四月も中旬に入り、世間がそろそろ桜も見納めかと言い出した頃、私たち第八駆逐隊は今日も戦闘中。
艦娘が実戦に配備されるまではまさに戦時中といった感じだった国内も、ここ数年で輸出入もある程度再開され、お花見で浮かれられる程度には経済が復活してるらしい。
そんな束の間の平和を謳歌する世間とは切り離された洋上で、私は戦っている、平和を守るなんて大層な事は言わない、私が戦う理由は酷く個人的な理由だもの。
「朝潮!対空砲火が薄い!前に出てる大潮と荒潮に艦載機を近づけさせるな!」
「はい!」
休暇が明けて、私が大規模改装を受けてからの一週間は出撃の連続で、哨戒任務は当たり前、深海棲艦の出現情報があれば輸送機まで使って即座に出撃、私たちは一日のほとんどを戦場で過ごす様になっていた。
『うふふふふ、つ~かま~えたぁ~♪』
『荒潮!そのまま重巡を抑えて!』
「朝潮、荒潮が重巡を抑えてる間に軽空母を叩くわ、ついて来なさい!」
「了解しました!」
大潮さんと荒潮さんが前にでて敵前衛を抑えてる間に、二人を援護しつつ回り込んで私と満潮さんで後衛を叩く、これが第八駆逐隊の基本戦術だ。
もちろん敵の数や陣形によって多少は変わるけど、荒潮さんのトリッキーな動きは陣形に係わらず敵をかき乱し、大潮さんが一体ずつ仕留めていく。
「大潮!駆逐艦は気にしなくていい!軽巡を仕留めて!」
『わかった!』
私と満潮の役割は援護と迂回からの後方の撹乱。遮蔽物がほとんどない洋上だからできる事ではあるけど、大潮さんたちが攻撃しやすいように、邪魔になる他の敵を砲撃で確実に足止めしていく。
「朝潮、わかってるわね、軽空母の後ろにいる駆逐は私が仕留める、アンタは軽空母を仕留めなさい!」
「はい!」
輪形陣の最後尾の敵駆逐艦がこちらに気づいて砲撃を開始する、大丈夫、これくらいなら問題なく回避できるわ。
「あーもう!この駆逐艦!ウザイのよ!」
満潮さんが駆逐艦を仕留めた、軽空母は丸裸だ!
「よし!突撃する!」
私の接近に慌てた軽空母が回避を開始した、でももう遅い、この距離なら外さない!
「この海域から出て行け!」
距離300ほどまで接近した私は魚雷を発射、放たれた魚雷は獲物を見つけた猟犬のように軽空母に突き刺さり敵を爆炎に包み込んだ。
「や、やった!敵を撃破しました!」
「こんな雑魚を倒したくらいでいちいち喜ぶなって何回言わせるの!敵を倒したら周囲の警戒!」
「は、はい!申し訳ありません!」
またやってしまった……、何回も言われている事なのに、反省しろ!満潮さんの指導を無駄にしてはダメ!
