『さっきから五月蠅いぞ!私と朝潮の逢瀬を邪魔する雑音を放っているのは何処のどいつだ!!』
どうせ逢瀬を重ねるなら司令官とがいいです、貴女とデートしてるつもりはまったくありません。
ドン!
私は明後日の方向を向いて激高している窮奇に向かって砲撃、少し装甲を抜いたかな?右頬を起点に少し窮奇が少し仰け反る。
『ごめんねぇ朝潮ぉ!怒らないで?五月蠅い奴に少し注意しただけだからぁ♪』
うわぁ……なんでダメージ受けて逆に悦んでるんです?まるで私が居るのに他に気を逸らす貴女に怒った私が平手打ちしたみたいな感じになってるじゃないですか。
本気で気持ち悪いからやめてください。
満潮さんと別れて数十分、会敵してからずっとこんな調子です。
窮奇が撃つ砲弾を私が躱しながら距離を保ち続け、隙を見つけては攻撃してるんですが……。
窮奇は私の攻撃が当たるたびに歓喜の声を上げています。
私のような年端も行かない少女が好みで痛いのが大好き、この戦闘で窮奇はかなり特殊な変態だと再認識しました。
本当に気持ち悪い。
『もう!またそんなに離れて!どうしてそんなにいけずなの?』
だって身の危険をビンビン感じますもん。
命の危険はもちろんですが、私の貞操が激しく危険です。
って言うか口調変わってません?もしかしてそっちが素ですか?
相変わらずの全周波通信、ただし今回は私に指向性を持たせて話しかけてきてます。
他の人に聞かれないのはありがたいですが……。
背筋が凍りそうなほど気持ち悪いからやめてください。
『可愛いお尻……。早くそのお尻に思いっきり顔を埋めたいわぁ♪』
マジでやめてください!
もしかしてコレは新手の精神攻撃ですか!?
私を精神的に追い詰めるのが目的なんですね!?
でもお生憎様です!そういった類の言葉責めはながもんで慣れてます!慣れてますけど……。
『大丈夫よ?痛くしないから、一緒に気持ちよくなりましょう♪』
ヒイィィ!やっぱり無理!
やっぱり戦艦は異常です!異常性癖の人ばっかりです!
よかったですね!その精神攻撃は私に効果てきめんでしたよ!
て言うか、痛くしないとか言っておきながら主砲バンバン撃ってますよね!?
言っておきますけど、一発でもまともに当たったら痛いどころじゃなく即死ですから!
駆逐艦の装甲の薄さを舐めないでください!
「来るな変態!気持ち悪い気持ち悪い気持ち悪いぃぃぃ!」
ドンドンドン!
連装砲を連射しても構わず窮奇は突っ込んでくる、装甲は抜けてるみたいだけどダメージは微々たるもの。
距離は200くらいしか離れてないのに、装甲を抜くので『弾』がほとんど相殺されて窮奇まで砲弾が届ききらない。
『変態だなんて……心外だわ……私は普通よ!私はアサシオを滅茶苦茶にしたいだけよ!』
どこが普通ですか!
かなり訓練された変態ですよ貴女は!
そういう事は思ってても口に出したりしません!
殺意を覚えるほど気持ち悪いからやめてください!
『それともまさか……私以外に好きな人が居るの?浮気したの!?』
ええそうです!私が好きなのは司令官です、貴女じゃない!
だけど浮気じゃありませんよ?
私は貴女を倒すべき敵としか思ったことはありません!
『そうか……あの時言っていた『あの人』だな……。』
窮奇が航行を止め停止した、私も速度を徐々に落として窮奇を振り返り行動を警戒する。
あの人?私は貴女にそんな事を言った覚えはありませんが……。
もしかして先代がそう言ってたんですか?
『あの施設にいるんだな……お前を惑わす奴が……。』
窮奇の目つきが変わった……あの施設とはどこ?まさか、横須賀鎮守府?
