私と神風が朝潮達と別れて泊地の執務室へ赴いてみたはいいのだが……。
いや、執務室と言っていいのかコレは、横須賀鎮守府の執務室と違って酷く事務的と言えばいいのか。
入口のドアから入ってすぐに長机が縦に置かれ両脇にソファー、さらにその奥にドアと対面するように事務机が置かれている。
「お、来たな『お嬢』。大佐から話は聞いてるぜ。」
一番奥の事務机に座り、扇風機に当たっていた50~60歳くらいの初老の男性が私たちを見るなりそう言ってきた。
大佐とは提督のことだろうか、ならばお嬢とは……。
「もう!その呼び方やめてって前にも言ったでしょ『艦長』!」
やはり神風の事か、だが艦長とはどうゆう事だ?彼は泊地の司令ではないのか?
「相変わらず体と同じくらい小さい事言うな、お嬢は。今さら呼び方を気にするような間柄でもないだろ?」
髭面オヤジのウィンクと言うのは見るに耐えないな、閉じた方の瞼がピクピクしてるじゃないか。
「それと、先生の事を大佐って言うのもいい加減やめなさいよ。今は中将よ?」
「そうだったか?泥まみれで戦場を這いずり回ってた大佐殿が中将様とは……出世したねぇ。」
この口ぶりだと提督が陸軍に居た時からの知り合いか、だが艦長と言うのがわからない。
『艦』長と言うくらいだから軍艦の艦長だったのだろうが……。
「そっちのベッピンさんは長門かい?うちの能代が霞んじまうくらいいい体してるじゃねぇか。」
いやらしい目で舐め回すように私の体を見るな!男に褒められても欠片も嬉しくない!
「ダメよ艦長。コイツ女にしか興味ないし、それに筋肉バカだからきっと硬いわよ。」
待て神風、その言い方では誤解を生んでしまう。
私は女は女でも幼女にしか興味がないんだ、もっと具体的に言うなら駆逐艦!さらに個人で言えば朝潮だ!
それと私はそこまで硬くはないぞ?訓練を怠っている艦娘に比べて比較的筋肉がついているだけだ、けっして硬くはない。
「それはともかく、神風。この方は司令ではないのか?艦長と呼んでいるようだが。」
「合ってるわよ?このオッサンがこの泊地の司令官。」
オッサンってお前……昔なら上官侮辱罪で銃殺されても文句言えんぞ……。
「お嬢や大佐……じゃない、横須賀提督とはワシが護衛艦の艦長だった頃からの知り合いでな、ワシの艦が沈められて浜辺に漂着していた所を助けられて行動を共にしてた時期があったのよ。」
だから艦長か、当時の海軍は深海棲艦にやられたい放題だったと聞いた事はあるが……よく助かったものだ……。
「助けて目を覚ました途端自決しようとして大変だったのよ?あんまり言う事聞かないから自決しようとするたびに殴って気絶させてさ。」
神風……それはもう拷問ではないのか?