休暇が明けてからの満潮さんは前にもまして厳しくなった、それまでの訓練が遊びに感じてしまうほどに。
言葉はきついけど、私の悪い点を的確に指摘してくれる、この人について行けば私はきっと強くなれる。
司令官との約束を守るためにも、この人の一挙手一投足を見逃さないようにしなきゃ。
「相変わらず満潮ちゃんは厳しいわねぇ、敵を倒して喜ぶくらいいいじゃない。」
前衛を屠った荒潮さんが、合流するなり私に抱き着いてきた。さっきまでの敵を追い詰めていく荒々しさが嘘みたいだ。
「うっさい!前にも言ったでしょ!アンタが甘やかす分、私が厳しくしてんの!」
相変わらず口喧嘩が絶えないなこの二人は、それよりいい加減離してください荒潮さん、息ができません。
「はいはい、ケンカはその辺にして帰投しますよ。晩御飯に間に合わなくなっちゃう。」
「今日の任務はこれだけ?」
「そうだよ、戻ったら休みだからそれまで……。」
「そうじゃない、もう任務はないのかって聞いてるの。」
これだけ戦ってるのにまだ戦いたいなんて、満潮さんはヤル気に満ちてるわね、と言うよりはどこか焦ってるような……。
「ええ~、もう一週間ずっと出撃漬けよぉ?お休みしないと死んじゃうじゃない~。」
「アンタまだ余裕じゃない、もう2~3戦くらい行けるでしょ。」
たしかに荒潮さんの動きは疲れで鈍るどころか戦うたびに鋭くなっている気がする、私たちの中で一番動き回っているはずなのに。
「ダメだよ満潮、いくら艦娘が普通の人より疲労が抜けやすいとは言っても疲れは溜まるんだから。疲れてても平気だなんてそれこそ、満潮の嫌いな慢心そのものだよ。」
満潮さんが慢心?たしかに疲れは溜まっているけど、まだ無視できるレベルだと思うんだけど……。
「朝潮ちゃんも疲れてるわよねぇ?」
「い、いえ、私はまだ大丈夫です!」
満潮さんがヤル気なのに私がへこたれる訳にはいかない、それに満潮さんがやれるって言うんだ、慢心なんかじゃないわ。
「満潮が何を考えてるかはわかってるつもりだよ?だけど焦っちゃダメ。」
満潮さんの考え?それについて焦ってる?一体満潮さんは何に焦っているんだろう。
「そうね……わかったわ。」
「満潮さん……。」
「いいのよ、大潮の言う通り休む事も大事な事よ。」
満潮さんは寂しそうに笑いながら、私の頭をポンポンと軽く叩いて隊列の最後尾についた。
たぶん、満潮さんは何かに向けて私を一層鍛えようとしてくれてる。何を目的にしてるのかまではわからないけど、きっと私にとっても満潮さんにとっても大切な事に向けて。
・・・・・・
・・・・
・・・
「朝潮ちゃんもだいぶ戦闘に慣れたわよねぇ。怖くて怯える朝潮ちゃんも可愛かったけど、今の朝潮ちゃんも好きよぉ。」
雑談を交えつつ、かと言って周囲の警戒は怠らないように帰投を続けて、遠目に鎮守府が見えて来た頃、思い出したように荒潮さんがそんな事を言ってきた。
た、たしかに初出撃の時は酷かったですが、もう怯えたりしません!今でも少し怖いけどあの時ほどじゃありません!
「本当は、怖いって思う方が正常なんだけどね……。」
「まあねぇ……。」
どういう事?だって怯えてばかりじゃ戦えない。それどころか皆に迷惑がかかるのに。
「正気で戦争なんてできないってことよぉ。怖いって思わなくなっちゃったらそれはもう、正気とは呼べないわねぇ。」
「で、ですが恐怖を克服できなければ戦えません!」
戦闘中に正気を保つためには怖いと思ってはダメ、だけど怖いと思わなくなったら正気ではない?訳が分からない。
「それはそうなんだけどね、できる事なら朝潮ちゃんには大潮たちみたいになってほしくないな……。」
どうしてそんな事を言うんですか、皆さんは私の目標です。
強くて、優しくて、頼りがいがある三人は私の自慢のお姉ちゃんたちです!
私は三人のように強くなりたいのに……。
「なんで……。」
「アンタは気にしなくていいの、アンタは司令官の剣になるんでしょ?その事だけ考えなさい。」
それまで黙って話を聞いていた満潮さんがいつの間にか私と並走していた。
なんで満潮さんがその事を知ってるの?司令官から聞いたのかな、私の以外は司令官しか知らないし。
そうか……、満潮さんはその事を知ってるから前より厳しく指導してくれているんだ。
それだけじゃ焦っている説明がつかないのが気になるけど。
『ならその剣の切れ味、私が試してあげる。』
日が傾き、西の空が赤く染まり始めた時、通信装置を通して知らない人の声が響いてきた、他の駆逐隊?いや聞き覚えがない声だ。
「げ!!ちょっとこの声!大潮!」
「勘弁してよぉ、声の感じからしてヤル気満々じゃない……。」
「わかってる、全艦!砲雷撃戦用意!『敵』が来るよ!!」
敵!?こんな鎮守府の近くで!?深海棲艦じゃないんですよ?通信して来たと言うことは艦娘です!
