天帝の眼が開眼しました。   作:池上

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第4話です。
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第4話 あれから俺たちは高校生に

 あの試合から色々あった俺たちだったけど、今日から高校生だ。

 あの試合の後から勝ちあがった県大会で負けたことでチームの意識の低さがウソのように上がってきて勝つことに集中した。

 それもあって最後の大会高円宮杯の埼玉県大会に勝ち上がった俺たち。そんな中で龍が中学卒業を機におじさんが待つインドネシアにおばさんと一緒に渡るという話があった。

 どうしたら龍を日本に引き留められるか考えた末に宮崎が高円宮杯で勝ち続けてスカウトの目に留まれば日本に残れるのではと、ある日の夜に俺や優人に持ち掛けた。

 宮崎の考えの通り俺たちにできることはそれぐらいだと思い龍には内緒でチーム内では龍のために高円宮杯を勝ち抜くことが目標になった。

 そんなチームは必死に勝利に向かって頑張り迎えた高円宮杯の埼玉県大会へ進出し迎えた2回戦、対麻倉キッカーズに2-2の末のPK戦で敗れた。

 でも、龍の心に十分にチームのメンバーの気持ちが伝わっていたのかあいつはインドネシアにいるおじさんに日本に残りたい気持ちをしっかりと伝えたこともありこれからも一緒にサッカーが出来ることとなった。

 そんな濃い1年間と少しを過ごした俺たちも、今日から高校生。一体どんな生活が待ってるのだろうか。

 

「優希、もうすぐ……」

「きゃっ!」

 

 俺としたことがノックもせずに入ってしまい優希の着替えているところに入ってしまった。やってしまったけど……

 

「今に始まったことじゃない! だから――ぐぼらっ!!?」

 

 俺は重たい物を投げつけられて優希の部屋から追い出された。

 

「もうすぐ、行くから……な」

 

 とりあえずもう時間だと言うことを伝えて、その場に伏せたのだった。

 なぜ優希と優人の家に俺がいたかというと、龍と同じように俺の両親も海外勤務が決まり青梅家にお世話になっていた。龍もお世話になっている。

 

「はぁ……やっちまったぜ」

 

 今は登校しているところ。俺の今朝の一件はすでに龍や優人の耳にも入っていた。

 

「なんで決め顔なのよ! ホントっ! 最低!!」

「まぁ、優希落ち着きなよ。今に始まったことじゃ――」

「優人バッカじゃないの!!」

 

 そんな他愛もない話をしつつ俺たちがこれから通う高校・武蒼高校へ着いた。生徒用昇降口の前にはすでに人だかりが出来ていた。どうやらクラス発表の掲示がされていたようだ。

 

「あ、俺。龍ちゃんと翼くんといっしょだ」

「あたしB組だ。じゃあ、またあとでね」

 

 クラスは優希がB組で俺や龍、そして優人はC組だった。

 

「知った顔いないなぁ」

「そうだな。でも、いい機会だ。なぁ優人」

「……」

 

 新しい教室の席についてそう話す俺たちだった。だけど、優人がずっと窓際の席に視線がいっていたので見ると、そこにはスレンダー美少女がいた。

 

「……なんですか?」

「あ、青梅優人って言います! よろしく……」

「……どうも」

 

 ほほぅ……。優人の好みの女の子がいたようだ。春だね~。春が来たよ~。

 そんな春が来た優人。その舞台、私立武蒼高校は100人を超す部員を抱える埼玉屈指のサッカー強豪校として有名だ。最近は冬の選手権こそ遠ざかっているが、クラブと高校が混在するU-18リーグのプリンスリーグに属している。

 

「翼くん、龍ちゃん、優人! いよいよだね」

 

 その部に俺たち4人は入ることとなった。優希はマネージャーとして支えてくれるようでマネージャーさんたちが待つ部室棟へ向かっていた。

 

「龍!!」

 

