evangelion×fleet girls sequels ~BLESS FOR HOPE DRIVERS~   作:イミテリス紫音

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第四話 Learn, learn, learn/未知を味わえるのは最初だけ@二〇一八年四月

ワダツミ上層会議室は紛糾していた。

 

「鬼だぁ!?」

 

「有り得ない……有り得ないぞ……」

 

「鬼だと……姫だと……」

 

「どうやって生き残ったんだ!?」

 

「井伊雁さん、貴方が知らないのも無理はない……まだ着任してから1か月の提督が鬼級と出くわすなど滅多にないことなので、まだ教えていませんでした……本来なら、3か月ほど提督業務を行ってから、鬼級、姫級について教えるつもりだったのですが……」

 

「鬼級、姫級、ですか……?」

 

「深海棲艦の中でも、特に強い人型実体を鬼級や姫級と呼称します。通常の深海棲艦よりもはるかに強く、特に最深部にいるものは、過去多くの犠牲を払い、ようやく撤退できる、というものでした」

 

「そんなに……」

 

「ああ……私も一度しか見たことはない、が……一人も轟沈させずに帰れたのは運が良かったとしか……」

 

「井伊雁君、聞きたいのだが……君は、どうしてそこから生きて帰れたのかね?」

 

「……砲撃と爆撃を受けて、痛くて気絶して、気付いたら知らない天井だったので……多分、流されたんだと思います、参考にならなくてすみません」

 

「確かにこれではなんの参考にもならんわい」

 

「なんだ……単に運がよかっただけか」

 

「何という幸運の持ち主……やはり」

 

「――待て、普通攻撃喰らった時点で死ぬだろ」

 

「……あっ」

 

「どうしたのかね、井伊雁君」

 

「当たる直前にいつも目の前が一瞬オレンジ色になっていたの、もしかして……あ、いえ」

 

「言いなさい」

 

「……ごめんなさい」

 

「ふうむ……少しばかり確認の必要がある、か?」

 

 

「それは……本当なのか、シンジ」

 

「はい、光輝さん、……あと元貴さんも」

 

「そのオレンジ色に、心当たりは……ありそうな顔をしているな」

 

がん、がん、という音がどこからか聞こえるが、それを無視して初宮・ゴットヴァイス・元貴が問う。

 

「……あれ、たぶん……ATフィールドだと思うんです」

 

「「……それは一体」」

 

「使徒やエヴァが持ってる、バリアみたいなものです」

 

がん、がん、と――おそらくドアをノックしているのだろう――心なしか近づいているような気もするが――

 

「なるほど……にしてもうるさいな」

 

「でも、もしそれが本当にATフィールドなら、……僕は、もう」

 

「待て待て、貴様が使徒になった、というのは流石に飛躍が過ぎる」

 

「――一つだけ確かなのは、シンジ君、君は紛れも無く……『提督』だ、ということだ」

 

「……はい」

 

がん!がん!

 

「さっきからうるさいと思っていたが、ついにここにも来たか……何者だ」

 

 

 

「井伊雁司令官麾下、暁型駆逐艦四番艦、電なのです!司令官さんを探しているのです」

 

 

 

「ああ、ごめんね、ちょっと報告とかあったから……」

 

「了解なのです」

 

「鳳翔さんは?」

 

「ワダツミの大淀さんのところなのです」

 

「ありがとう、今から僕たちも行こうか――元貴さん、光輝さん、ありがとうございます」

 

「どういたしまして」

 

「俺にとっては容易い事だ、またいつでも来い」

 

 

「はい、建造及び開発の成果を確認いたしました。建造研修任務、開発研修任務、完了です!」

 

「ありがとうございます」

 

「それで……これからどうするおつもりですか?」

 

「数をもっと増やしたいんだよね……出来れば30人」

 

「……」

 

「……え?」

 

辺りを見回すと、かなりの数の提督――そして艦娘たちも――が一様にため息をついていた。

 

「え、ええ!?だって、数が多ければ」

 

「それじゃあ駄目なんだ、奴ら艦娘の気配に敏感らしくてなぁ……6人までならまだ何とかなるんだが、7人超えると大抵の深海棲艦は姿を見せなくなっちまうのさ」

 

「で、でも、深海棲艦の方はいっぱい……」

 

「奴らは奴らで、何しろ元が怨念だからなぁ……集まりすぎると共食いしやがる、だから大抵5、6隻に落ち着く……例外は鬼級や姫級だぁな、あいつらは統率力に優れているのか連合艦隊を率いて来やがる……つってもたかだか12隻が限度らしいが」

