私は今できる最高の力をあなたにぶつける!一矢報いてみせる!

 

いくわよ!!!」

 

 

 

「『天壌焼き焦がす竜王の焔!!(カルサリティオ・サラマンドラ)』」

 

 

 

訓練場を焼き切りながら振り下ろされる光の剣は柳姫を狙い近づいてくる。

 

 

 

『う、うわぁぁあーー!』

『にげろ!巻き込まれるぞっ!!』

『やれやれ...またその伐刀絶技か...普通なら人1人に使うものじゃないんだがな』

 

観客の学生は巻き込まれては堪らないと逃げ出し、黒乃はこの後の訓練場の修繕のことを思いに苦い顔をする。

 

 

だが、その圧倒的熱量の前でも柳姫は動じずに腰を少し落として纏った焱の小さくなった流刃若火を腰のあたりまで持ってきて居合の構えを取る。

 

 

そしてステラの伐刀絶技が柳姫に直撃する瞬間、

 

 

「撫、切ッ!!」

 

 

 

力を、熱を、焱を溜めていたのだろうか...

柳姫が流刃若火を一気に振り抜いたら今までとは比べものにならないほどの光が熱を伴って広がった。

 

 

 

逃げ出さずに試合を見ていた学生達はいきなり起きた光に目を瞑ってしまう。

しばらくするとあまりの光でまだ目は見えないが、戦いの音やゴウゴウと燃え上がる焱の音がなくなった。

 

 

 

 

____________________________________________________________________________

 

 

 

「これほどまでとはな....」

 

 

理事長である新宮寺黒乃はたった今終わった模擬戦が行われていた訓練場を見渡しながらそう呟いた。

 

 

 

国から受け取った資料には山本柳姫は実戦経験や試合経験がないのにAランクとされていて疑問に思った。

だが記載されている能力を見て理解できた。

 

 

(なるほど、太陽か...。私と同じかそれ以上に危険な能力....)

 

 

能力の凄まじさはこの惨状を見れば理解できるだろう。

実際、学生達が回復した目で訓練場の惨状を見てどよめいている。

 

 

ヴァーミリオンの伐刀絶技で溶け貫いた穴の他に大きく横一文字に溶け切られた穴が広がっている。

山本が振り抜いた太刀筋の延長線上全てが断ち切られている。

そして瞬間的に広がった熱によって所々溶け焦げている床。

 

 

ヴァーミリオンは意識なく、そんな床に倒れている。

一方山本は固有霊装を消し、心配そうな顔でヴァーミリオンに駆け寄っていく。

 

 

この2人を見れば誰がどう見ても、どちらが勝者か一目瞭然だろう。

だが私は審判としての仕事を果たしに2人に近寄った。

 

 

「ステラ・ヴァーミリオン、気絶により戦闘不能!

よって勝者、山本柳姫!!」

 

 




次回は模擬戦その後と入学式とクラスでのゴタゴタあたりです!
少し間が空いちゃうかもですがエタらないように頑張ります!


ついでに今回はおおよそステラ視点で書きました。
その間の柳姫ちゃんはテンパって山爺に叩き込まれたことを反射的にやってます。つおい(確信)


↓ここから柳姫ちゃんのステータスというか設定↓
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山本柳姫

所属:無所属

異名:なし

伐刀者ランク:A

攻撃力:A
防御力:B
魔力量:A
魔力制御:B
身体能力:A
運:C

固有霊装:流刃若火(りゅうじんじゃっか)

詳細:膨大な熱量を持つ炎を操作することができる刀型の霊装。
最高温度はおよそ摂氏1500万度と予想される。
後述するが伐刀絶技によって固有霊装の姿が変わり、変わった姿では刀に纏っていた炎が確認できなくなるが、刀身の温度は上昇しており周囲の気候にも変化を与える。

伐刀絶技:残火の太刀(ざんかのたち)

詳細:炎を纏った刀から刀身が焦げた打ち刀に変化する。
詳しくは分かっていないが炎を刀身に閉じ込めた状態だと思われる。
この状態になると異常乾燥が起き、空の雲が晴れていくことが確認できた。
また長くこの状態でいると周囲に自然発火が確認された。
危険な為、10分以上の残火の太刀の使用を制限した。

能力:明確な能力は不明。
炎や異常乾燥、天候の変化などから太陽と仮定する。

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