最初の絶望は、七歳の頃のことだった。
世界中の人口の約八割が“個性”と言われる異能を持っているこの世界では、大体が四歳くらいに“個性”を発現させる。しかし、僕はその時期に“個性”が出現しなかった。無個性だと病院から通達された。だが、四歳というのはあくまで大体であり、それより遅く、または早く“個性”が出現する事も勿論ある。その可能性を信じていた僕も両親も、三年経ち僕が七歳になった時には流石にしびれを切らせて、目に見えない効果の“個性”なのではないかと、個性判別テストをもう一度した。
結果は、無個性だった。
両親は結果を告げられた途端、僕に抱きついて、「ごめんね、ごめんねッ……!」と必死に謝ってきた。僕には、何が何だか分からなかった。ただ、唯一分かった事は、
ーー僕が、“失敗作”だった、という事だ。
次の絶望は、十歳の誕生日の事だった。
『それ』は、恐ろしく強大で、そしておぞましいほどに冒涜的な、“僕の個性”だった。
ーー有り得ない。何故だ?何故、なんで、なんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなん、で?
こんな“個性”なんて僕は望んでいなかった。こんなことになるなら、僕は“個性”なんて要らなかった!
周りを見渡せば、その“バケモノ”を見てしまい、発狂してしまったニンゲン達。無個性だからと僕を苛めた同級生も、こんな僕を育ててくれた両親も、数少ない僕の友人も、皆、狂ってしまった。ーー羨ましい。僕だってそんな風に発狂していたかった。しかし、どうやら“カミサマ”はそれを許してくれないようで。僕は、僕だけは発狂する事がなく、ただ茫然と何もせずに、何もできずにその場を眺めていた。
『それ』は、まるでカミサマから誕生日プレゼントだとでもいうように、丁度僕の十歳の誕生日の日に発現した。待ち望んでいた、僕の個性! 何故か僕にはその事が分かった。そして僕は、今まで僕を苛めていた奴等を見返してやろうと、いとも簡単に、プレゼントのリボンをほどくようにその“邪悪”を解き放ったーー
ーーピピピピピ、ピピピピピ、ピピp、
「………ッ」
また、あの夢だ。僕はいつまで過去を引きずっているのだろう。
「……………はぁ」
重いため息を吐くのもいつも通り。
ーー僕は、いつまでこの夢を見続けなければいけないのだろう。それに、僕はあの日、あんな絶望に負けない程の希望を見たじゃないか。
さて、それじゃあ準備をしなくちゃ。ーーヒーローになるためのね。だって、あの人は
そんなことを考えながら僕は朝食を取り、服を着替え、準備をしたら、
「いってきます」
と、誰も居ない家に向かって言い、ヒーローを育成する学校ーー雄英学園に向かうのだった。
如何でしたでしょうか。少し駆け足気味になってしまいました……。
作者はどんなコメントでも受け入れるつもりなので、感想も批評も待っております。出来れば、アドバイスなども戴けたら幸いです。