『許さない……私と朝潮を引き離そうとする奴……私から朝潮を奪おうとする奴!』
「何を……するつもりですか?」
ゆっくりと私から背を向けようとする窮奇に、私は連装砲を向け問いかける。
答えなくてもわかる、窮奇は今から襲いに行く気だ。
「させませんよ?貴女はここで私と踊るんでしょ?」
コイツは横須賀鎮守府に向かう気だ。
司令官を襲う気でいる!
『今日は終わりだ、先にお前を誑かす害虫を潰す事にした。』
窮奇が不敵に笑う。
攻守が入れ替わってしまった。
追われて時間を稼ぐつもりが追わなければならなくなった。
ごめんなさい満潮さん。
こうなってはもう、時間稼ぎは無理そうです……。
「させないって言ってるでしょ!司令官の元には行かせません!どうしても行くと言うのなら!」
『言うのなら?』
大人しく私を追い続けてればよかったのに……。
気持ち悪くても付き合ってあげるつもりだったのに……。
貴女は司令官に牙を剥いた、私の司令官に。
「ここで沈めてやる!司令官に手を出せるものか!」
窮奇がニヤリと笑い私に再び向き直る。
あれ?もしかして乗せられた?
だけどもう止められない、私に火がついてしまった。
神風さんに毒されてきてるのかなぁ……。
『ふふふ……やっとその気になってくれたのね。嬉しいわぁ♪』
例え窮奇がこの間のようにトビウオで初速をカバーしても知れている、一気に接近して戦舞台でタコ殴りにしてやる!
「一発必中! 肉薄するわ!」
私はトビウオで急加速、対して窮奇は逆加速を掛け後進を始めた。
追いかけて来いって事ですか?
上等です!
ドン!ドン!ドン!ドン!
窮奇の砲撃、この距離じゃ着弾点を見極めてる暇なんてない。
私はトビウオで真横へ飛んで砲弾を回避し、着水と同時に窮奇に向け再度トビウオ。
戦舞台を仕掛ける前にあまりトビウオは使いたくないけど、この調子じゃ接近しきった頃にはガス欠になりそうね……。
ズドン!
窮奇が主砲を一斉射、私は仕方なくトビウオで左に飛んだ……。
飛んだんだけど……。
「あ、あれ?」
いつもより飛距離が長い、それに着水してからさらに左に体が流された、どうして?
「そうか……波……。」
昼間降っていたスコールのせいで島に向かう波が高くなってる、だから左に飛んだトビウオの飛距離が伸び、着水時に体が流されたんだ。
「それならば!」
私は喫水を浅くして脚を出来る限り平坦にする、これだけ波が高い海域じゃ波に翻弄され、下手をすると転覆しかねない危険行為。
だけど、今の私はその場合の動き方を知っている。
私は『波乗り』の仕方を知っている!
ドン!
窮奇が右手に持った副砲で私を狙って砲撃。
私は窮奇の方を向いたまま、推力は変えずに『脚』だけやや左に向けて、私に向かって打ち寄せて来る波を『脚』の左舷で受け流し、窮奇を中心にコンパスで円を描くように砲弾を回避した。
そういえば、ボートレースを見ていた時に司令官が言ってた『モンキーターン』って言う旋回方法に見た目だけなら似てなくもないわね。
『アハハハハハハハ!凄い!凄い凄い凄い!そんな避け方もあるのか!』
やったのは初めてですけどね、やってみると意外に出来るものです。
ドン!ドン!
私は砲撃で窮奇の視界を塞ぎ、窮奇の船尾を撃って速度を落とさせ、窮奇の砲撃は『波乗り』で右へ左へと振り子のように躱して距離を詰める。
「ここからなら!」
窮奇までの距離は約50メートル、私は稲妻二回で窮奇の右前方へ一気に近づき左右の魚雷発射管から二発づつ、計四発の魚雷を発射して左前方へ稲妻。
窮奇の後ろを取った。
ズドーン!