「そりゃ艦長ってのは自分の艦と運命を共にするもんだからな、艦と部下を失ってまで生き恥を晒すなんざ、当時のワシにゃ出来んかっただけだ。」
それがどうして泊地の司令官に?司令官をしていると言う事は妖精とコンタクトが取れると言う事だろうが。
「先生に説得されちゃったのよねぇ。『死ぬ覚悟があるなら今は死ぬな、俺が死に場所を用意してやる。』って言われて。」
「懐かしいねぇ……そう言われて死ぬのを思いとどまって早8年以上……ワシはいつまで生き恥を晒し続ければいいのか……。」
その言いようだと死ぬこと自体は諦めていないのか、気持ちはわからないでもないが。
男とは難儀な生き物だな……。
「その先生から手紙を預かってるわ。『約束通り死に場所を用意した。』だそうよ。」
神風が神妙な面持ちで懐から封筒を取り出し艦長に渡した。
艦長は手を震わせ、死ねと言われているとは思えないほど嬉しそうな顔でそれを両手で受け取った。
「すまねぇが……先に読んじまってもいいかい?」
「ええ……。」
艦長が神風の返事とともに封筒を開け、中身を取り出して読みふける。
「く……くくくく……くはーはっはっはっはっは!何が死に場所だ!これじゃ死ねねぇじゃねぇか!」
左手を額に当て、豪快に笑いだす艦長。
期待を裏切られたにしては嬉しそうだな、眼尻に涙まで浮かべているじゃないか。
「嬉しそうね艦長。そんなにいい事が書いてあったの?」
「ああ、あの若造。俺に死に場所どころか生き場所をくれやがった、死ぬに死ねなくなっちまったよ。」
「そう……よかった……。」
神風が嬉しそうに目を閉じうっすらと笑みを浮かべる。
安心したという感じだな、お前も内容までは知らなかったのか。
「お嬢、ワシにこんな手紙を寄越したってこたぁ。『奇兵隊』を全員招集するつもりかい?」
「そこまでは聞いてないわ。でも『武器屋』とはコソコソと何かやってるみたいよ?」
奇兵隊?それは提督の私兵の事ではないのか?その言い方だと横須賀鎮守府に居るのが全てではないみたいだが。
「今、鎮守府に集まってるのは?」
「今は『銃』と『車』、それに『腰巾着』しか居ない。ああでも、鎮守府の外に『店長』は居るみたい。」
まったく言ってる事がわからん、それは何かの暗号なのか?
「くくく……それにワシと『DJ』が加わりゃ初期メンバー勢ぞろいじゃねぇか。昔を思い出すねぇ、また竹槍持って突っ込めとか言い出さねぇだろうな?」
いやいや、それは冗談で言ってるんだよな?深海棲艦相手に竹槍で突撃していたとでも言うのか?
「さすがに無いんじゃない?銃剣くらいは持たせてくれると思うわよ。」
うん、きっと冗談だ、とてもじゃないが正気とは思えない。
「私もまだ詳細は知らないけど、近々大きな作戦があるんだと思う。そのために武蔵が必要みたい。」
「なるほどねぇ、ワシにまで声をかけるってこたぁ少なくとも7年前並の作戦、もしくはそれ以上……。たしかにアイツをここで遊ばせとくわけにゃいかねぇな。」
7年前と言えばシーレーン奪還作戦か、あの規模の作戦の準備にしては準備期間が短すぎないだろうか……それとも、ずっと以前から準備は始まっていたのか?
「そんな言い方だと、他の艦娘が拗ねるわよ?」
ふむ、たしかに他の軽巡や駆逐艦たちは遊んでてもいいように聞こえるな。
「うちの娘どもはこんくらいじゃ拗ねたりしねぇさ。能代もワシの性格は知ってるしな。」
さっきから出て来る能代とやらがここの秘書艦か?私の駆逐艦ファイルにその名前はないからおそらく軽巡だろう。
「その武蔵だけど、ここを離れる前に武蔵本人から自分は『墓守』だと聞いたわ。誰のお墓を守っているの?」
「ああ、お嬢達が来る前にもチェリー少佐からその件について確認の通信があった。」
チェリー少佐?鎮守府で少佐と言えば辰見少佐か提督の副官の少佐くらいだが……はて、チェリー?サクランボが関係するような名前だったか?
「その呼び方やめてあげなさいよ。意外と気にしてるかもしれないわよ?あの人。」
やめてあげろと言う割に半笑いじゃないか神風、お前には意味がわかっているのか?
