装甲正義!織斑 一夏   作:nasigorenn

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今回は六波羅な方々が出ていますよ~。


六波羅な正月 その1

 湊斗家で一泊した翌日。

俺は真耶さんと一緒に、かなり豪勢なお屋敷へと来ていた。

日本庭園付きの見事な日本屋敷であり、住んでいる人が如何にお金持ちなのかを窺わせる。

 

「凄い庭園ですね~。まるで時代劇の舞台に来たみたいです」

 

 真耶さんは庭園を見て感嘆の声を上げる。

その顔が子供のように無邪気な笑顔を浮かべていて、それを見て俺も頬が緩む。可愛い……。

 

「ここは由緒正しい庭師によって設計された庭園だそうです。何でも将軍御用達の庭師の作だとか」

 

 師匠が丁寧に俺達に説明をしてくれた。

本日は師匠に誘われてこの屋敷へと来ることになったのだ。

 

「こんなお屋敷に住んでいる人ってどんな人なんでしょうね。もしかしたらお殿様みたいな感じなんでしょうか」

 

そう言いながら屋敷の主がどんな人かを考え始める真耶さん。

その思考が可愛らしくて、ついつい笑ってしまう。それを見た真耶さんは少しむくれてしまった。

 

「あぁ~! 旦那様ったら、笑うなんて酷いです」

「すみません、何か一生懸命に考えてる真耶さんが可愛くて」

「はぅ!? ………もう~~~~」

 

 俺が笑いかけながらそう言うと、真耶さんの顔が一気に真っ赤になり、恥ずかしがっていた。

いつもと同じようなことを言ったはずなのだが、何故こんなに恥ずかしがっているのだろうか?

 

(はぅ~~~~~~……昨日映画を見たせいで、昔のことを思い出しちゃいました~~~~! だ、旦那様のことをもっと意識しちゃいますよ……もっと格好良く見えて仕方ないです……大好きです、旦那様っ!)

 

 何だか真耶さんが顔をポォっと赤らめて俺の顔を見つめていた。

その顔も可愛くて、俺もその瞳を魅入ってしまう。

 

「だ、旦那様ぁ…………………」

「真耶さん………………………」

「あ~、こほん。二人とも、こんなところで見つめ合ってても邪魔になるわよ。もうちょっと場所を考えなさい……羨ましいわね、私だって御堂とこんな風に見つめ合いたいのに……」

「「!?」」

 

 急に声をかけられてびっくりする俺と真耶さん。

声のした方を向くと、そこにはジト目で俺達を睨む村正さんがいた。

師匠が出かけるのなら、村正さんが来るのも当たり前……と言う訳ではないのだが、この場所に来るにあたっては絶対に来るだろう。なので師匠と一緒に来ている。昨日泊まっていた二人は用があると言って朝早くに帰って行った。もしここに来ることが知れていたら……この屋敷が絶対に吹っ飛んでいたかもしれない。ちなみに師範代はテレビに囓りついていた。

 

「何をしている、三人とも。はやく向かわねば迷惑になるであろう」

 

 師匠がそんな俺達を見て淡々と言って来た。

確かに遅れては迷惑になるかも知れない。俺は真耶さんの手を取って、急いで師匠を追いかける。

 

「じゃあ行きましょうか、真耶さん」

「はい、旦那様」

 

 俺に手を引っ張られる真耶さんは、何だか幸せそうだった。

 

「もう…………手に負えないわね、まったく……」

 

 村正さんはそんな俺達を見て、呆れ返りながら後を追っていった。

 

 

 

 屋敷の中の大広間に行くと、中には結構な人数の人達が集まっていた。

この集まりは六波羅の集まりであり、皆六波羅に関わり合いのある人達ばかりだ。

ここまで言えば、もう何処の誰の屋敷かは分かるだろう。

師匠達と一緒に俺達も挨拶をしに行く。

 

「あけましておめでとうございます、堀越公方様」

「あけましておめでとう、お兄さん! 待ってたよ」

 

 師匠が挨拶をすると、金髪の女性が嬉しそうに挨拶を返していた。

これがこの屋敷の主である。

 

「あれ、もしかしてこのお屋敷って足利さんのお屋敷なんですか!?」

 

 真耶さんがその事に気付き、とても驚いていた。

 

「ええ、そうですよ。この屋敷は茶々丸さんのお屋敷です。どうですか、『殿様』みたいな人でしたか?」

「っ~~~~!? もう、からかわないで下さい。旦那様のイジワル」

「あっはっはっは。すみません、驚く真耶さんの可愛い顔も見たくて」

「旦那様ったら……」

 