 そして優希と別れて俺たち3人がサッカー部のグラウンドへ向かっている時だった。声を掛けてきたのは麻倉キッカーズのGKの渡辺健太ことナベケンとマリノスJrユース出身だという矢沢和成だった。ちょっとJrユース上がりだからって自信ありげだな。

 

「よろしくな」

 

 別に“ヨロシクな”じゃねぇし。

 

「お前ら、俺を追ってここを選んだのか?」

「そうじゃないぞ、なぁ龍」

「まぁ、色々考えてな。スカウト・セレクション以外にもチャンスがあるからさ」

 

 そう。ここ武蒼高校サッカー部は今まではスカウト・セレクションがAチームを占めていたが、去年の秋から一般組で入った人がレギュラーを勝ち取っていた。ナベケンも知っていたようで、それも立った1人だけしか上がってないことを俺たちに言うが、関係ない。

 

「俺はやるぜ! いきなりAに入って見せる!!」

「そういうことだ。今日のうちに決めてやるよ」

 

 そんなにゆっくりと歩いている暇はないからな。

 

 

 あれからユニフォーム姿になって芝のあるグラウンドに入った俺と龍と優人たち。俺たちが入ってくるなりざわつく。一条だ、一条龍じゃねぇ? と注目を早速浴びる龍。さすが――

 

「あ、アイツは!? DFに定評のある赤星!」

 

 そして、まだそのフレーズがあったのかと俺は頭を抱えつつ体をほぐすために柔軟体操を始めた。

 それからしばらくしてコーチと思われる人が集合を掛けた。

 

「さっそくだが新入生全員ミニゲームに参加してもらう。うちはAからDまでチームがある。そのAチームに混ざってもらおう」

 

 さっそくのチャンスとあって燃えてきた~~!!

 

「30分後に始めるからそれまでにしっかりと体をあっためておけよ」

 

 コーチに言われて俺たちはボールをもってグラウンドへ散らばっていた。さっそくそれぞれがメンバーを組む中で、俺は……。1人残されてしまった。

 

「しょうがねぇ。ポスト狙いでもするか」

 

 俺は相手がいなかったことからゴールポストリフティングなるものをすることにした。

 

「あ、アイツなんだよ……」

「ロナウドかよ!?」

 

 かつて、俺が前世にいた時にあるスポーツメーカーのCMで同じようなことをやっていた人がいたのを思い出しやってみたが、結構楽しいな。これ。

 

「っ! 外してしまった」

 

 結局5回連続しかできなかったけど、楽しさのあまり1人で30分間をゴールポストリフティングに費やした。

 

「じゃあ始めるぞ! 呼ばれたものからビブスを貰ってミニゲームに入れ」

 

 さて、ここから始まるんだ。俺の高校サッカーが!

 

△▼

 

 マネージャー届けを出しに行った私は、3年生マネージャーの佐藤加奈子さんに案内されてサッカー部のグラウンドにやって来ました。

 

「恒例の新入生歓迎ミニゲームね……やってるやってる」

 

 加奈子さん言うようにいきなり新入部員たちがAチームに混ざってミニゲームに入っていました。加奈子さんは近くにいた部員・原田さんにどうかと聞いて、私を紹介した後にササッと私の前に立ちました。どうしてでしょう?

 

「で、今年の1年はどうよ?」

「お、GKの渡辺ってやつ……いいっすね。ホラ、竜崎さんと今!」

 

 確かにナベケンと竜崎さんという人が競り合ってましたが、思わず声を出してしまうほど迫力のある競り合いでした。

 

「うひ……」

「お!」

 

 互いに地面に落ちて大丈夫かと思ったけど、2人とも起き上がって大丈夫そうでした。ナベケンと競り合った人、竜崎さんは初めて一般からトップチームに入った人です。ナベケンよりもでっかくFWとあって龍ちゃんにとって大きな壁かな。

 

「あっ! あいつもいいですよ!」

「どれよ?」「左サイド張って今レノンと対面の奴ですよ」

 

 そう原田さんが指さす先には翼くんがいた。今、対面の人は世代別代表にも選ばれる橘怜音さんに対してまったく引けを取ってないと原田さんは言う。

 