『くぅ……!』
四発の魚雷が窮奇に直撃。
けど、装甲は抜いたものの艤装の右腕で防御され、窮奇の右半身を若干焦がす程度に留まった。
「これくらいで倒せるなんて思ってない!」
私が戦舞台を発動しようとした時、窮奇の艤装がおかしな動きをしてるのが目に入った。
不気味な大きな口がついた艤装が顔を私に向け、魚雷を防御した右腕を上に振りかぶっている。
「まずっ……!」
窮奇の艤装が腕を振り降ろし、『し』の字を描くように左から右へ振り抜いた。
「ぐ、うぅぅぅぅ!」
私は装甲を右へ集中、なんとか腕を受け止めることに成功はしたものの。
体重が軽い私に、私の体より太い腕の一撃を耐えることが出来る訳もなく、軽々と殴り飛ばされてしまった。
右腕の感覚がない、もしかして折れた?
「右腕が……動かなくったてぇ!」
バシュシュシュシュ!
私は吹き飛ばされながら魚雷発射管だけを窮奇に向け、残りの全弾を発射。
窮奇も私に副砲を向けている。
ドン!
直後に窮奇が発砲。
装甲は間に合う?今『脚』はいらない、着水の事なんか考えなくていい!間に合わなければ死ぬ!間に合え!
『刀』を応用してすべての力場エネルギーを装甲として展開。
窮奇の姿が霞んで見えにくくなるほどの厚さとなった装甲が私と窮奇を隔てる。
ドドドーン!!
私に砲弾が直撃し、窮奇にも魚雷が直撃する。
衝撃と痛みで意識が飛びそう……。
だけど気を失うわけにはいかない、まだ仕留めたか確認できてない!
私は吹き飛びそうになった意識を引き戻し、着水して窮奇を睨みながら被害状況を確認する。
右腕は……ダメ、動かない。
今は興奮しているせいか痛みはないけど、たぶん折れてる。
装甲を抜けた爆風と砲弾の破片で制服の胸とスカートが引き裂かれ、他にもあちこち火傷や裂傷がある。
一発で中破まで追い込まれた、こんなみっともない姿、司令官には見せられないわね。
「でもまだ、まだ戦闘は続行可能です!」
私は左手の連装砲を窮奇に向ける。
窮奇に着弾した魚雷の煙はまだ晴れていない、仕留めた?
いや、アイツがあれくらいで倒せるわけがない。
「うふふふふふ……痛い……痛いわアサシオ……痛くて気持ちよくて……最っ高♪」
艤装の左腕で煙を払い、窮奇の艤装が姿を見せた。
私を殴り飛ばした後、そのまま窮奇の前面に回って盾になったの?便利な艤装ですね。
だけど艤装だけ見れば中破以上、肩にある主砲も使えそうにないくらい曲がってる。
艤装の影から姿を見せた窮奇自身も服があちこち破け、火傷と裂傷だらけ。
でも割に合いませんね、私は砲撃と魚雷を当てまくってようやく中破に持って行けたのに、貴女はたった一発で私を中破に追い込んだ。
「艦種の差を思い知らされますね……。」
だけど負けるわけにはいかない。
魚雷、次発装填開始。
『脚』は……問題ない、左の連装砲も大丈夫。
「貴方はここで沈める!司令官のために!」
ズドン!
私が窮奇に突撃を再開しようとした瞬間、長門さん達が戦ってる方から物凄い音が轟いて来た。
まさに轟音、間近で聞いてきた窮奇の主砲の音よりも大きく聞こえる。
「なんだ……今のは……砲撃音?」
窮奇が長門さん達が居る方を見て驚愕の表情を浮かべている、今のが砲撃音?あっちに居る戦艦は長門さんだけのはず、他にあんな音が出せそうな人なんて……。
まさか武蔵さんが戦場に?
「あり得ない!あんな砲撃、私や渾沌でも出来はしない!それを艦娘ごときがやったと言うのか!?」
窮奇が私の存在も忘れて水平線の向こうを見つめている。
何が起きてるの?私の角度じゃないが起きてるかわからない。
ピー
発射管が装填が完了したことを告げて来る、窮奇は停止中、しかも他所に気を取られてる。
今が好機!