「わかったわかった、次に会った時も覚えてたらやめるよ。」
いや、やめる気ないだろう。
楽しみだと言わんばかりにクスクスしてるじゃないか。
「で、わかったの?」
「わかったと言うか知っていたと言うか……ワシが死なせてしまった子だしな……。武蔵がここに着任して戦死した艦娘は一人だけだ。奴が墓守をしてるって言ったんなら、間違いなくその子の墓だろう……。墓と言っても慰霊碑だがな。」
「その艦娘の名は?」
神風の追及に、艦長が名前を言うのを躊躇っているかのように黙り込んでしまった。
彼にとっても辛い思い出なのか……。
「夕雲型駆逐艦十九番艦……清霜だ。」
~~~~~~~
艦長が意を決して口にした艦娘の名を私たちが聞いてから約一時間、私と神風は基地の裏手から伸びる山道を黙々と登っていた。
「艤装背負って来てよかったわね、虫多すぎよ……。」
私は艤装を背負って山登りする羽目になるとは思わなかったよ、山頂まで緩やかな一本道とは言え、艤装を背負ったままだとさすがに辛い……。
「虫よけスプレーじゃダメだったのか?装甲を張れば確実に虫よけにはなるが、さすがにきつ過ぎるぞ……。」
「ダメダメ、私スプレーしても全然効果ないのよ。ホント頭来るわ。」
血の気が多いからじゃないか?と言うかお前に効果がないだけで私は平気だったかもしれないじゃないか。
まさか道連れにされたのか?
「でも意外だったわ、『貴様!駆逐艦を戦死させたのかー!』って艦長に掴みかかると思ってたのに。」
それを言ったら私は提督に何度掴みかからねばならないかわからないぞ?今居る各地の提督や泊地の司令官で艦娘を戦死させたことがない者など皆無なのだから。
「たしかに駆逐艦を死なせたのは許しがたいが、あの人は無能と言うわけではあるまい?その彼が戦死させてしまったと言うのなら、それ相応の理由があったはずだ。」
怒るのはその理由を知ってからでも遅くはない。
戦争をしているのだから、その先兵である艦娘の死は逃れることができないのだ、特に装甲が薄く、海域をほぼ選ばず運用できる駆逐艦ならなおさら……。
「頂上が見えて来たわね、あとひと踏ん張りよ。」
艦長が教えてくれた武蔵の居場所、この泊地で戦死した艦娘の慰霊碑がある山頂に武蔵は居るだろうと教えてくれた。
晴れの日は必ず行っているらしい、今日はスコールが多かったから今の晴間を利用して行っているかもしれないとの事だった。
「おお!何度見てもこの辺りの星空は凄いわね!久ぶりだけどやっぱりいいものだわ。」
神風の視線を追って空を見上げて私は息を飲んでしまった、日本の星空など比較にならない美しさだ。
今にも落ちて来そうなほど爛々と星が輝いている。
「誰だ騒がしい……。ここは騒いでいいような場所ではないぞ。」
私たちの正面に建てられた高さ二メートルほどの慰霊碑の向こう側から、気だるげだが威嚇を含んだような声が聞こえて来た。
「久しぶりね武蔵、私の事覚えてる?」
神風が親しげに話しかけると、慰霊碑の影からノソリと大柄な女性が姿を現した。
褐色肌に銀髪、ツインテールにツリ目に眼鏡、なんだこの属性てんこ盛りな女は、胸などサラシを巻いてるだけではないか。
街中で見たら完全に痴女だぞ、私もあまり人の事は言えんが。
「ああ、たしか……。鴨風……だったか?」
何とも面倒臭そうだな、ツリ目も垂れ下がってタレ目のようになってるではないか。
「神風よ!何よ鴨って!ネギでも背負って来いっての!?」
鍋もいるんじゃないか?たいして旨い出汁はとれなさそうだが。
「ああそうだ……神風だ神風……内地に帰ったんじゃ……何をしに来た?」
「貴様を迎えに来たんだ武蔵。私達と一緒に内地に帰ってもらうぞ。」
憤慨している神風を左手で制して代わりに私が答える。
このような腑抜けた奴が私より性能が上の戦艦とは認めたくはないが、こちらも命令で来ている以上意地でも連れ帰らなくてはならない。
「誰だ……?そのコスプレイヤーは……。」
それを言ったら艦娘のほとんどはコスプレイヤーだ!お前も人の事は言えないだろう!
