天帝の眼が開眼しました。 作:池上
この度、サッカー漫画に条件つきですが天帝の眼を入れてみました。
それでは、第1話をどうぞ!!!
赤星翼。この世界で第2の人生を歩む転生者ってやつだ。
そんな転生者の俺もこの世で生まれて早12年目を迎えていた。この世界で俺は近所づきあいから知り合った幼馴染3人たちと一緒にサッカーをやっていた。
幼馴染の一条龍は、それはもうサッカーに愛された才能の持ち主で、24時間サッカーで脳が占めているとんでもないやつだ。同じく幼馴染の青梅優人と優希の双子もサッカーが好きな兄妹だった。そういう俺は、運動不足にならない程度にと思いやっている見た目は子供、頭脳はオッサン(高校生だった)な小学6年生だった。
「いいぞ! 翼!!」
そして今は、サッカーの試合中だ。相手は超絶GKの渡辺くんという小学生にしては大きな人がいるチームだった。
「いいよぉ! 翼!!」
今もベンチから大きな声で声援を……優希がくれた……はず。双子の兄・優人がピッチにいるし、目の前に。
「へい、翼!」
そして俺たちは残り少ない時間で相手のカウンター攻撃を防いで、逆カウンターを仕掛けた。そして、パスを要求する龍。おいおい、俺の苦手なロングパスを要求してやがる。俺はティキ・タカの奴隷だぞ。
「ナイスパス!」
ロングパスは嫌いだが、このままPK戦はごめんだ。俺が次に苦手なのは止まったボールをけるPKだからな。CKもFKも蹴りたくないぐらいに嫌いだ。
「キーパーと1対1!!」
相手GKの渡辺くんとの1対1になった龍は、左に動いて躱した。それに反応した渡辺くんはボールを止めようと手をと伸ばしたが、ボールはなかった。ボールに回転を掛けて右へ転がしていたのだ。すげぇ~。
「どりゃあ!」
そのボールを追う龍とすぐにゴールマウスを守る渡辺くんの競争は龍の方に軍配が上がり、ゴールが生まれた。あまりの圧巻のゴールに静まり返った後、沸き上がった。こんなことが少年サッカーであるんだな。
――ピィ~~!!
そして、この試合に勝った俺たちは全国大会への切符をつかんだ。大会MVPには得点王も決めた龍に与えられた。おめでとさん。
「優秀選手、赤星翼君」
それと、おまけにベストプレイヤー的な感じで俺の名も上げられた。
「いいDFをしていたな」
「基本に忠実にこなすいい選手だよ」
ふっ、褒めるがいい。
「“DFに定評のある赤星”でしたね」
そこは池上だろ。そのフレーズだとあのキャラクターを連想してしまう。不遇なあのキャラを……。
▼
あの試合の後、いつもの俺たち4人組は雨の中を帰っていた。
「翼くん、早く帰ろうよ」
「ごめん、もうずぶぬれだからいいわ」
帰り道に雨に合っていた俺は、衣服が濡れたことで完全にテンションがガタ下がりで前を小走りで走る3人について行く気にもなれなかった。
「先に行くぞ! 優人も」
「う、うん」
先に歩いて行った龍と優人は長い階段へ曲がって駆け上がって行ってしまう。早く帰ってサッカーノートでもつけたいのだろう。
「翼くん、今日もDF凄かったよ!」
「それを言ったら龍の方だろ。アイツは天才的すぎる。俺は“DFに定評のある赤星”程度だよ」
それっていい意味じゃないのと、首をかしげる優希。俺の中ではあまりいいフレーズじゃないんだ。
「それにしても、龍ちゃんもそうだけど翼くんも手の届かないところに行っちゃうみたい」
そんなことを思う優希だったが、龍から言わせたら一生変わらないと口に出すだろうと思った時だった。
「きゃっ!」
俺は咄嗟に優希を横に押した――――。
△▼
「きゃっ」
私はこれからも変わらずに入れたらいいな、という意味で翼くんに話した時だった。いきなり私を押した翼くん。結構な強さで押された私は横に飛ばされてしまった後だった。ドスっと鈍い音が聞こえた。閉じた目を開くとそこには龍ちゃんと下敷きになる翼くんがいた……? え? どういうこと――!!?