「魚雷全弾発射!」
バシュシュシュシュシュシュシュシュ!
「なっ!?」
窮奇に向けて射線を絞った八発の魚雷が窮奇に迫る、艤装はすでに窮奇の後ろ、定位置に戻ってる。
このタイミングなら回避もまず無理、仕留めた!
ドン!
左の方から砲撃音!?
あっちから来るとしたら満潮さんかネ級だけど、駆逐艦の砲撃音じゃない。
じゃあ撃ったのはネ級?満潮さんはどうしたの!?
ズドオオオオォン!
魚雷が窮奇に直撃……してない!
当たる前にネ級の砲撃が魚雷の一つを貫き全て誘爆させた。
窮奇が停止してるのをいいことに射線を絞ったのが裏目に出た!
「な……なにが……。」
窮奇が面食らって右を向く。
「き、貴様!なぜここに居る!また邪魔をしに来たのか!」
窮奇の視線の先にネ級の姿があった、やはり私の雷撃を邪魔したのはネ級だったのね。
ぱっと見で中破くらいまで損傷してる。
満潮さんの姿が見えない……。
まさか、満潮さんはネ級に……。
「申し訳ありません!ですが想定外の事態が……。我が方の艦隊が全滅しました!」
は?艦隊が全滅?じゃあ長門さん達が勝ったの?
「だからどうした!そんな事私には関係ない!」
「関係あります!窮奇様もあの砲声をお聞きになったでしょ?このままではあの砲撃を行った戦艦が艦隊を伴ってここに来るかもしれません!」
ネ級が窮奇を背にして、私を尻尾の主砲で威嚇するように立ちふさがる。
今の状態でこの二隻を相手に戦う?
ここまで窮奇を追い込んだのにまた逃がすの?
「そこをどけ!私と朝潮の邪魔をするな!」
「いいえ、どく訳にはいきません!よろしいのですか?このままではアサシオを仕留める前に敵の艦隊に討ち取られかねないのですよ?艦隊が来る前にアサシオを仕留めたとしても、その後で敵艦隊に屠られるだけです!それがお望みですか!?」
窮奇の顔が葛藤で歪む、逃げるつもりですか?
させませんよ?貴女はここで沈めます!
「やめなさい朝潮!」
私が突撃しようと前傾姿勢を取ろうとしたら、ネ級と同じ方向から満潮さんがフラフラと近づいて来た。
私と同じように服があちこち破れ、頭からは血まで流してる。
中破以上は確実だ。
「満潮さん!無事だったんですね!」
私は連装砲を窮奇たちに向けたまま満潮さんの元までゆっくりと移動、満潮さんをここまで追い詰めるなんて……あのネ級はそれほどの手練れなの?
「これが無事に見える?今すぐぶっ倒れたいくらいよ。」
満潮さんが近づいた私を押しのけ私の前に出る、何のつもりですか?連装砲も構えずにネ級と見つめ合って。
「さっき、こちらの艦隊に連絡を取ったわ。10分もしないうちに来るそうよ。」
満潮さんが艦隊が到着するまでの時間を強調してネ級に伝える。
どうしてその情報を敵に教えるんですか!教えずに時間を稼げば窮奇を討ち取れるかもしれないのに!
「なぜ……それを私に教える……。」
窮奇ではなくネ級が応える。
満潮さんの考えてる事がわからない……これじゃまるで……窮奇を逃がそうとしてるみたいじゃないですか。
「アンタと私は考えることが一緒、これが答えよ。」
「……そうか……わかった。窮奇様、東に向け撤退を。潜水艦に退路を確保させてあります。」
ネ級まで……その情報を知らずに追いかけていたら私を潜水艦の餌食にする事もできたでしょうに……。
「貴様……戻ったら命はない物と思え……。」
「はい、覚悟の上です。」
窮奇が私達に背を向け撤退を始める、ネ級は私達に砲を向けたまま、窮奇が遠ざかるまで私達をここに釘付けにする気かしら。
「駆逐艦……お前の名は?」
「満潮よ……。アンタは?」
「私に名はない、好きに呼べ。」
「あっそ、じゃあネ級って呼ばせてもらうわ。」
何を呑気に自己紹介し合ってるんですか、今なら潜水艦と合流される前に窮奇を仕留められるかもしれないのに。
「礼は言わんぞ。次に会った時は必ず沈めてやる。」
「それはこっちのセリフよ。って言うかアンタって、帰ったら窮奇に沈められちゃうんじゃない?」
「ふ……そうかもな……。」
砲を下げ、ネ級が撤退を始めた。
ネ級まで見逃すつもりなんですか?