 

「そう、だったんだ……」

 

「ちなみに鬼や姫ともなりゃあ多少艦娘が増えても捻り潰せる、とでも思ってるのかは知らんが……こちらも12人までは何とか出せるようになる、ことも多い……あと、後から支援艦隊送ってもそれは含まれないらしい、あくまで一度に多くの艦娘を送ると警戒するらしいな」

 

「あと、戦艦や空母を多く入れると警戒して姿を隠す奴も多い……気を付けな」

 

「あ、ありがとうございます……」

 

「そこで駆逐艦や巡洋艦ですよ、奴らは戦艦や空母、水母(すいぼ)や雷巡に気を取られてつい見逃すが、駆逐艦や巡洋艦は夜戦になりゃ姫すら屠る、潜水艦を倒せるのも駆逐艦と軽巡洋艦ぐらいなものだ、対空だってこなしてくれる……というわけで井伊雁君、駆逐艦を今のうちから育てなさい、いいね?」

 

「はい!」

 

「いい返事だ……さて、ここまでのまとめだ。一つ、深海棲艦相手に数で押し切る戦略はとれない。二つ、駆逐艦と巡洋艦を意識して育てろ。そして三つ――一番大事な事を言い忘れていたが――大破したら撤退しろ、必ずだ、さもないと……君が艦娘を殺すことになる」

 

「……わかり、ました」

 

 

「とはいっても、さすがに2人は少なすぎるよね」

 

「報酬の資源をさっそく溶鉱炉に投げ入れるのですね……」

 

「ま、まあ、これで誰か来てくれれば色々できることが増えると思う、し……そうなれば、おつかいとかで資源を持って帰れるはずだし、ね……あっ、それで思い出した」

 

「何をです?」

 

「確か、2人いるから練習航海遠征が出来るようになるはずなんだ」

 

「遠征、なのです!?」

 

「そう、遠征。……といいつつ、今回は初めてだし、航海の練習らしいけど」

 

「――早速訓練なのです」

 

「ええ、そうしましょう。……ところで碇提督、旗艦は私と電、どちらにいたしましょうか」

 

「んーと……初めてだし、電ちゃんに旗艦をさせてあげたいかな」

 

「承知いたしました」

 

「ありがとうございます、感謝なのです」

 

 

「――井伊雁紫帆麾下、練習航海艦隊二隻の到着を確認」

 

接続振動(Linkage Vibes)計測開始」

 

「艦隊旗艦、電、接続振動(Linkage Vibes)01.05±00.15、損傷なし(Status Green)、航行可能です」

 

「2番艦、鳳翔、接続振動(Linkage Vibes)01.03±00.05、損傷なし(Status Green)、同じく航行可能です」

 

「艦隊内の全艦娘は補給済み、問題なし」

 

「量子ポータル接続シークエンス突入……接続完了」

 

「開きます」

 

「電ちゃん、鳳翔さん、――よろしくね」

 

「安心して待っていてほしいのです」

 

「ご心配には及びません、気を楽にしてください」

 

「艤装装着完了」

 

「装備確認は行いましたか」

 

「はい、しっかりと!」

 

電には主砲とドラム缶。鳳翔には艦上爆撃機と機銃。

 

(ごめんね……帰ってきたらもっと良い装備作るからね……!)

 

ともあれ、今持っている装備をすべて積み込み。

 

「出撃用意」

 

「元気で帰ってくること、いいね!」

 

「了解なのです」

 

「提督は心配性ですね」

 

「だって初めてだし……」

 

「それはお互い様なのです……では、行ってくるのです!」

 

 

 

艦隊抜錨(Weigh Anchor)――!」

 

 

 

「量子ポータル縮小、最小限の接続余地を残し出来うる限り遮断します」

 

「……信じなきゃ、だよね……それしか、もう出来ないものね……」

 

僕たち(チルドレン)を送り出すミサトさん達もこんな心持ちだったのかな)

 

かつて戦場の最前線で命を懸けていた自分が、今は後方で送り出す側に立っている……その事実に、気を抜けば目眩がしそうだ――

 

「……っと、今の間に出来ることしないとね」

 

 

15分後。

 

「ただいまなのです」

 

「ただいま帰りました」

 

「鳳翔さん、電ちゃん、おかえりなさい――こっちも二人に見せたいものがあるんだ」

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