と、ここで怒ってはいけない、私は神風と違って冷静沈着なのだ、ここは戦艦の先輩として威厳のある態度で接しよう。
「貴様の先輩に当たる長門だ。名前くらいは聞いた事があるだろう?」
「あ~知っている……。たしか駆逐艦より弱い戦艦だろ?」
くっくっくと挑発するように武蔵が笑う、たしかに私は神風に勝ったことがないし演習とは言え朝潮にも負けた。
だがこの二人は駆逐艦でも規格外の技術を習得している、この二人に負けた事を私は恥じるどころか誇りにすら思っているのだ。
貴様のように惰眠を貪っている戦艦に笑われる筋合いはない!
「確かに私は駆逐艦より弱いさ。だが、貴様はその私より弱そうだが?」
武蔵の目が一瞬吊り上がる、癇に障ったか?だが事実だ、私は貴様に負ける気がまったくしない。
感だけでそう思っているわけじゃないぞ、貴様の体からは訓練をしてきた様子が一切見えない、神風の言う通り本当に惰眠を貪っていたようだな。
「ふん……そうだな……私は弱いさ、だからあまりイジメないでくれ先輩。弱い私は睨まれただけで泣いてしまいそうだ。」
隣の神風から飛び掛かるのを必死で我慢しているような気配を感じる。
駆逐艦が下に見られて腹を立てたか?
「長門、悪いけど先に帰るわ。コイツがここまで腑抜けだとはさすがに思ってなかった。いっそ解体して艤装だけ持ち帰った方がいいわ。」
腑抜けね、確かに見ただけでわかるほど堕落仕切っている、お前はこうゆうタイプが一番嫌いだったな。
「わかった、私はもう少しこの後輩と話をして帰るよ。」
私がそう言うより早く、神風がドスドスと山道を降りて行っていた。
手を出さなかったのが不思議なくらいだな、一応は命令を遂行するつもりがあると言う事か。
「で?私にまだなにかあるのか先輩……。私にはないのだが……。」
「貴様の返事をまだ聞いていない。私達と一緒に内地に戻る気はあるか?」
「ない。私はここに居続ける。」
さっきまでの気だるさが何処かへ吹き飛んでしまったかのようにハッキリと答えたな。
もっとも、素直に『はい』と言うとは思ってはいなかったが。
「そうか、わかった。」
私は踵を返して山道に向かい始める。
武蔵がどんな奴なのかはわかった、清霜と武蔵の関係を調べて対策を練るとしよう。
ここで、これ以上の問答は時間の無駄だ。
「待て先輩。意外とアッサリ引き下がるんだな。」
「……説得して欲しいのか?」
私は顔だけ振り返り、武蔵にそう言い返した。
武蔵の表情に変化はない、なぜ呼び止める?
説得して欲しそうには見えない、だが違和感がある……。
そもそも、艦娘ではなく一般職員として残れば内地へ呼び戻される事もないだろうに、なぜ武蔵は艦娘を続けている?
元戦艦ならある程度は勤務地の希望も通るはずなのに。
そうだな……ここを離れたくはない、だがそのままで良いとも思っていないと言ったところか。
ならば腹芸は得意ではないが、少し揺さぶってみるとしよう。
「今の貴様を見続けねばならない清霜が哀れでならないな。貴様はいつまで清霜を裏切り続けるつもりだ?」
「な!?お前がなぜ清霜の事を……。」
表情に明らかすぎる動揺、貴様がここを離れたくない理由が清霜であることは明白だな。
「心配するな、貴様と清霜の関係など欠片も知らん。貴様が着任してから戦死したのが清霜だと言う事しか私は知らない。」
「ならばなぜそんな知った風な口を叩く!お前に清霜の何がわかる!」
おっと、今にも殴りかかって来そうだ。
別に殴り合いをするのは構わないが私は艤装を背負っている、艤装なしの貴様では勝ち目はないぞ?
