廚二病、それは普通の人がなる病気、自分が普通であるから、自分があたかも特別であるように思い込み、妄想する病気だ。
俺の幼馴染がその病気になった。なってしまった。そのせいで俺は毎日胃が痛い。やめろ!天使と悪魔の子なんていうな!そんなこと言って、もし過激派が真実に気づいたらお前を攫うか、殺すだろが!なんでこいつが言う妄想は全て真実を貫いているんだぁぁぁぁ!

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俺の幼馴染の廚二妄想が全て真実だから毎日胃が痛い

厨二病というのは皆は知っているだろうか?

そう、我は堕天使〜んちゃらとかいう台詞を言ったり、ノートに自分はいかに凄い存在かを書き示したりするあの病気だ

こういうのは一貫性のもので、時が過ぎれば黒歴史とかにされるものだ

「しかし実際に見ることになるとはなぁ・・・」

俺は呆れた声を出しながら、目の前で机の上で仁王立ちする幼馴染の少女を見つめる

少女は不敵な顔を浮かべながら

「ふっふっふっ!我は天使と悪魔の間によって生まれし堕天使、ゼルフ・ルードニッヘ!私を讃えよ!私を讃えることが世界救済の道である!」

とクラスのど真ん中で叫んでいるのである

もちろん、そんなことをすればクラスからは騒がれるわけで

「えっ、何あいつ?」「噂の厨二病ってやつじゃない?」「うわぁ・・・ルードニッヘとかないわー」

と、クラスの皆もまた、呆れた目をしながら彼女を見つめるのであった

うん、出来れば俺も皆と同じように呆れた目をしたかった、うん、出来れば生暖かい目とやらもしたかったよ

「はぁ・・・おい、兼子。机から降りろ、先生がきたらやばいぞ?」

「何を言っている!我は兼子ではない!天使と悪魔の申し子、ルードニッヘだ!」

・・・一向に止めようとしない幼馴染に俺は盛大な溜息を吐いていた。

 

「はいはい、ルードニッヘ様。分かりましたから、さっさと降りましょうね。

今は偽名である、天魔 兼子と言いましょうね」

 

兼子の調子に俺は合わせることにした。というか合わせないと兼子は降りないのだ。このぽんこつ幼馴染は自分が納得しないと絶対に実行しない性格であるからだ

 

「ふむ、分かればいいのだ、ルールトリガー(秩序を護る鍵)よ。いや、今は地則 導作というべきか」

 

兼子は俺の言動に納得し、うんうんと頷きながら机から降りて行った。

なんとか納得してもらったか・・・良かった。

 

「え、もしかして彼も厨二病なの?」

 

「いや、兼子を納得させる為にしぶしぶ合わせてるんじゃね?」

 

「そっかー、・・・少し可哀想だね」

 

俺への精神的なダメージを除けばの話をだが

 

「ふん、愚民どもが騒ごうと我の意思は変わらん。我は世界救済の鍵だからな!」

 

回りと俺の精神的なダメージなどのことなどつゆ知らず、兼子は自分の椅子へと座りながら、高笑いをしていた

 

頼むから頼むから、その言動は止めてくれ

 

「・・・どうしてこうなったんだろうなぁ」

 

俺は上を見詰めながら考えざるを得なかった。兼子が廚二病を発病したのはある意味で、嬉しいことだ。けれども同時に俺への胃のダメージがきりきりときている

 

「おい!導作!聞いているのか!?お前もさっさと我の元へこい!上なんて向くな!」

 

兼子は俺が上を向いて考えている間に何度も声かけたらしい。頭を完全に膨れながら、怒っている。

 

・・・とりあえず頑張らないとな

 

「はいはい、行くよ。兼子」

 

「うむ、すぐにこい!」

 

俺は兼子をこれ以上怒らせないように、急いで自分の机へと向かおうとした。

誰にも気付かないようにしながら(・・・・・・・・・・・・・・・)俺は周囲に目を光らせた(・・・・・・・・・・・)

彼女は、俺の幼馴染である、天魔 兼子は本当の名はゼルフ・ルードニッヘであり、天使ガブリエルと悪魔ルシファーの娘であり、平和の象徴であり、現廚二病患者だ。

ただし、彼女が言っていることは全て(・・・・・・・・・・・・・)真実であるが(・・・・・・)

 

 

 

ガブリエル様、ルシファー様、幼馴染の妄想が全て真実を貫いていてしょうじき怖いです。彼女は本当に何にもしらないんですよね!?

 

俺は再び溜息を吐きながら、ルールトリガー(秩序を護る鍵)の責務を果たす為に彼女の本当のことを看破する者がいないのかを確かめるのだった

 

 

 

 

頼むから早く厨二病から卒業してくれ。俺の胃が常に痛くなる

 

 

 



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