たぶん同じようなのが30本くらいあるんじゃないかなあ?
それは、ある時、日本のある場所でのこと。
「バスター、バスター、宝具、っと」
少年がスマートフォンの画面を三度タッチ。
『■■■■■■■■■――――――!!!』
『■■■■■■■■■――――――!!!』
すると、画面の中の武将が二度、方天画戟を振り下ろす。
『■■■■■■、■■■■■■■■■――――――!!!』
そして最後の一撃。
武将がビームを放つ。
レベル100、フォウくんMAX、スキルレベルも全てMAX。
少年の愛とか時間とかが注がれた狂戦士の攻撃に、人理焼却事件の黒幕は倒れた。
「··········、」
結論を述べると。
「クリアだあああああ!!」
この瞬間、少年はゲームをクリアしたのだった。
「おっと······エンディングは静かに見ないと」
数秒後、ロードが終了。
「······!」
エンディングが流れ始め、少年は物語の結末を見る――――
「ごぶっほあえああぁぁあ!!!」
――――ことはなく、横から来たトラックに轢かれた。
少年の体が派手に吹き飛び、スマホは手から離れて回転しながら放物線を描く。
(そうだ・・・)
回転しながら視界が暗くなっていく中、少年は思い出していた。
(歩きスマホは危険だって、ポニーテールおじさんが体を張って教えてくれたじゃないか!)
しかし時既に時間切れ。
後悔する暇もなくアスファルトに激突。
少年は完全に意識を失った。
「・・・・・・夢か」
あれ、もう何年前の話だっけ?
転生してもう・・・どれくらい経っただろう?
「起きたかー? こっち手伝ってくれ」
「へいへーい」
父の声が聞こえ、返事をする。
手伝うというのは家事ではない。
目を擦りながら家を出て、畑に向かう。
「お前も5歳になったし、今日は種の蒔き方を教えるぞ!」
体力はともかく、精神の成熟度でいえば生まれた時点からできるんだけどなあ。
そう思うが、5歳児はそんなこと言わないので黙って頷く。
「よく見てろよ・・・これを、こうしてこうだ。もっかいやるぞー? これを」
言い終わる前に父を真似して蒔いていく。
「こうし・・・って、もう覚えたのか。将来有望だな。この畑は安心してお前に任せられる」
「・・・・・・ごめん」
父に撫でられながら小さく呟いた。
実際、自分に合っていると感じるし、前世の知識も少しある。
農業をすれば、この先細々とは生きていけると思う。
でも、自分はこの世界で、どうしてもやりたいことがあるのだ。
◆
王朝は漢。
ここは幷州。
そう聞いたとき、心が弾むのを感じた。
思ったのだ。
会えるんじゃね? 呂布奉先に。
ゲーム内とはいえ幾度となく助けられ、憧れた呂布奉先への思いが溢れてくる。
呂布奉先を見たい。
呂布奉先の声を聞きたい。
呂布奉先と話がしたい。
つーかもう抱かれてもいい。
呂布奉先に抱かれたい。
「これもう農民やってる場合じゃねえな」
種蒔き後に思った。
呂布奉先に会うためには戦場に出なければならない。
つまりは、強くならなければならないのだ。
「―――よし、まずは村で一番強くなろう」
強ささえあれば義勇兵からスタートしたってなんとかなるだろ。
そんなわけで隣に住んでる動物好きな幼なじみの家へ。
「勝負だ恋ちょん! くらえ憧れへの第一歩を踏み出すパーンチ!!」
「・・・遅い」
「ごぶっほあえああぁぁあ!!!」
呆気なく吹き飛ばされた。
「・・・・・・やりすぎた?」
「1stステー・・・ジで負け・・・・・・るなんて・・・」
道のりは長いが決して諦めない。
呂布奉先に絶対会うんだ!!!
続いた場合、これ以降呂布奉先は登場しません。