「最初は、縦に仕掛けてのカットインからのアシスト。次はどうするんだ?」

 

 あの目……、翼くんがあの目をしている時は――

 

「抜く気ですよ」

「え? いや、さすがにレノンじゃ――」

 

 そう加奈子さんが言った時でした。翼くんが2つのフェイントを入れた後に橘さんの横を通り過ぎていた。

 

「レノンが抜かれた!!?」

 

 対面のDFに定評のある橘でしたが、ここ1年で翼くんのドリブルスキルはぐんぐん上がっていました。それもあるけど、どうしてあんなに簡単に抜けるだろう?

 

「さらにゴールラインを上がって行く!!」

 

 その勢いのままに翼くんは寄せてきたDFを躱してゴールラインぎりぎりを駆け上がってラストパス。完全に切り裂いてからラストパスを竜崎さんの足元へ送り、またアシストを決めた。絶好調みたいだ!

 その後も龍ちゃんは最初あまりよくなかったけど、最後に起点から得点を作って結果を残した。優人はまだこれからといった感じでミニゲームは終わったのだった。

 

▼△▼

 

「「「「ただいま――――!」」」」 

 

 部活を終えて帰って来た俺たち4人。

 

「おかえりっ! ね、ね、ね。初日はどうだった?」

 

 出迎えてくれた優人と優希のお母さんはいきなり2人に学校初日について聞いた。優希にはかっこいい人はいたかと聞いたが、優希は興味なさげに。優人にかわいい人がいたかと聞くと、反応アリという具合だった。

 

「やだ――いたの?」

「いたんだ!」

「いない……い、いないって!」

「優人~、隠すなって」

「ちょっと、翼くん!!」

 

 優人を弄ったが、部活のことを聞いてよと言う優人はおばさんに言うも、龍の目の輝きようからわかっていたようだ。そんだけ目を輝かせていれば大丈夫だろう。

 

「で、俺は?」

「……さぁ、よるごはんにしましょうか!」

 

 ちょ、ちょっと……。俺についてはなしって。この後、俺は不貞腐れたがお肉が多めに入ってたから許すことにした。

 

「レノン! すんげぇ名前だな」

 

 そしておじさんも仕事から帰って来て夕食を囲んでいた。さっそくサッカー部の話で盛り上がっていた。

 

「だけじゃないよ。武蒼の4バックはレノン、ジョージ、リンゴ……」

「え!? まさか、もう1人は……」

「もう1人は弘でした!!」

 

 優人とおじさんが話すように、さすがに日本人でポールなんていないよな。でも、弘じゃあれだから、ポールにしようみたいな感じだったのだろう。

 その中でも、橘怜音は別格だと話す龍。確かに龍が速いパスをほしいのをいち早く感じで出したことは代表クラスってやつだろう。まぁ、俺はあの人を1発ちぎったけどな。

それからも夕食はサッカー部の話ばかりだった。

 

「あぁ、癒される……」

 

 夕食後、一番風呂を頂いた俺はゆっくりと湯船につかっていた。色々あったな……。

朝にラッキースケベなことがあったり、そんなことがあったり、あんなことがあったり……

 

「さて、上がるか」

 

 俺は浴室から出て脱衣所で体の水滴をタオルで拭って服に着替えようとしたが――あれ? パンツがない……。なぜだ、どこに……

 

「翼くんパンツ! 廊下に落ちてたから……」

 

 おいおい、いきなり風呂場に入ってくるとは優希もお転婆さんだな。まったく困ったやつ……、あっ、俺すっぽんぽんだった。

 

「優希! パンツを置いて回れ右!」

「は、はい!」

 

 優希は俺の言う通りに回れ右してそのまま機械のような動きで自分の部屋へと戻って行った。これが、逆ラッキースケベってやつか。いや、どうだろうか? まったくどちらかが得したか?

 そんなアホなことを考えつつパンツを拾って履く俺だった。




第4話。でした~。
一気にぶっ飛びました。
またね、またね~
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