3人は誰か知ってるみたいだけど大潮さんは『敵』だと言った、艦娘なのに敵?それに砲雷激戦用意って、私が今装填しているのは実弾ですよ?
同じ艦娘を撃つって事?
「朝潮、今から来る人は艦娘よ、だけど仲間と思わないで深海棲艦だと思って本気で攻撃しなさい。でないとアンタが死ぬわよ。」
鎮守府の方角から全身緋色の艦娘が向かって来ているのが目視で確認できた、サイズからして駆逐艦?しかも一人だ。
あの人が敵?艦娘なのに深海棲艦と思えって……なんで仲間であるはずの艦娘が私たちを襲ってくるの?裏切者?でも彼女は鎮守府から出てきた、もう訳が分からない。
「いつもと同じで行く!駆逐艦と思っちゃダメだよ!姫級の戦艦が相手と思って!」
「「「了解!(しました!)」」」
三人の緊張が伝わってくる、今まで感じたことがないほどに。
大潮さんは姫級の戦艦だと思えと言った、あの駆逐艦はそれほど強いって事?私は姫級を見たことがないけど戦艦と言うだけでどれほど恐ろしいかはなんとなく想像出来る。
でもあり得るの?駆逐艦の身でそんなバケモノに匹敵するほどの強さなんて。
「荒潮、『奥の手』は使わないで!ここじゃ他の艦娘の目につきかねない!」
「あの人相手にぃ?無茶言わないでよぉ……死んじゃうじゃない……。」
荒潮さんの『奥の手』、どんなものか見たことはないけど、他の艦娘の前じゃ使えないの?
「できるだけ努力して!行くよ!」
「もー!死んだら化けてでやるぅ!!」
意を決した二人が緋色の駆逐艦に向かって突撃して行く、相手は速度も変えずこちらに直進、右手に持っている単装砲を構えもしない。
「朝潮、いつも通りよ、二人の援護をしつつ回り込む!前後からタコ殴りにするわ!」
「はい!」
大潮さんと荒潮さんが緋色の駆逐艦と砲撃を開始した、けど相手は撃ち返そうとしない。
反撃する余裕がない?そうよね、私と満潮さんも援護をしてるんだから。
雨のように砲弾が降り注いでいるんだ、4人分の砲撃を回避しながら反撃する余裕なんてあるはずがない。
あれ?おかしいくない?
雨のように降り注ぐ砲弾を回避?一発も当たっていない?大潮さんと荒潮さんは連装砲を二門装備してるのよ!?これだけの砲撃を全て回避している!?
『荒潮!突っ込みすぎ!』
大潮さんの忠告の直後に荒潮さんに砲撃が直撃して倒れ、艤装の緊急避難装置が作動した。
荒潮さんがやられた、あっけなく、会敵して数分しか経っていないのに。
『たしかに成長してるみたいね、少しだけ褒めてあげる!』
ご褒美とでも言うように大潮さんを屠る緋色の駆逐艦、砲撃した瞬間が見えなかった、いつ撃ったの!?
『さて、次は満潮かな?』
緋色の駆逐艦は倒した二人には目もくれずこちらに向かって進路を変える、次は満潮さんを狙う気?
させるものか!私と満潮さんは向かってくる駆逐艦に砲撃を集中、ダメだ、弾道をすべて読まれてる。
相手の速度を落とせない、こちらの砲撃などどこ吹く風という感じに減速なしに突っ込んでくる。
『砲撃が正確すぎるわね、そんなの避けてくれって言ってるようなものよ?』
え?何を言っているのこの人は、狙いが正確だから当たるんじゃないの?