「いやぁぁああ」
そこには血だらけになった龍ちゃんの姿と、下敷きになって頭から血を流す翼君の姿があった。
私はあまりの光景に、恐怖で気を失いかけた。その中で最後に聞こえたのは必死に下敷きからなんとか抜け出して龍ちゃん・私・優人のみんなの名前を叫ぶ翼くんだった――――
▼△▼
俺、赤星翼です。DFに定評のある赤星です。
色々あったけど、みんな無事に生きていた。でも、龍は全身に大怪我を負い優人も左腕の骨折以上に気持ち的に参っていた。優希はかすり傷程度で済み、俺は頭を強く打ったのと左目の外傷程度と全員命に別条はなかった。生きてなんぼだからな。ありがたく思わないと。
あの事故、道に飛び出してしまった優人を龍が守るために引っ張って助けたけど、勢いで階段から落ちたとのことだった。俺はその落ちてきたところを巻き込まれた。それでけがを負った俺と龍に申し訳なく思った優人は中々俺たちの病室に会いに来られなかったようだった。まぁ、自分を責める気持ちもわからんでもないが。
しばらくして1週間後、優人は決心したのか俺や龍の病室に訪れた。泣きながら謝る優人だったけど、龍もそうだったが俺も責めることはなかった。
そして、優人から聞いたけど龍は決してサッカーはやめないからまた一緒にやろうと言ったらしい。それを言われれば、大怪我の龍がやるにもかかわらず頭と目をケガした程度の俺もやめられないなと思い、続けることにした。
「はい! 眼帯外すよ~」
そして、あれから数カ月がたった頃だった。やっと外傷を受けた左目の眼帯を外していい日が来た。眼科医の先生からは視力はしっかりとトレーニングすれば回復すると言われていたこともあり、リハビリテーションで受けられる眼球運動をがんばろうと思っていた。サッカー続けたいからな。DFに定評のある赤星で居たいからな~。
久しぶりに真っ暗に閉ざされていた左目の視界が開かれた。これから頑張って視力を戻していくぞと思った時だった。
「え……」
俺は一度目を瞬きしてリセットと思ったが、目の前の景色をリセットすることが出来なかった。
目の前にいる先生の筋肉の収縮が見えて……しまった。
「ぎゃぁぁぁぁあああ!!」
リアルな筋肉模型が網膜に映し出され両目を抑えた、俺・赤星翼の中学生入学前のことだった。天帝の眼が開眼したのは――
▼△▼△
DFに定評の
あの日、おぞましい光景が目の前に広がった時はマジでこの世の終わり以上の衝撃ものだった。しばらく両目を開けられないほど追い込まれたからな。マジで。
その後、俺はすぐにこれがあの某バスケット漫画の特殊眼の1つと捉えた。
そんなことがあった俺だったけど、早いもので中学2年の秋を迎えていた。俺は今、いつもの新幹線で動体視力を鍛えるトレーニングをしていた。
「あっ、2両目の女・A 、C。おっS!――」
車両の窓から映るかわいい女の子をランク付けするトレー二ング。あの、有名な選手もやっていたとあって――
「この、バカ!」
いい練習――、と思ったところで後ろから思いっきり頭を叩かれた。
「おっ、優希に龍。こんなところでどうした?」
「翼くんこそ、またしょうもないことを!!」
しょうもない? このトレーニングで俺の右目はますます磨きがかかって来た。もう、右目だけでサッカー出来る具合にね。
「そんなことやるなら、しっかりと左目も眼帯で隠さないで両目でやった方がいいよ」
そう言う優希に頷く龍。なんだよ、トレーニング自体は反対じゃなかったのか。
「お前ら、俺にまたトラウマを植え付ける気か?」
そう、あの日の出来事は俺にとって悪夢のような映像として脳に残っていた。やばっ、寒気が……。
「翼もリハビリテーションだろ。一緒に行こうぜ」
「おう、わざわざ拾ってくれてありがとう」
「じゃあ、行くか」
俺は一応サッカー部として部に籍を残しているが、定期的にリハビリテーションに通っているので周りとの温度差から試合のメンバーからは外れていた。よくて控えのBに登録されるかどうか程度だ。
「さて、今日も頑張るか」
俺は足元に置いていたスクールバックを拾って3人と一緒にリハビリテーションのある大浦東病院へ向かった。
第1話でした。まだ天帝の眼は制御しきれてないオリ主です。
では、また!