皆様、ブラックコーヒーの貯蔵は充分ですか?
では、逝ってみましょう。
何でこんなことになってしまったのだろうか・・・・・・。
そう思わずにはいられなかった。
真耶さんは顔をかなり真っ赤にしながらわたわたと慌てて俺に説明した。
千冬姉曰く・・・・・・
『今日は異常事態が二つも起こったため、その後始末にかなりかかり帰れそうにない。本来なら泊まりなど許さないが、一夏が日常生活に支障を来すほど動けない状態では誰かが見ていないといけない。そしてそんなことを頼めるのは真耶しかいないので頼む』
だそうだ。
言っていることは至極真っ当であり、病人や怪我人には当たり前の考慮なのだが、あの人はわかっているのだろうか?
しかし、それも俺を慮ってのことと言えば文句は言えない。寧ろ感謝しても良いくらいなのだが、俺には刺激が強すぎる。
真耶さんはどうなのかと思い見てみると、
「い、一夏君と一緒の部屋でお泊まり・・・・・・一緒にお泊まり・・・・・・」
真っ赤になりながらそう呟いていた。
(あぁ、もう・・・・・・可愛すぎる!)
そんな真耶さんが可愛すぎて仕方ない。身体が通常だったら思いっきり抱きしめてキスしていただろう。
真耶さんはしばらく真っ赤になりながら呟いた後に此方に振り向く。
「そ、その・・・一夏君はいいんですか・・・私が泊まるの?」
少し不安げにそう言いながらも、その目には懇願の意思がびっしりと込められていた。
これで断れる奴は人ではないと思う。もちろん俺の答えは決まっていた。
「その・・・お願いします、今晩泊まっていただけませんか。まだ身体が上手く動かせないので、真耶さんに甘えさせて下さい」
そう言った。
こう言えば、少なくともそこまで真耶さんが負い目を感じることは無いだろう。
俺の答えを受けた真耶さんはさらに真っ赤になっていた。郵便ポストよりも赤い。
「は、はい、頑張ります! 精一杯一夏君の看護をしますね」
そう決心して真耶さんは笑顔になった。
しかし、内心俺はそれどころではなかった。
(真耶さんとお泊まり・・・・・・俺の心臓は大丈夫なのか!?)
その心配と、
(真耶さんと一緒かぁ・・・・・・幸せだなぁ)
という嬉しい気持ちがごちゃ混ぜになっていた。
これは後に聞いた話だが、千冬姉が正式に言ったことはこうである。
『真耶か、今家にいるのだろう。済まないが今日の仕事が立て込んで帰れそうにないんだ。強奪されたサイレントゼフィルスのこともそうだが、一夏が戦った武者によって引き起こされた被害の報告書の量が尋常じゃなくてな。帰るのは明日の朝になりそうだ。まだ一夏は満足に動けないだろ? だから悪いんだが、あいつのことを泊まり込みでお願いしてもいいか? お前以外にこんなことは頼めそうになくてな。まぁ、そのほうがお前も嬉しいだろ。だが、しかし・・・・・・淫行は許さないからな。そのことはしっかり肝に銘じておけよ。まだお前に義理の姉呼ばわりされるには早い。それではな』
ということらしい。
そのことを今の俺は知らなかった。
その話が終わった後も誕生会は続いていく。
食事が済めば今度はプレゼントということになった。
実はかなり楽しみにしていたりする。何せ誕生日に物を貰うのは二年ぶりな上に、恋人から貰えるのだ。どんな物でも絶対に良いと思うのは当然ではないだろうか。
そして・・・自分の誕生日なのに、俺も真耶さんにプレゼントがある。
誕生日にこう言っては何だが、貰ってばかりなのは悪い気がして仕方ない。だから、俺も真耶さんにプレゼントを渡そうと思い、用意してきた。あまり良いものとは言えないが、喜んでくれるのなら嬉しい。
「い、一夏君・・・・・・その、プレゼントを持ってきますから、少し待っててもらえませんか」
真耶さんは何故か真っ赤になりながら恥ずかしがって部屋を出て行ってしまった。
真耶さんは恥ずかしがりだからなぁ~、何が出るんだろう。
と楽しみにしていたわけだが、この気持ちは予想外の方向へと行くことになってしまった。
約十分後・・・・・・俺の携帯が鳴り始めた。
何とか手を伸ばして取ってみると、真耶さんからだった。
さっそく出ることに。
「もしもし、真耶さん? どうしたんですか」
『すみません、一夏君。プレゼントが大きいので扉を開けてもらえませんか』
そう電話で真耶さんは言うが、何だか声が少しおかしい。
思いっきり緊張した声をしていた。そんなにプレゼントに自信がないのだろうか? 俺はきっと、真耶さんから貰った物ならどんな物でも嬉しいのだから、そこまで心配する必要ないのに。
俺は何とか起き上がるとリビングの扉を開ける。
「あれ?」
そこには大きな箱しか無く、真耶さんの姿は無い。
「真耶さん、どこですか」
大きめの声で言ってみるが、反応が無い。すると又携帯が鳴り、やはり真耶さんからだった。
『もしもし、一夏君。さっそく、その箱を開けてくれませんか。それが私のプレゼントです』
そう言うが、その声は明らかなまでに恥ずかしがっていた。
俺は言われた通りに箱を開けると、そこには・・・・・・
「そ、その・・・・・・ハッピーバースデイです、一夏君。あ、あの・・・・・・『私』がプレゼントです!!」
箱の中身は真耶さんだった。
それも・・・・・・殆ど裸に近い恰好でだ。
