無限ルーパー   作:泥人形

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息抜きd(⌒ー⌒) グッ


冬木@無限ループ

 

 

 気が付いたら人気の無い上燃え盛る街に一人佇んでいた。

 い、一体何が…

 意味が分からなすぎるが取りあえず適当に歩き出した。

 瓦礫を崩しながら進み続けると遠くに人影が見えた。

 やったぁ人だぁ!と勇みよく駆けだした瞬間視界は真っ赤な空を映した。

 下には首のない人の身体。

 い、一体なn(ry

 

 

 気が付いたら人気の無い上燃え盛る街に一人佇んでいた。

 さ、さっきは何が起こったんだ…

 今度は背後に注意しながら進もう…

 動く骨に刺されて死んだ(真顔

 痛かったです。

 

 

 気が付いたら人気の無い上燃え盛る街に一人佇んでいた。

 あの骨怖すぎんよぉ…

 でもあの人影は気になるし…

 仕方ないので警戒しながらコソコソ歩き始めた。

 人影が見えた。

 ここで骨ぇ!とジャンプし振り向けば勢いよく剣を振る骨が。

 完璧すぎるタイミングだ。思わず自画自賛しながらフッと笑い着地。

 鋭い痛みが胸を貫いた。

 

 

 気が付いたら人気の無い上燃え盛る街に一人佇んでいた。

 二匹目は卑怯だと思うんです(真顔

 さっきと同じタイミングでジャンプ、そして流れるように横に回転。

 シュバッ!と剣を突き出す骨が。

 フッ、二度も同じ方法で俺がやられるとでも…

 バーカ!と煽ったは良いが倒す方法が無いのに気付いた。

 ど、どうすれば…

 俺の首は飛んだ。

 

 

 気が付いたら人気の無い上燃え盛る街に一人佇んでいた。

 今思い出したんだけど俺って魔術師じゃん。

 最近とか魔法撃ち出せるようになったしこれで倒せるんじゃね!

 めっちゃ撃つ。

 骨は無傷だった。死ね。

 

 

 気が付いたら人気の無い上燃え盛る街に一人佇んでいた。

 今度は一般人っぽく石とか木材とか使ってみようと近くを漁る。

 手頃な木材と石ころを発見、これで勝つる。

 避けて頭を叩く。木材と骨の頭が砕けた。

 木材は生贄となったのだ…石ころを投げる。超投げる。

 意味はなかった。

 骨は無慈悲に頭を貫いた。

 

 

 気が付いたら人気の無い上燃え盛る街に一人佇んでいた。

 一匹は倒したし木材二つ拾おうっと。

 何とか乗り越えた。

 連続で頭を砕いて見せた俺が流石すぎる。

 原始時代に還った気分だった。

 取りあえず人影に助けを求む。

 紫の長髪に金の瞳を持つ美しい女性だった。

 い、石になっていくぅぅぅぅぅぅぅ。

 

 

 気が付いたら人気の無い上燃え盛る街に一人佇んでいた。

 まさかの石化ルート。あんなん卑怯ですやん…

 ただああいうのは目を見るとアウトなんだって相場は決まっているのだ。

 骨を潰して先手必勝。

 全力で投石。

 目をつむって一気に近づきぃ…

 ぐっはああああああ

 

 

 気が付いたら人気の無い上燃え盛る街に一人佇んでいた。

 槍っぽいのでグサッ☆であった。

 痛すぎる。

 流石に目を閉じたまま勝てる相手ではなかったか…

 今度は目を合わせずに戦ってみようか。

 骨を砕いて石をシューートッ!

 女性が自己紹介をし始めた。

 私はメドゥーサ!さらばだ生き残った人の子よ!

 オホホホホホみたいな笑いをしながらジャラジャラ鎖をあちこちに出し始める。

 どっから出てきてんそれ…

 オラァッと木材を振るうも槍でサクッ、俺の身体もサクッであった。無念。

 

 

 気が付いたら人気の無い上燃え盛る街に一人佇んでいた。

 どう足掻いてもあれは無理(真顔

 しかしメドゥーサか…

 骨を砕いてそこの人へるぷみーと叫びながらスマホの内カメラを起動しながら画面を前に押し出す。

 ピカーン!ビキーン!バ、バカナ!?

