金髪さんのいる同盟軍   作:ドロップ&キック

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本日、二度目の投稿♪

この31話からキリがいいので新章に突入しますよ~。
前章に続いて前半はともかく、後半が……バカです(^^

ついでにサブタイの意味が作中にわかる仕様になっています。






第02章:”冴えない先輩(ヤン)の育て方”
第031話:”モキュモキュ”


 

 

 

さて、ヤンの提出した”イゼルローン・レポート”は、局所的に様々な波紋を呼び起こした。

 

「ほう……中々面白い視点だな」

 

と大柄な黒人同盟軍将官はニヤリと笑うと、

 

「次の作戦に噛ませてみるか……」

 

と呟いたという。

 

 

 

「悪くねぇな……ああ、悪くねぇ! 実にロックだぜ!」

 

と同盟軍中将の階級章をつけたばかりのロック親父は呵呵大笑し、

 

「ヤン……テメェはさっさと出世しろよ? じゃねーと……」

 

”宝の持ち腐れだぜ”と笑う。

 

 

 

「あの……少将殿」

 

ビクビクしてるバグダッシュ大尉を前に、次回の人事異動で昇進後に正規艦隊提督の仲間入りが内定している将官は極めてクールに、

 

「バグダッシュ大尉」

 

「ハッ!」

 

「資料提供した甲斐はあったようだな?」

 

「そ、そうでありますか!」

 

「ああ」

 

その英国紳士然とした将官は小さく頷き、

 

「実に重畳だ」

 

 

 

とまあ好意的な反応はこれくらいだろうか?

レポートを読むことが出来た高級軍人の反応は、当惑や困惑が主だったもので、

 

「フン……現実の見えぬ若者が書いた、実に青臭いレポートだな」

 

と一笑したラザール・ロボス中将の反応の方がむしろ自然であり、多数派だろう。

とはいえ内容が内容、軍上層部は「少々問題あり」と判断し、レポートは余裕でB級機密事項の機密書類の仲間入りを果たした。

どうやらヤンが書く書類と言うのは、軍規に関わることになる傾向があるようだ。

 

これを偶然と呼ぶか必然と呼ぶかはともかく……元々、送られた場所が限定的な上に読む人数が限られている上、ヤンの階級の低さと相まって決して大きなムーブメントにはならなかった。

 

加えて、()()()()()軍人しか読めなかったという点も大きいだろう。

だが、どこにも例外は付き物であるのが、世の常人の常であろう。

 

 

 

世に合縁奇縁という言葉があるが、縁と言うのは本当にどこに繋がってるかわからないものだ。

そして、レポートが流れ着いた先にいたのは……

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★

 

 

 

 

 

 

「あ~はははっ♪ こりゃ傑作よ! ご飯三杯はイケそうなメシウマなレポートなんて久しぶりに見たわ!!」

 

ハイネセン・ポリスの高級住宅地、現代で言えばビバリーヒルズの一等地に立つ豪奢な屋敷の豪奢な居間、そしてこれまた高そうなソファの上で、一人の幼女(?)が、”()()()()()()()()()()()()()()”を見ながら笑い転げていた。

 

「まさか一介の軍大生が、こうも”イゼルローン要塞奪取は阿呆の所業である”って冷静かつ淡々と言ってのけるとは思わなかったわ」

 

なんとも愛らしい幼女(偽?)である。

巻き毛のようなくるりとしたクセを持つふわりとした長い金髪に、どこか猫を思わせる好奇心旺盛そうな大きなブルートパーズ色の瞳……

体つきは小柄……というよりむしろ幼くかなりコンパクト。

140cmがあるかどうか微妙な身長に、3サイズは上から順に”つるーん・ぺたーん・すとーん”だ。

 

とにかく、「美少女か?」と問われれば個々の(主にサイズ/外見年齢的な)価値観の相違が頭をもたげるが、「美幼女か?」と問われれば10人中10人が頷きそうな雰囲気がある。

 

ただし、誤解のないように言っとけば、彼女は既に成人してるし立派な社会人だ。

ついでに言えば税理士の国家資格を持ち、同じく政治家だった父親が存命の間は経理を取り仕切っていた、いわゆるやり手の”出来る女”である。

 

とりあえずプロフィールを読むだけで、なんだか脳内に”○りこんでよかった”がモキュモキュと大音声で再生されそうだ。

できれば、”ろ○こんでよかった~歌ってみた 【ちぃむdmp☆】”版でお願いします。

 

 

「”()()()”、はしたのうございます」

 

と苦言するロマンスグレーの執事であったが、

 

()()()()()、せっかくの上機嫌に水を差すのはよくないわよ?」

 

「お嬢様こそ自らの立場を少しはお考えいただけるとありがたく」

 

「かったいわね~。ワタシはお父様じゃないんだから、もうちょい柔らかくてもバチは当たらないわよ?」

 

「されど同盟開闢より続く名門、始祖の血脈に名を連ねし”()()()()()()()家”にお仕えして三十有余年……今更、スタイルを変える気はございません」

 

「頑固者」

 

「褒め言葉と受け取っておきます」

 

恭しく一礼する初老の家令に幼女……いや、”ヨブ・トリューニヒト・()()()()”は苦笑し、

 

「よっと」

 

反動をつけてソファから飛び降りる。

ミニスカのせいでおぱんつ様(キャラ物の女児用だった……)が丸見えであった。

ウォルター・()()()()()は、ガン見するわけでもなくただただ「奔放すぎるのも困りもの」と言いたげに溜息を突いた。

 

「ウォルター!」

 

お嬢ニヒト(?)は家令アイランズをビシッと指差し、

 

「ただちにヤン・ウェンリーを調べなさい! 特に最近のスケジュールは念入りに!!」

 

「かしこまりました、お嬢様」

 

「大至急よ♪」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 




はい。シリーズ屈指の合法ロリ、ヨブたん華麗に再登場♪(挨拶

第016話のラストにちらっと登場した娘ですが……覚えてらっしゃるでしょうか?(汗

彼女の詳細などは次話以降に掘り下げられたらな~と。
いや、ようやくオリキャラタグが入れられそうです(^^

それにしても……ヤンは、とんでもない娘に目をつけられたようですよ?


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