evangelion×fleet girls sequels ~BLESS FOR HOPE DRIVERS~ 作:イミテリス紫音
「我ながら不思議なんだよね。あれだけ艦娘さんのことが怖くて怖くて怯えてたのに、いざ建造、ってなったら急に霧が晴れたみたいになって、さ……来てくれたのが電ちゃんだったから、だと思うんだ――変なこと言ってるなあ、って自覚はあるんだけどね」
「そうか、それは良かったな」
とまあ、碇シンジが
「あー、なんだ、その……今回、初期艦が来てくれなかったやつは、まあ……その……諦めずに引き続き頑張ってくれ。腐るんじゃねーぞー」
「うう……」
「はいそこ早速ゾンビみたいな唸り声あげない!ったく、腐るなといった途端にゾンビになってやがる……」
碇シンジのように初期艦と邂逅できた者が多数ではあるが、しかしそれが出来なかった者もそれなりにいる。
「諸君、申し訳ないが海に出るのはまだまだ当分先だ」
「そんな!」
「あと2週間で、4人編成できるようにしておけ。まだ初期艦いないお前らも今ならまだ間に合うぞ、急げ!あと、2週間たたなくても、4人以上になったら俺達教官のところに来い、陣形と戦闘の稽古をつけてやる!以上!」
「うおおおおお!」
「まだだ、まだやれる!」
「早速ゾンビが生き返ってんよ……あ、4人揃わなくても戦いに身を投じたいやつは俺のところに来い、あるいはいいことがあるかもしれねぇぞ?」
●
「というわけで、あと3人か……どうしようね?」
「電が思うに、まだ碇司令官さんのところの艦娘は、まだまだ数が足りないのです」
「そりゃそうだよ、まだ電ちゃんしかいないんだから」
「なので、まずはあと3人、建造するのです……といっても、資源が足りないのです」
「それなら、確か大淀さんのところに行くといい、って教官が言ってた。細々としたおつかいさせてくれるって」
「なるほど、それで資源を稼ぐのです?」
「そう、それで――少しは懐が暖かくなる……といいなぁ」
「あと……駆逐艦だけでは流石に限界があるので、巡洋艦も1人いるとだいぶ楽になると思うのです」
「……あれ?」
「どうしたのです?」
「いや、戦艦とか空母とか潜水艦とかの話は全然出てこないなあ、ってちょっと意外だったから。――というわけで、」
いきなり頭を下げた。
「司令官さんが部下に頭を下げちゃだめなのですよっ!?」
「正直、僕は……海戦のことも軍艦のことも、深海棲艦のことも艦娘のことも全く知らない。電ちゃんのことだって、まだわかってないんだ、優しくてしっかりしてる素敵な女の子だってこと以外は。だから――僕に教えてほしいんだ、どうすれば、電ちゃんに相応しい提督になれるのか」
「もうなってるのです」
「ふえっ!?」
「相応しいと思ったから、ともに響き合えると思ったから、安心して碇さんのところに来たのです!」
「ありがとう、電ちゃん――一緒に頑張ろうね」
「はいなのです!――じゃあ、早速溶鉱炉に行くのです!」
「行動早っ!」
「思い立ったら吉日なのですっ」
●
「はつでーとがようこうろはかんしんしませんね」
「おとめごころのわからぬやつめ」
「えっと……戦力増強のために建造しにきました」
「このうわきものぉ」
「ひとりではまんぞくできないってかぁ」
「にやにや」
「くっ……うるさいよ!まだそんなんじゃ……」
「ほう!いまは、
「ええ、ききましたとも!」
「えっと……資材と!あと……キャラメルもっ!どど、どーぞっ!」
「ちょっとボーキが多いような気もするのです」
「ほう、これはなかなか」
「あっま〜い」
「きゃらめるはかつりょく、まちがいない」
「みなぎってきたぜ」
「これがたいしょうのあまみ……」
「えっと……まだ、あるからね?」
「みなさんききましたか」
「いよっふとっぱら!」
「さあ、のぞみをいいなさい」
「きくだけになっちゃうかもだけどねー」
「電ちゃんと仲良くやっていける娘に来てほしいです!できれば3人来てほしいです!妖精さん……」
「せーのっ」
「「よろしくお願いします!!」」
「「「「まっかせっなさいっ」」」」
溶鉱炉が光を放つ――
「しまった、これはしっぱい」
「あ〜あ」
「えっと……電です、よろし……」
「同じく電なのです、碇司令官の初期艦なのです」
「えっ……またぁ!?」
「こんなのはじめて」
「どうするべ」
「これは……しょうがないですね、後から来た電は一旦普通の女の子に戻るのです」
「えっ、どうやって?」
「まず艤装は外して……ああ、解体すれば資材になるし、先に来た電の艤装の強化にも使えるはずなのです」
「じゃあ、電ちゃんはどうするの!?戸籍とか!名前とか!働き先とか!色々あるでしょ!?」
「心配はいりませんよ」
「霧崎教官……えっと、この娘はどうなるんですか」
「彼女に限らず、あなたの初期艦の方の電にもいえることですが……戸籍を作り、再教育を……つまり、今の世界で生きていくために必要なことを教えるわけですね、彼女たちの記憶と今ではあまりにも違いが大きすぎるので……まあ、彼女たちも今を生きる覚悟を持っていることは、彼女たちの存在が証明していますから」
「……それって?」
「そもそも、当時アイドルやスマホはありませんよね?しかし彼女たちは時にアイドルを自称し、またスマホを持つ子もいる」
那珂や伊168のことである。