 俺の腕毎石化してスマホは死んだ。

 そして流れるように石化である。

 ぐっはぁぁぁぁぁ

 

 

 気が付いたら人気の無い上燃え盛る街に一人佇んでいた。

 スマホのカメラでは鏡の代用にはならないようだ。

 鏡なんて持ってないよぉ…

 自分の女子力の無さを恨んだ瞬間であった。

 今度は画面を真っ暗にしてそれを見せてみよう。

 骨を砕いてそこの人ヘルプミーと叫ぶと同時に画面を押し出す。

 ピカーン!ビキーン!

 顔面が石化した女性がいた。

 ぐははははは!ざまーみやがれぇ!

 瞬間鋭い痛みが胸を貫いた。

 骨ェ…

 

 

 気が付いたら人気の無い上燃え盛る街に一人佇んでいた。

 骨ェ…マジ骨ェ…

 取りあえず調子に乗ったら死ぬのが良く分かった。

 次は慢心せずにいくぜ! 

 骨を砕いて肩を叩いてスマホドーン顔バキーン!

 木材を両手で握って勢い良く振り回しせば背後の骨が砕け散った。

 流石俺…完璧すぎる。

 自画自賛しながら進めばまたも人影が。

 もう騙されねぇぜと木材を振りかぶったら大盾で防がれそのままゴシャッ!

 驚いた様に俺の名前を叫ぶ声を聴きながら俺の頭は砕けた。

 

 

 気が付いたら人気の無い上燃え盛る街に一人佇んでいた。

 敵だと思ったら完全に味方だった件について。

 人を疑いすぎるのは良くない、はっかり分かんだね

 それにしても破廉恥な格好をしていましたねぇ…(ニヤケ面

 うっひょひょいとテンションを上げながらスキップして行ったら骨に殺された。

 完全に忘れてました(真顔

 

 

 気が付いたら人気の無い上燃え盛る街に一人佇んでいた。

 段々骨が可愛く見えてきた。君たちもろすぎぃ!

 というか明らか俺の力が最初に比べて強くなっている気がする。

 もしかしたら倒せば倒す程経験値的な何かがたまっているのではなかろうか。

 レベルが上がっていくぅぅぅぅぅ

 気分はドラゴンなクエストの勇者パーティー。

 メラ!ヒャド!バギ!イオ!

 出せる魔法(魔術?)はそれ以下ですけどね^^

 現代的にスマホを活用して石化眼光反射である。

 もう完全に攻略法を掴んでしまった...すまんな紫モブよ…

 ヘイ!マシュー!と叫びながらジャンピング。

 瞬間視界がブラックアウトした。

 

 

 気が付いたら人気の無い上燃え盛る街に一人佇んでいた。

 あれですね…無駄に飛び跳ねて大きな声を出した結果遠くにいた狙撃手(骨)に射抜かれましたね。

 頭にグサッとなったに違いない。

 人とは脆いものよな…骨を砕きながら呟く。

 いやー骨は弱くて助かりますね!

 スマホが便利すぎてやばい。

 いい加減顔だけ石なのが面白くなってきたレベル。

 今度はこっそりと慎重に...

 コソコソと近づいたら警戒レベルMaxのマシュに殴られました^^

 当然の死である。

 

 

 気が付いたら人気の無い上燃え盛る街に一人佇んでいた。

 実はマシュが一番の鬼門なのではないかと思えてきた。

 知り合いに殺されるとか悲しすぎてヤバい。

 今度は普通に近づいていく。

 今更だがマシュともう一人男性がいた。

 マシュはやらんぞぉ!と勇みよく言ったら礼儀正しく挨拶された。

 やだ…超いい子…

 マシュのマスターらしい。

 え?サーヴァントだったんです?

