とおりゃんせっ!   作:白ノ瞑想

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そして、世界のあらゆる惣菜パンはこの世の中から姿を消しました……
一人の少女の手によって!!
はい。とおりゃんせっ!
続きいきまーす!


焔の天然記念物(続2)

 現在、僕は学校へ登校している真っ最中である。

 晴れやかな天気。辺りを飛び回るかわいい小鳥たち。平凡な日常。

 今、その全てが当たり前にあることにやばいくらい感謝している自分がいる。

 さて……少し、さっきの状況をふり返ってみよう……

 

***

 

『あああああああ、やっぱり旨いですねこのパンというやつは!』

 惣菜パン各種を用意し終わったと同時くらいの勢いでいっきに消化していく少女。

 約15人前用意されたその惣菜パン達はどんどんブラックホールに吸い込まれるかのように少女の胃袋の中へ姿を消していっている。そんなハイスピードであごを動かし一気に食いまくっていく少女の図は正直いうと、かわいいとかそういう感想ではなく、『凄い食べるなぁ(唖然)』としかならないのである。

 少女の食欲は底がないのか、もう気づけばラスト1。残り一個というものになっていた。

「あ、ああ。お腹減ってるのかな?」

『お腹減ってるのなんのって、昨日食べたものをほとんどリリースしちゃいましたからね。もうお腹すっからかんで餓死しそうでしたよ』

 少女はそんなオーバーな一言をいうと最後の惣菜パン(ラスト1)を口の中に放り込んだ。

 女の子に必ずあるといわれる恥じらいはこの少女には一欠片もないようだ。食事を終えた少女は爪楊枝で歯にはさがったものをとっていた。(完全にオヤジだ)

 そんな状況に若干引きつつも不意に時計を見ると……

 

【8:00】

 

 ……けっこう時間がやばくなっていた。

「あああああああああああああああっ!!」

『わっ!? ちょっと何!?』

「やばい。学校が!! ちょっと行ってくる」

『え!? どこに……』

「いってきまぁああああすっ!!」

 そうして、僕はとおりゃんせを置いて、家を出たのでした。

 

***

 

 以上、回想終わり。

 

 回想をしていた間にもう教室についたようだ。

 便利だな………回想………

 そう思いながら、いつも座っている座り慣れた机に座る。(表現がおかしい)

 今日はめずらしくいつも通りの朝の風景にならなかった。いつも殺意を帯びている方々も今日は静かになっている。

 遅れて来たからか……

 そう思ったが、そうではないようだった。

 いつもうるさくて仕方ないトムの机には誰も座っていなかった……

 

 

 教室の中はいつもに比べて静かな空気が流れていた。

 教室の端にある一つの小さな机。そこにいつもいるはずの煩いやつがいないだけでこうも違うのだろうか?

 周りの生徒達が朝のHR前の休憩時間を雑談の花で埋めているのに、僕の周りだけなぜか静かになっているように感じた。

 「おい。そろそろHRだぞお前ら。席につけ」

 一人、何かよく分からない感情に浸っていると、いつの間にか担任の総人先生が無駄に大きい出席簿を持って教壇に立っていた。

 (あれ? なんであいつが休んだくらいで僕はこんな気持ちになってるんだろう……)

 ふいにそう思い返してしまう。

 昨日もあいつと二度と会わないようになるためにあんな危険な遊びをしでかしてしまったほどなのに……(そして、もれなくあの殺人鬼が来てしまったのに)

 そんな切ない感情が胸をなんども締め付けていた……

「おい。祟野。返事をする口をお前は持っていないのか?」

「あ、はい。先生」

「そうか………持ってないのか。祟野……廊下に立ってろ……」

「え……」

 先生のその一言が発せられると同時に弾けたようにクラスメイト達が笑い声をあげる。

 その笑い声に凄く不快に感じるが僕の心境のほとんどはあいつがいないことへの不安定な感情で埋めつくされていた。

 渋々、バケツを持って春風の吹き込む廊下へと足を運ぶ。

 そう外へ移動している間でも出席は続けてとられ続ける。

 そんな中、違和感を感じる現象が起こった。

「ああ、照政の次は……新島だな…」

 

 …っ!?

 

 『通来銘夢(トム)』の名前が飛ばされたのだ。

「先生っ!!」

 僕は思わず扉を激しくこじ開け、叫んでいた。

「なんだ? 祟野。持病か?」

「先生っ! 通来さんの出席はとらないんですか!?」

 聞き間違いかもしれない。あるいはあえて休んでいるから呼ばなかったのかもしれない。ただ、そうだと信じていたい。

 だが、現実はそうとはいかなかった……

「何を言ってるんだ、祟野。通来なんてやつは俺のクラスにはいないぞ?」

「そんな、先生。ほら、あそこの机に……」

 そう指差した先には、ただ、空いたスペースがあるだけだった……

 

(そ、そんな……)

 

 崩れ落ちる僕を心配そうに先生とクラスメイト達が見つめてくる。

「おい……祟野……お前疲れてるんだろ? とりあえず保健室行ってこい」

「いえ、先生僕は……」

「無理するな。ほら、保健室の紙書いてやるから……」

 そういって先生は少し不安そうな顔で書類をかきはじめた。

 そんな中、僕は何か凄く嫌な予感を感じていた……




何かの予感がしますね。
そして、惣菜パンって凄いね。
次回もお楽しみにっ!
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