あと、ようやくリンチの愛艦”ニルヴァーナ”の詳細情報が出てきます。
前回までのあらすじ
ヤンは率いてるYS11特務護衛船団共々無事にアスターテに到着、義弟と無事に合流。
その後、エル・ファシル特別防衛任務群提督のリンチに呼び出されて、パン屋の跡取りっぽいチュン・ウー・チェン中佐/武闘派アジアンの若頭っぽいグエン・バン・ヒュー中佐/提督席よりトマホークが似合いそうなラルフ・カールセン中佐/四人の中では最年長のライオネル・モートン中佐と顔合わせすることになる。
それぞれリンチの麾下で、100隻少々の戦隊を率いてる、いずれも「戦上手」とリンチにも歴史にも評される猛者たちだが……
「それじゃあ計画通り、
精神的レーザー水爆が落ちた。
「リンチ中将、
思わず暴走を止めるように右掌を突き出し、ついで左手の人差し指を眉間に当て、
「確認したいのですが……小官の記憶が正しければ、小官の本来の階級は大尉であり、もし四人のお歴々が同じ臨時任官だとしても通常は1階級上昇、つまり本来の階級は少佐でよろしいでしょうか?」
「そうだな」
「いや、だったらそれはおかしい!? どこからどう考えても、先任は小官ではないはずですっ!!」
今にも裁判を逆転させるような調子の我らがヤン・ウェンリーであった。
というのも、当然彼の提出した計画書に、『自分が囮艦隊の指揮を執る』なんてことは
常識的に考えて、こういう場合は、より先任の中佐が率いる現地艦隊の麾下に入るべきだ。
現地に居る士官なら、宙域をよく知るからこそ地の利だって有効利用できるだろうし、階級こそ絶対の指針たる軍隊で、同じ階級の者が、同じ役職で並べばより先任の者が指揮権を持つべきである。
それこそが軍隊という組織、軍隊という縦社会の秩序! 同盟軍万歳!!
とヤンが内心思ったかは知らないが、取り敢えず彼の主張その物は正当だ。
だが、
「ヤン、良いことを教えてやる」
リンチはノンアルコール・ドリンクの入ったグラス片手にキメ顔で、、
「幻想郷と俺に常識は通用しねえ」
「アンタは一体どこの”
元気いっぱいのヤンのツッコミが”ニルヴァーナ”に木霊した。
☆☆☆
「まあ聞け」
そう仕切り直すのは、自機では早苗より魔理沙派のリンチである。
まだVRゲームが楽しくてしょうがなかった若き頃のリンチによると『やっぱ弾幕はパワーだよなぁ~。幻想郷でも艦隊戦でも分かりやすくていいぜ』とのこと。
そういえば、リンチの座乗艦”ニルヴァーナ”はパトロクロス級(改アイアース級)としか表記が無かったはずだが、ベースになってるのはアキレウス級全体で現在最強の火力を誇る”クリシュナ”だ。
攻守のバランスがよく標準型とそん色のない機動力を誇る”
『形がロックしてるぜ……』
と一目で気に入ったらしい。
ただクリシュナと全く同じではないようで、『元々、クリシュナからして
バルジの中身は
また副次効果として、やたらと上下幅があるクリシュナに比べ、バルジの追加でバランス修正ができたため、操艦安定性はかなり改善されてるようだ。
全長こそビュコック爺様の愛艦”リオ・グランデ”に負けるが、ボリュームや厳つさからしたらおそらく同盟最強だろう。
「何もお前に500隻の艦隊をいきなり率いろとは、いくら俺でも言わんさ」
リンチは再びグラスを傾け、
「ただ、100隻ちょいの艦隊を率いてる、
「……あまり大きな差はない気がしますが?」
と返すヤンは、当然のように正統派の霊夢使い。
そして、あの何物にも縛られない自由な在り様は、未だに憧れる部分がある。万年金欠なのは困りものだが。
そういえば、面倒くさがり屋で(特に戦闘面で)天才肌ってあたり、この二人になんとなく共通項があるような?
どうでもいいが、この時代に東方Projectがあること自体が驚きだだろう。
ただずっと時代の荒波超えて生き残っていたというより、ハイネセン家が1000年近く隠蔽保管していた90日戦争前のデータ・アーカイブから発掘されたデータを元に、リメイクされたというのが正解だろう。
何やらVR弾幕ゲー化され、同盟では国民的人気作になってるようだ。
「ニュアンスがだいぶ違うじゃねーか。それに直接指揮じゃなくて間接指揮。”
「そりゃまあ、できますが……ところで、チュン・ウー中佐たちはそれでよろしいんですか?」
AよりB装備を好んで使う、インドアゲーは三次元チェスでなくともフルダイブVR-MMOだろうと何だろうと不思議と強い
「別に構わないよ? むしろどんな指揮を執ってくれるか楽しみなくらいだ」
と悪意ない笑顔で、何気にプレッシャーをかけてくるチュン・ウー・チェンに、
「ヘマをしねぇならそれでかまわん。少しでも戦いやすくなりゃ御の字だ」
「うむ。リンチ閣下の決定なら異存はない」
「同じくだ」
「うっ……」
チュン・ウー・チェンだけでなく、残り三人にもあっさり頷かれ、思わずたじろくヤンであった。
どうやらこの男、世界線の違いがあっても、やたらと孤立無援に縁があるようだ。
「決まりみてぇだな?」
リンチはニヤリと笑い、
「まあ元々、『YS11特務護衛船団に四人の艦隊を組み込む』って事務処理にする予定だったんで、
「酷っ!?」
★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★
うむ。ラインハルト・ミューゼルだ。
ん? 今回はネタは無いのかだと?
ネタ切れだ。悪かったな。
何やら東方の話題が出た気がするが……俺は
ん? 謎の
「ヤン中佐……ラインハルト君とはまた別のベクトルでユニークだよね?」
「そうか?」
ああっ、今は休憩タイムで私室でくつろいでる。
最近、アヤが俺の部屋に妙に居ついてるような気もするが……まあいい。少なくとも俺よりコーヒーを淹れるのが上手い。
「なんて言うか……変な色気があるって言うか」
「はあ? お前は何を言ってるんだ?」
ヤン先輩が色気って。おそらくだが、先輩と一番イコールで結ばれないグループの単語だぞ? それは。
「それも単純なセクシーさじゃなくて……ほら、ラインハルト君って綺麗じゃん?」
「アヤ、お前なぁ……綺麗と評されて素直に喜んだり頷いたりする男は、正直かなりキモいぞ?」
少なくとも俺はそんなナルシーな奴には近づきたいとは思わん。
「そうなの? まあ、それはそれとして……ヤン中佐って、ラインハルト君みたいに怖いくらいに容姿が整ってる訳じゃないけど、なんて言うか”妖しい”のよ」
「妖しい? そりゃ色気ってよりは、まだ先輩に似合う単語かもしれないが」
「あえて言語化すると”妖気”かな……? なんか人、特に女を狂わせる毒気の混じった色気って感じ」
……先輩は、いつからコズミックホラーの登場人物になったんだ?
読んでいただきありがとうございました。
アヤが言う”妖気”っていうのは、おそらくは随所に出てくるヤンが時折出す”凄み”と同じものではないかと(^^
ヤンにその空気が定着してきたのかもしれませんが、アヤはこう見えて存外色々鋭いです。
普段はポンコツだけどw