 どうやらデミサーヴァントというやつらしい、なるほどよくわからん。

 マシュの必死の解説虚しく俺の頭は早々と限界を迎えた。 

 俺が一番悲しかったのは言うまでもない。

 これからどうするのかと聞けば霊脈とやらに向かうらしい。

 そこなら物資も補給できるとかなんとか。

 合流したことでもう死ぬこともないだろう。

 そう思い前を歩き出した瞬間俺の身体は砕け散った。

 い、一体何g

 

 

 気が付いたら人気の無い上燃え盛る街に一人佇んでいた。

 (((謎の死)))

 流石の俺にも意味が分からない。

 取り合えず合流して今度は後ろを歩きながら周りを警戒する。

 瞬間黒い巨人がマシュを吹き飛ばした。

 青年――藤丸立香くんの叫び声が虚しく消える。

 真っ赤に染まった視界の中で、俺の身体が千切れていくのが見えた――

 

 

 気が付いたら人気の無い上燃え盛る街に一人佇んでいた。

 あの巨人強すぎない?

 というか最大戦力のマシュが消えた時点で勝ち目はないと見た。

 俺とかどうあがいても一般人レベルの力しかないしねっ。

 どうにかして奴を倒す算段を立てようとするが何も思い浮かばない。

 誰にも死なせる訳にはいかない。

 どうしてか知らないが死んでもやり直せる力が俺にあるのだ。

 なら犠牲になるべきなのも俺しかありえないのだ。

 静かに深呼吸をする。

 出来るだけ準備を万端にして戦いは始まった――。

 

 

 気が付いたら人気の無い上燃え盛る街に一人佇んでいた。

 巨人さん強すぎぃ! 

 マシュを下がらせてまでして被害をなくしてからスタートしたにも関わらず全滅である。

 たくさん兵隊が出てくるのは卑怯だよぉ…

 

 

 気が付いたら人気の無い上燃え盛る街に一人佇んでいた。

 斧が強すぎる。圧倒的か。

 

 

 気が付いたら人気の無い上燃え盛る街に一人佇んでいた。

 傷がついてくれない。

 

 

 気が付いたら人気の無い上燃え盛る街に一人佇んでいた。

 骨が邪魔すぎる。

 

 

 気が付いたら人気の無い上燃え盛る街に一人佇んでいた。

 この光景にも見飽き始めた。

 

 

 気が付いたら人気の無い上燃え盛る街に一人佇んでいた。

 魔術←カス

 肉弾戦←カス

 武器←カス

 

 …無理やん( ^ω^)

 

 

 気が付いたら人気の無い上燃え盛る街に一人佇んでいた。

 眼を潰すのは良い発想だったが同時に斧が体を引き裂いた。

 

 

 気が付いたら人気の無い上燃え盛る街に一人佇んでいた。

 ものは試しと魔法(魔術?)を放つ。 

 当たり前のように無傷であった。

 

 

 気が付いたら人気の無い上燃え盛る街に一人佇んでいた。

 もう何度、もう何回繰り返しただろうか。

 一向に勝てるビジョンが見えない。

 ふらつきながら骨を砕き紫へ。

 ぎゃあああああああ

 

 

 気が付いたら人気の無い上燃え盛る街に一人佇んでいた。

 スマホを取り出し忘れて石化した。 

 やつも油断ならねぇ敵だということを忘れていたぜ…!

 今までと同じように歩き出す。

 あれ、道が違くないか?

 いつの間にか辺りは森である。

 方向が全然違うぅぅぅぅ

 まあここまで来たし巨人は見たくないし遠目に見える城を目指そうじゃあないか。

 意気揚々と歩き出した俺の身体は瞬時に木っ端と化した。

 

 

 気が付いたら人気の無い上燃え盛る街に一人佇んでいた。

 何故だぁぁぁぁぁぁ!