「距離を保って反転!このまま鎮守府まで逃げるわよ!あの人も鎮守府の中でまでは襲ってこない!たぶん!」
「でも二人が!」
二人を置いて逃げるの?あの人が撃ったのは実弾だ、きっと二人ともケガをしてる。
放って逃げるなんて私にはできない!
「緊急脱出装置が作動してる!そのうち救助が来るわ、こんな所でアンタを潰させるわけにはいかないの!言うことを聞きなさい!!」
私が潰される?あの人に?どうしてあの人はそんな事をするんですか?二人を傷つけて、今は満潮さんを狙って、その次は私?
「朝潮!」
「え?」
満潮さんが右に急速旋回してそのまま私の後方に移動、直後に満潮さんが被弾した。
「満潮さん!!」
「アンタはそのまま鎮守府に戻りなさい!!」
『あっ、その子の盾になるんだ。偉い!』
緋色の駆逐艦に満潮さんが砲撃しながら突撃して行く、また庇われた。
私を庇わなければ満潮さんだけでも逃げられたかもしれないのに、また私を庇って満潮さんが傷ついてしまった。
『なんであの子を襲うのよ神風さん!あの子を潰す気!?』
神風?それが緋色の駆逐艦の艦名?
『ん~~、憂さ晴らしかな?』
『そんな理由で襲ってくんな!相変わらず無茶苦茶ねアナタ!』
満潮さんと神風さんが撃ち合いながら離れていく、憂さ晴らし?そんな理由で私たちを襲ったの?そんな理由で三人を傷つけたって言うの?
私の中にそれまで感じた事のない感情が湧き上がってくるのを感じた、これは、怒り?
そうだ怒りだ、私は怒ってる!私な大切な人たちを理不尽な理由で傷つけたあの人が許せない!
『あら、避けるのが上手くなったわね満潮、回避だけなら私より上手いんじゃない?』
『こんだけボコスカ当てといて言われても嬉しくないわよ!このバケモノが!』
満潮さん被弾箇所が増えていく、大潮さんと荒潮さんとの演習でさえまともに被弾しなかった満潮さんが回避しきれていない。
「そ、そんな……あの満潮さんに当てるなんて……。」
素直にすごいと思う、私は演習で満潮さんに一発も当てれないんだ、相手の力量は私を遥かに超えている。
『でも、避けるのが上手いだけじゃ私には勝てない。ほら。』
これでどう?とでも言うかのように満潮さんの体に炎の花が咲き乱れた、満潮さんがやられた?相手はほぼ無傷なのに。
『さて、残るは貴女一人だけど、どうする?そのまま逃げる?』
こちらを見据え、通信越しにあざ笑うかのような口調で神風さんが挑発してくる。
逃げる?三人をこのままにして?私の大切な仲間を傷つけたこいつに仕返しもしないまま?
そんな事できるものか!あの三人が敵わなかったのに私がこいつをどうこう出来るとは思えない、だけどこのまま逃げ帰ったら私は自分に嘘をつくことになってしまう!
『へぇ、ヤル気なんだ、いいわ、それでこそ駆逐艦よ。』
相手がこちらに向けて前進を始めた、真正面から私を叩く気だ。
バカにして!ただでやられてやるものか!三人を傷つけたことを後悔させてやる!
『その気概に免じて名乗ってあげる。駆逐艦 神風よ!かかってきなさい!』
三人を傷つけた憎い相手だし、礼を尽くす義理はないけれど、名乗られたからにはこちらも名乗らねばなるまい。
でないと負けた気がする!
「駆逐艦 朝潮です!私の仲間を傷つけたことを後悔させてやる!!」
名乗りとともに機関出力全開、全速力で神風さん……いえ、敬称なんてしてやるものか!呼び捨てで上等!