「私には清霜が何を思っていたのはわからない。だがな武蔵、貴様が清霜の事を憎からず思っていたことは今の反応でわかった。」
「ち、違う!私はきよ……駆逐艦など嫌いだ!私の都合などお構いなしに纏わりついて来る駆逐艦など……私は……。」
貴様は嘘をつくのが下手だな、今ので清霜が貴様をどう思っていたのかもわかった。
もう少し踏み込んでみるか。
「清霜は、貴様に憧れていたのではないか?そしてこれは私の予想でしかないが、清霜は貴様を庇って……。」
「言うな!」
私の言葉を武蔵が遮る、どうやら当たりらしい。
貴様は罪の意識からここ居続けてるのか、このままではダメだと思いつつ。
「武蔵、貴様はなぜ今も艦娘続けている?」
「そ……それは解体の許可が下りないから……。」
「解体の許可が下りないから?笑わせるなよ武蔵、横須賀からの異動命令を散々無視していた貴様が解体の許可は律儀に求めるのか?嘘をつくならもう少しマシな嘘をつけ!」
武蔵が少し後退る、貴様の気持ちはよくわかるぞ。
いや私でなくともお前の気持ちはわかる、『仲間に庇われて命拾いした者』など、今の時代掃いて捨てるほど居るのだからな。
「お前に……お前に私の気持ちなど……。」
「そうやって悲劇のヒロイン気取りか?生憎だが貴様と同じ境遇の者はいくらでも居るぞ?」
「だから何だ!まさかソイツらは立ち直ったから私にも立ち直れとでも言うつもりか!」
言うわけがないだろう、そういう奴らに言葉など無意味だ。
だがそういった奴らの行動は、大きく分けて二通りに分かれるのを私は知っている。
一つは戦場から去る者、コレには自決も含まれる。
そして、もう一つは理由を探す者だ。
貴様は後者だな、理由の大半は復讐もしくは仇討、こんな戦艦の出番が殆どない場所に居るせいで、貴様はそのありきたりな理由すら見つけられずに燻っている。
清霜を言い訳に使って。
背中を押してやる者が必要だな……。
だが、それは私では無理だ。
「おい!何とか言ったらどうなんだ!」
半年以上こんな所に居る割にこらえ性のない奴だ、今のお前には何を言っても無駄だ。
「貴様に言うことなど
「今は……だと?」
私は呆気にとられている武蔵を置いて山道を下り始めた。
敵の大艦隊でも攻めて来てくれれば話は早いんだが……。
「我ながらシャレにならないことを考えてしまったな……。」
神風に影響でもされたんだろうか、いくら武蔵を連れ帰るためとは言え朝潮達を危険に晒すような……。
そうだ朝潮だ……。
「いかん……私としたことが大事なことを忘れていた……。」
そこまで考えて、私は大事なことを忘れていたことに気づいた。
タンカーの中はもちろん、降りてからの航海中もずっと我慢に我慢を重ねてやっと念願叶うと思っていたのに。
朝潮は今、風呂に入ってるんじゃないか?
日中、丸々移動に費やしたんだ、きっと全身汗だくのはず。
なら当然、艤装を降ろした後は風呂に入る!
ここの浴場は艦種別になってないはずだ!
「クソ!まだ間に合うか!?」
ここの司令と話した時間と慰霊碑までの移動にかけた時間、更に武蔵と話した時間を合わせると二時間は軽く経っている!
それプラス今から基地までの移動時間が加われば絶望的ではないか!
「いや、希望を捨ててはダメだ!先に飯を食べた可能性もある!」
私は基地への坂道を全速力で駆け下り、ショートカット出来そうな所は迷わずショートカットし風呂場を目指す。
武蔵の事など今はどうでもいい、奴は言葉で言ったところでどうにもならないのだから。
今の私の最優先事項は朝潮との入浴!ここなら提督に邪魔される事なく朝潮とイチャつける!
そうだマッサージもしてやろう、朝潮を悦ばせる自信はある!
それが終わったら一緒の布団で寝よう、東南アジアの暑さなど私と朝潮の愛の炎で吹き飛ばしてやる。
「待っててくれ朝潮!今すぐに行く!」