 原因の分からない死に方が多くて困る。

 気になってもう一度行きたくなる→死ぬ

 無限ループの始まりである。

 五回目で気づいたが黒とは違う巨人が俺にアタックかましてきているようだ。

 ここ巨人多すぎませんかねぇ…心臓捧げちゃおうか?(ガチ)

 今日も元気に汚い花火である。

 

 

 気が付いたら人気の無い上燃え盛る街に一人佇んでいた。

 駆逐したいけどできないのでまた違う方向へ。

 道行く骨を砕いて進む。

 グシャッ

 心臓 が 潰れて しまった !!

 

 

 気が付いたら人気の無い上燃え盛る街に一人佇んでいた。

 謎の死パート3だ。

 原因究明の為に俺は今日も走る…!

 グシャッ

 

 

 気が付いたら人気の無い上燃え盛る街に一人佇んでいた。

 抵抗どころか何が起こったかすらも分からないとか怖すぎる。

 ちょっと意外性を出して四つん這いになりながら張って進んでみた。

 グサッ

 

 

 気が付いたら人気の無い上燃え盛る街に一人佇んでいた。

 骨ぇぇぇえぇっぇぇぇぇぇぇl!!!!

 絶妙なタイミングで邪魔な骨である。

 全力疾走で駆け抜けてみた。

 サクッ

 

 

 気が付いたら人気の無い上燃え盛る街に一人佇んでいた。

 頭に何かが刺さったっぽい。

 ベルトで頭に平らな石を縛り全力疾走。

 カァァン!

 ま、まさかこんなんで防げるとは…

 出てきたのは奇妙な右腕を持ち仮面をつけた黒装束の人だった。

 何かしゃべっているが先手必勝で木材を振りぬく。

 グシャッ

 

 

 気が付いたら人気の無い上燃え盛る街に一人佇んでいた。

 ハートキャッチ(物理)されてしまった。

 流石にえぐすぎませんかねぇ...

 石越しに響く音を聞きながら木材を横殴りに振るうが期待していたような感触は伝わらない。

 グサッ

 

 

 気が付いたら人気の無い上燃え盛る街に一人佇んでいた。

 木材を横殴りに振るい、勢いに任せてよろけるように一歩二歩。

 足元にナイフが刺さったのを見て上を見上げた。

 右手の長い奇妙なやつが一人。

 魔法(魔術?)を放つ。目隠し程度になれば良い、そう思ったのだが。

 聞こえてきたのは苦しげな声だった... あいつ骨より弱いぞぉぉ!?

 こいつはいける、更に撃ち込み続けようと気合を入れた。

 瞬間鋭い痛みが俺の胸を貫いた。

 

 

 気が付いたら人気の無い上燃え盛る街に一人佇んでいた。

 骨ぇぇぇぇっぇぇぇlっぇぇ!!!!!

 人の真剣勝負に茶々を入れやがって…!

 許さんぞ骨野郎。

 怒りを力に変えて俺は走りだした。

 魔術を放ち苦し気な声を聴きながら木材を振るった。

 木材が砕け散るのを見ながらふと思う。

 木材、魔術で強化できるやん…

 接近戦では為すすべ無しでそのまま俺の心臓がごみくずと化した。

 

 

 気が付いたら人気の無い上燃え盛る街に一人佇んでいた。

 くらえ強化木材ぃぃ!

 魔術で怯む右腕野郎の頭を強化木材で殴り飛ばす。

 骨とは違う感触が腕に伝わってくる。

 衝撃を逃がされたか。

 更に一歩踏み込みもう一撃。

 今度はかわされカウンター気味にナイフが肩に突き刺さる。

 ただこの程度ならまだ余裕だ。

 死ぬのに比べれば痛くもかゆくもない。

 強化した木材を勢いよく振りぬいた。

 骨を殴った時に近い、手に馴染んだ衝撃が腕に響いた。

 またつまらぬものを斬ってしまった…

 そんなことを呟き先に進む。

 瞬間首が千切れて落ちた。

 

 

 気が付いたら人気の無い上燃え盛る街に一人佇んでいた。

 油断しました☆

 あそこまでされて生きてるとか…ドン引きです…

 木材(強)で殴り飛ばす。

 先ほどと同じ動きを完璧に再現しながら頭に振りぬいた。

 硬いものが砕ける感触が手に伝わってくる。

 地面に倒れ伏す右腕野郎の頭を蹴り飛ばして叩き潰すように木材を垂直に突き刺した。

 勢いよく血が飛び散り次の瞬間その全身は霞と消えた。

 ひ、人じゃないのん…?