俺が少し意地悪そうにそう言うと、真耶さんが恥ずかしそうに顔を赤らめていた。

そんな真耶さんも可愛くて仕方ない。昨日師匠に言ってもらえたことで、少し踏ん切りがついた。

なので、もっと真耶さんが大好きで仕方ないのだ。

 

「何、この激甘な雰囲気!? 珈琲が一気に過剰糖になっちゃったんだけど! ガムシロより糞甘ェ!!」

「あ…あけましておめでとうございます、茶々丸さん」

「あけましておめでとうございます、足利さん」

「普通にスルーしてる!? 何この二人」

 

 茶々丸さんに挨拶をすると、何やら騒いでいた。

まぁ、この人が騒がしいのはいつもの話だ。気にしてもしょうがない。

 

「お兄さ~ん、イッチーがあての前でこれ見よがしにイチャつくよ~! あて達も負けないようにイチャつこうぜ~」

 

 そう言いながら師匠に飛びつこうとする茶々丸さん。

当然ながらそれは阻まれる訳で……

 

「御堂に何くっつこうとしてるのよ、この!!」

「むっき~、あてとお兄さんの邪魔すんな、このくそ蜘蛛~!!」

 

 村正さんが茶々丸さんの行く手を遮り、二人はまた睨み合っていた。

 

「そもそも、あてが呼んだのはお兄さんだけだ! まぁ、イッチーはあてにとっても弟分だし、その恋人ってのも一緒なのは分かる。だが、手前ぇだけは駄目だ!! 何で来てんだ!」

「御堂をむざむざあんたの所に行かせるわけが無いでしょ!」

 

 二人がまた喧嘩をしている間に、俺達は他の方々にも挨拶をしていく。

 

「あけましておめでとうございます、童心様」

「おお、これは新年の挨拶痛み入る。あけましておめでとうでござる、御二方」

 

 童心様に挨拶をすると、童心様は以前と変わらずに快活に笑いながら応じてくれた。

 

「時に織斑殿は奥方をお連れのようだのう」

「なっ!?」

「お、奥方なんて……ぽ」

 

 さっそくニタニタ笑いながら此方を茶化してきた。もう慣れているが、慣れていない真耶さんは真に受けて顔を赤く染めていた。恥じらった顔も可愛いなぁ。

 まぁ、まともに相手にしていても疲れるので適当に流すことに。

 

「あけましておめでとうございます、獅子吼様」

「ああ、あけましておめでとう、湊斗。それと織斑、よく来てくれた」

 

 獅子吼様に挨拶をすると、獅子吼様は生真面目に返事を返してくれた。

 

「だ、旦那様ぁ……」

 

 真耶さんは獅子吼様の眼光に怯んでしまっていた。

慣れないと怖いのかもしれない。まぁ、常に殺気を発しているような人だし、仕方ないか。

 

「む、この織斑の後ろに隠れている者は」

「はい…俺の、その…婚約者です」

 

 聞かれたことに恥じらいつつそう答える俺。

獅子吼様はそんな俺を見て、表情を変えずに真耶さんの前に来た。

 

「ふむ、そうか。では挨拶せねばな。俺は大鳥 獅子吼という。織斑とは湊斗との繋がりで知り合った。見知りおくといい」

「は、はい!!」

 

 真耶さんは獅子吼様に怖がりつつも、何とか答えていた。

何だか怯える子猫みたいで、可愛くて頬が緩んでしまう。

 

 

「あけましておめでとうございます、雷蝶様」

「あら、あけましておめでとう。相変わらずの美しさね。まぁ、麿ほど美しくはないけどね」

「は、はぁ」

 

 雷蝶様に挨拶をすると、凄い恰好の雷蝶様はそう返してきた。

真耶さんはその派手な恰好に驚いていたが。

その後、見知った少年と女性を見かけ、挨拶をすることに。

 

 

「あけましておめでとうございます、邦氏様、桜子さん」

「あ、あけましておめでとうございます、織斑さん。山田さんもお久しぶりです」

「あけましておめでとうございます、お二人とも」

 

 二人は仲良く挨拶をして廻っているようだ。

どうやら仲は少しずつだが進展しているようだ。少し安心した。

 

 こうして俺達は四公方の方々に挨拶を終えた。

しかし、まだ、俺達は知らなかった。

 

この後、とんでもないことに巻き込まれることになろうとは……

 

 

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