「彼女たちは……艦娘は、単にかつての軍艦の蘇り、であるだけではないのですよ」
「ありがとうございます、でも……戸籍ってかんたんに作れるものではないと思うのですが……」
「ええ、その通りです。特に艦娘の場合、父母がいないため、本来なら裁判所に就籍の申し立てをすることになる、のですが……これだと時間がかかり過ぎますのでね、そこでISOMCAPでは国際的に、艦娘に関しての戸籍登録の簡略化が進められてきました」
「……艦娘建造報告書って、そのためのものでもあるんですね」
「確かに、電を建造したあと、書類を書いていたのです」
「ええ、そうです……あと、再教育についてですが、これは連隊長に相当する階級以上の提督が運営する鎮守府……もしくは、ワダツミのような提督養成機関に在籍しながら行います」
「そして、このようなケースの場合では、彼女は……艦娘候補生、という形で、我々のもとで準備をします。具体的には、我々の手伝いですとか、スタッフとか、そういう形になりますね」
「なるほど」
●
「さあふたりめよ」
「一人目も、普通は大成功なんだけどね……ごめんね?」
「おきになさらず」
「2人目は誰だろ」
「とっても楽しみなのです」
「じゃじゃーん」
「さあみなさん、ごいっしょに」
「せーのっ」
「お願いなのです!」
「いい子が来てくれますように!」
溶鉱炉から、光が……
「あれ?」
「ざんねーん」
「建造……失敗なのです?」
「でも、光が小さくはなったけど、消えてはいないよね」
「かんむすはきませんでした」
「でもかわりにそうびつくったので」
「ぜひつかってほしい!」
――コトン。
「あっ、出てきた!」
出てきたのは――
「12.7mm単装機銃とドラム缶なのです!」
「よかったね電ちゃん」
「とってもありがたいのです」
「さあこんどこそせいこうなるか」
「お、おおっ、これはすごいぞ」
「うまくいかしてあげてね」
「すごい……光が眩しい……!」
「これは……素敵な光なのです……」
「そらをせいするつばさ」
「そのはじまりをかのじょはしっている」
「しんじんさん、いらっしゃ〜い!」
溶鉱炉から光が溢れ出す―――!!
「航空母艦、鳳翔です。ふつつか者ですが、よろしくお願い致します」
「あっ、ええっと……碇シンジと言います、こちらこそよろしくお願いします」
「電なのです、よろしくお願いします」
「これから共に歩んでいきましょうね、碇提督」
「よろしくお願いします、鳳翔さん」
「さて、これからどうしましょうか」
「えっと……出来れば、早いうちにあと二人、と思ったのだけれど……」
「なにをいってるのやら」
「まったくです」
「さんにんもいればなんとかなる」
「しんちょうもすぎるとどくなのよー」
「え……えっ?」
「司令官さん、覚えてないのです?教官さんはこうも言ったはずなのです」
「えっと……なんだっけ、『早速ゾンビが生き返ってんよ……』だっけ」
「大事なのはその後なのです、『4人揃わなくても戦いに身を投じたいやつは俺のところに来い、あるいはいいことがあるかもしれねぇぞ?』と言っていたはずなのです」
「でも、やっぱり安全マージンは大きくとっておきたいんだ、流石に2人だと色々と取れる作戦も限られてくるし……」
「鳳翔さんは航空母艦なのです、そして航空母艦は長距離中距離から艦載機で攻撃できるのです」
○
「……アツイ…ノォ? アツイ……デショオ…!?」
「ナンドデモ…ミナゾコニ…シズンデ…イキナサイッ……!!」
●
「うん……あれは本当に怖いよね……」
「司令官さん、顔真っ青なのですよ!?」
「えっと……敵の艦載機を撃ち落とすのって誰が得意なのかな……?」
「基本的には航空母艦の艦載戦闘機や、航空巡洋艦、水上機母艦の水上戦闘機により敵方の艦載戦闘機を撃墜しつつ制空権の確保、加えて駆逐艦や巡洋艦による対空射撃にて敵方の攻撃機や爆撃機の撃墜、といったところでしょうか」
「――えっ……待ってよ鳳翔さん、鳳翔さんが何を言っているのか半分しかわからないよ!とりあえず艦載機同士での撃墜と海から空への対空射撃の2つがあることはわかったけど……」
「細かい所は少しずつ覚えていきましょう」
「はい……」
「話を元に戻すのです。あと何回か建造をするとして……資源は大丈夫なのです?……あっ」
「どうしたの?」
「……よく考えたら、電を建造するときも資源は必要なはずなのです、それはどうやって集めたのです?」
「遭難していた頃の変な魚の食べ残し……血を飲んだだけだから飲み残し?それをワダツミの研究者に渡したら、それなりの資源を貰えたんだ」
「その……変な魚、って?」
「何って、イ級の死骸、だけど」
「……倒したのです!?」
「いや、僕が見つけた時にはもう死んでたんだよね、多分女の鬼?みたいなのの巻き添えを食らったんだと思うけど」
「……それ、他の人には?」
「言ってない、そんなおとぎ話みたいな話信じてもらえるわけ……」
「「「われらようせいさんのたちばは」」」
「それを言うなら電たち艦娘も大概ふぁんたじい、なのですよ……そんなことより、それ、とっとと偉い人に言うのです!今すぐに!」
「えっ、何で」
「いいから早く報告するのです!今すぐに!」
「ええ、これは一刻を争う事態ですよ!?」
「2人とも怖い……!分かった、報告するから!ついてきて!」