全速力で神風に向け突撃、砲撃で相手の進路を絞りながら距離を詰めていくそして……。
『私の進路を絞って近づいたところで雷撃かな?』
読まれた!?狼狽えるな、思考を読まれる事なんて満潮さん達で慣れてる!神風はあの
三人より強いんだ、私が考え付くことくらい容易に予想できるだろう。
ならば!
『ん~貴女威勢はいいけど全然ね。』
私と神風の距離が100メートルを切ったところで、相変わらずいつ撃ったかわからない砲撃が私の肩に当たる、痛い、痛いけどここだ!
ドン!
私は満潮さんとの演習中に偶然できた『トビウオ』で一気に間合いを詰める事を試みる。
ちゃんと出来るか不安はあったけど、無事に成功、体の痛みも今のところない。
単装砲は連装砲と違って砲身が一つしかない分、砲身ごとに分けて撃つことができない、必ず再装填の時間が発生する。
「へぇ、貴女トビウオ使えるんだ、少し評価を上方修正してあげる。」
お前なんかに褒められたって嬉しくなんかない!私は神風の再装填までの数秒の間にさらに3回『トビウオ』を使って距離を詰め。
「魚雷1番2番、発射!」
距離30、通常に比べて過剰なほど接近してから放つ雷撃、この距離と相対速度じゃ私も被害を受けかねないけどこいつに一矢報いれるなら安いものだ!
ドン!ドン!
こちらに向かって来ていた神風に魚雷が突き刺さり水柱を上げる。
いや、当たってない?魚雷の爆発にしては小さすぎる、それに水柱のが二つ?先ほどまで神風が航行していた位置と私から見て10メートル左方向どういう事……?
「貴女、トビウオは前方へ直進しかできないと思ってない?」
「な!?」
私の左後方15メートルほどの位置に神風が居た、トビウオで避けた?横方向に?そこからさらにもう一度トビウオで私の左後方に飛んだんだ。
「たしかにトビウオは直進しかできない、でも前にしか出来ないわけじゃないのよ?」
なぞなぞ?こんな時にふざけるな、私は接近する神風に向け反転、砲撃を再開、だけど悉く避けられる。
まるで満潮さんを相手にしているみたいだ、まったく当たる気がしない。
「神風お姉さんのトビウオの使い方講座~♪レッスン1♪」
ドン!
再びトビウオを使用した神風が私から見て右前方に出現した。
やはり横方向へ向けてのトビウオ、どうなってるの!?トビウオは直進しかできないはずじゃ!?
「トビウオは体全体の伸縮のタイミングが一番大事なの、タイミングさえ合わせれば全方位に飛ぶことができるのよ?」
なるほど、横方向へのジャンプにタイミングをあわせれば横に『直進』できるって事ね、って違う!何感心してるのよ!奴は敵なのよ!?
「そしてレッスン2~♪トビウオ応用編。」
距離が10メートルを切り、それまで海面を滑るように航行していた神風の動きが明らかに変わる、海面を……『走って』る?
「ほらほら、足が止まってるわよ!」
「しまっ……!」
いつの間にか速度が落ちていた、止まってるわけじゃないけど、これじゃ棒立ちと大差ない。
「ま、もう遅いけど。」
海面を『走って』いた神風が私の眼前に迫っていた、何これ、走っているの?これがトビウオの応用?そんな速度も出ず、効率も悪い航行に何の意味が……。
艦娘は『脚』で海面を滑るように航行することによって人間サイズでありながら艦と同じ速度を出すことができる、それなのに海面を人の脚力で走っても人間並みの速度しか出ない。
そもそもどうやって走っているの?人間は海面を走ることなんてできないのに。
いや、そんなこと考えている暇なんてない!
迎撃を!私が主砲を神風にむけて構えた時、すでに神風は私の左に回り込んでいた。
海面を、『ステップ』して。
「歓迎するわ朝潮、ようこそ私の『
実際の連装砲が砲身ごとに分けて撃てるか知りませんが、この作品では分け撃ちできるってことで。
日数数え間違いてたので冒頭を微修正。