その身体に纏っているのは、藍色のリボンのみ。それが辛うじで見せてはいけないところを隠している。真耶さんの身体は恥ずかしさから真っ赤になっており、息使いが少し荒くなっていた。
その目は恥ずかしさから潤んでいるのだが、それが嗜虐心を煽るようで、妖艶に見える。
真耶さんがそのままの姿で立ち上がる。
「ど、どうですか、一夏君・・・・・・」
真っ赤になった顔で上目使いに此方を伺う真耶さん。
リボンが食い込んで、あの大きな胸が大変なことになっていた。その上に身体に巻かれたリボンがエロチックで目も当てられないほどに凄い。
「あ、あの・・・仕事先の先輩に相談したら、若い男の子はこういうのが好きだって聞いたので・・・恥ずかしいですけど、一夏君なら・・・」
そう言う真耶さんは恥ずかしさから言い切れていない。その姿がさらに妖艶に移り、俺は目が離せなくなっていた。
うん、もう駄目だ。
そう思った瞬間に・・・・・・
俺は鼻血を吹き出した。
飛び散った鼻血が四方に飛んでゆき、フローリングの床を真っ赤に染めていく。
「い、一夏君!? 大丈夫ですか!?」
真耶さんがビックリしながらも俺に駆け寄る。
当然その、『裸リボン』の恰好で。
さらに吹き出す俺の鼻血。吹き出した血が真耶さんの綺麗な肌に付くが、真耶さんは気にせずに俺の身体のことを心配してくれた。
そのことを嬉しく思いながらも、俺の意識は途絶えた。
この後知ったことだが、俺の携帯には真耶さんのこの時の『裸リボン』の写メが入っており、俺はそれをみて又鼻血を噴くハメにあった。
「す、すみません、一夏君。大丈夫ですか」
意識を失ってから約十分後、俺は真耶さんに介抱されながらソファに横になっていた。
もう恰好はいつも通りの私服に戻っている。出なければ俺は死んでしまう。
「い、いえ、その・・・・・・大変良いものを見せていただきました」
「は、はうっ!? そ、そうですか・・・・・・・・・」
何か言おうと思い言ってしまったのがこれ。
完璧な誤爆である。真耶さんは俺の言葉を聞いて恥ずかしさからもの凄く真っ赤になってしまった。
非常に気まずい空気が流れてしまう。
それを何とかしようと、俺は言葉を紡ぐ。
「そ、その・・・今の俺には少し刺激が強すぎるので・・・・・・もう少し経ったら、その時は・・・その・・・お願いします」
「は、はい!」
そう何とか言うのが俺の今の限界だった。
しかし、真耶さんがそれにどんな意味があるのかを理解してくれたらしく、恥ずかしがりながらもうなずいてくれた。
今度は俺の番だ。
俺は懐に仕舞った物をさっそく真耶さんの前に差し出す。
「え・・・・・・これって・・・・・・」
「自分の誕生日にこういうのを渡すのはどうかと思いますが、受け取ってもらえませんか」
俺に渡された箱を真耶さんはさっそく開けてみる。
箱から出てきたのは、藍色をした三角錐型の金属にチェーンで繋がれた物だ。
「前に安全祈願のアクセサリーを真耶さんから貰ったんで、今度は俺が真耶さんにあげたかったんですよ。さっそく付けてみてもらえませんか」
「は、はい、ありがとうございます」
さっそく首にアクセサリーを架けてみる真耶さん。
「ど、どうですか」
「ええ、とても似合ってます!」
「ありがとうございます、一夏君! これ、ずっと大切にしますね」
そう真耶さんは子供のように喜んでくれた。
それが嬉しい。『作った』甲斐があったというものだ。
実はこれ、正宗の装甲片を使って作ったものだ。前に真耶さんが、藍色は俺の色だと言っていたことを覚えている。だから、俺も俺の色を真耶さんに持っていて貰いたくて作った。一番苦労したことは正宗の装甲片を加工することだったが。さすがに正宗の甲鉄を削るわけにはいかなかったので、以前戦ったアリーナから削れ飛んだ装甲片を拾い加工。劔冑の甲鉄だけあって、加工には労を要した。
真耶さんは俺があげたアクセサリーを身につけると、俺の方に寄りかかる。少し気まずそうだった。
「ごめんなさい。私はこういうのは用意してなくて」
「いいんですよ。真耶さんの気持ちは充分に伝わりましたから」
「だから、一夏君に返せるのはこんなものしかなくて」
そう言うと、俺の唇を甘く柔らかい感触が襲う。
「ん・・・・・・ふぅ・・・・・・・・・」
しばらくして唇からその感触が遠ざかっていく。
真耶さんは真っ赤になりながらも俺を見つめる。
「私があげられるのは私だけです。だから一夏君、受け取って下さいね」
そう言ってまた俺はキスをされた。
それも一回目よりさらに永く。
そのあと離れると、俺はとんでもない感想を洩らしてしまった。
「はぁ・・・・・・まさか誕生日にこんな・・・世界で一番のプレゼントを貰うなんて思いませんでしたよ。本当に一生大切にしますね」
雰囲気に流されてしまったのだろう。冷静に帰った後には自殺物である。
俺がそう答えたら、真耶さんは目から涙をこぼし、顔を真っ赤にしながら俺に飛び込んできた。
「一夏君、大好き!!」
そのまま俺はソファーに押し倒され、思いっきり抱きしめられたままキスされまくったのは言うまでもない。
俺も、好きという気持ちが一杯で仕方なかった。
作者のライフはもうゼロです、機能停止しそう・・・・・・。
しかし、この作品のお気に入り件数の増減が激しいですよね~。
戦闘回はあまり感想が出ず、激甘回にするとお気に入りが減ったりする。
どうしたものやら・・・・・・