満潮さんにその気がなくても、私だけで!
「やめろって言ったでしょ!大人しくしてなさい!」
「でも!」
「デモもヘチマない!アンタ自分の体の状態わかってる?そのまま行っても良くて相打ちよ?」
相打ち?それが何だって言うんですか、アイツを仕留めるためならそれくらい当然です!
「上等じゃないですか!窮奇を仕留められるなら相打ちく……。」
パシン……。
頬に鋭い痛みが走った、満潮さんに平手打ちされた?
どうしても私の邪魔をしようと言うんですね……。
だったら満潮さんを押しのけて行くだけです!
「アンタ、死体になって司令官の所に帰る気?」
「そ……それは……。」
そうだ……相打ちじゃ司令官との約束を破る事になる……。
私は何があっても生きて帰らなきゃいけないのに。
「アンタは司令官の心を守りたくて、剣になる事を誓ったんじゃないの?」
「わ、私……でも……窮奇が鎮守府を襲うって……司令官を……だから私……。」
頭にすっかり血が昇っていた……司令官との約束を蔑ろにして、自分の感情を優先してしまっていた。
「帰りましょ。きっと次があるわ……。」
「はい……。」
自分のバカさ加減に嫌になる、約束だなんだと言っておきながら自分の事しか考えてない……。
「泣くんじゃないの。足止めには成功、艦隊は大勝利なんだから。胸を張って帰りましょ。」
「あ゛い゛…………。」
うつむいて涙を流す私頭を抱き寄せて、満潮さんが慰めてくれる……。
いつもの甘い匂いじゃなくて血と硝煙の匂い……。
きっと私より重傷だ……。
こんな状態の満潮さんを置いて、私は行こうとしてたのか……。
「それにしても、嫁入り前の娘なのにみっともない恰好ね。上も下も下着が丸見えじゃない。」
嫁入り前って……私がお嫁に行けるのは最低でも3年近く先ですけど……。
「み、満潮さんだってそうじゃないですか……。」
「私は手で隠せるくらいだから平気よ。アンタ、右手動かないんじゃない?どっち隠す?上?下?」
そうだった!どうしよう……泊地には男性の職員もいるし……。
「満潮さんのスカート貸してください!」
「はぁ!?バカ言ってんじゃないわよ!私がスッポンポンになるじゃない!」
「いいじゃないですか!減るもんじゃありません!」
司令官以外の男性に下着を見られるなんて絶対嫌です!
意地でも満潮さんのスカートを剥ぎ取ってやる!
「いや減るでしょ!スカートが!物理的に!」
「大丈夫です!泊地に満潮さんの下着姿を見て興奮する人なんてきっといません!」
「それどうゆう事?私が幼児体型だから?アンタも大差ないでしょうが!」
「いえいえ、確かに胸は大差ないですが私は司令官のものです、司令官以外の男性に見せる気はありません!だから脱いで!さあ!」
「頭来た……このまま長門さんのところまで引っ張ってやる!よかったわね、きっと喜んでくれるわよ!」
ちょっと待ってください、それはよろしくないです。
今の状態じゃ逃げきれません、なされるがままです。
味方にも窮奇みたいなのが居るのをすっかり忘れてました!
「それはやめてください!激しくまずいです!」
「うっさい!私が時雨に襲われた時と同じ恐怖を味わえ!」
思い出したように痛み出した体の事など気にせず騒ぎ、私達はその場を後にした。
ながもんに戻ってるであろう長門さんに襲われる恐怖に怯えながら。