 それとも最近の人は砂みたいに消えるのが流行りなのだろうか…

 若干の満足感を胸に何となく先に進むと段々人の石像があちこちに現れ始めた。

 こいつら動き出さないよね…?

 あまりのリアルさにビビりながら歩を進めれば大きな河原に出た。

 あれ…ここ紫がいるところじゃね…?

 ということはこの石は…

 思わずスマホを握る。

 瞬間ジャラジャラと音を立てた大きな鎖が俺を囲んだ。

 来たか。

 紫モブが槍を構えてこちらをねめつけている。

 木材を片手に握りしめて間合いを取る。

 俺みたいな善良な一般市民がこんな目に合うとかついてねぇぜ!

 木材と槍がぶつかり金属同士がぶつかったような音が空気を揺らす。

 あまりの力強さに押し飛ばされた。

 女性とは思えない力に目を見開く。

 モブのくせにやりやがる…

 砕けなかった木材に驚きつつも喜び走りだす。

 跳躍して一振り。

 当然のように槍に弾かれ、そのまま勢いよく首を掴まれた。

 徐々に視界がぼやけ全身から力が抜けていく。 

 嘲笑うように口を開きやつは空いてる手で自身の眼を指さした。

 瞬間片手に潜ませていたスマホを上へと放り投げる。

 同時に落下。

 やつの身体は、石と化していた。

 計画通り…

 ほくそ笑もうとして盛大に咳き込んだ。

 あいつ握力どんだけやねん…

 慢心して眼を使おうとしなかったら今頃首の折れた死体がここに転がっていただろう。

 流石に疲れた、とその場に座り込む。

 そういえばこの先にマシュ達がいるのだろうか?

 いや、まず黒い巨人は倒せたのだろうか?

 真っ赤に染まった空を見ながらそう考えた時ぬっと黒い影が俺を囲った。

 黒い巨人様である。

 お、おわた…

 

 

 気が付いたら人気の無い上燃え盛る街に一人佇んでいた――

 と思ったがどこか今までと何かが違う。

 ここ…紫モブと戦ったところか…?

 すぐ足元を見れば石となった女性が一人。

 なるほど、どうやらセーブポイントはここみたいですね。

 となれば今すぐここから逃げ出すあるのみだぜ!

 巨人様が来る前に撤退である。

 ふらつく足に鞭打ち走る。

 建物の中に入った瞬間轟音がかすかに聞こえてきた。

 間一髪だな…黒い巨人は鬼すぎる。

 純粋に強すぎて無理。

 さっさとどこかに行ってくれないだろうか…

 そう思っていたらまたも轟音が鳴り響いた。

 誰か戦闘しているのか?

 十中八九マシュ達だろうとこっそりと見に行けばそこにいたのはマシュと立香くん。そしてフードを被った謎のイケメンがいた。

 いや何者やねーん!

 しかしあのイケメン。めちゃくそ強い。

 一応マシュとイケメンで戦っているがほとんどイケメンが巨人をさばいている。

 すげぇ仲間を見つけたな…

 木材を強化し後ろから巨人をぶん殴る。

 瞬間巨人は業火に飲み込まれた。

 お、俺に炎属性の力が備わってしまった…

 という訳でもなくあのイケメンが炎を飛ばしてきていただけだった。

 イケメンはクーフーリンというらしい。

 今の巨人と同じサーヴァントだとかなんとか。

 というか所長もいた。

 何故か怒られる理不尽…

 そして生きててよかった…とか呟く所長。

 ツンデレか。

 そしてここで説明タイムである。

 何十回リセマラしただろうか…

 ようやくの説明タイムである。

 所長曰くどうやらここは何年か前の聖杯戦争とかいう戦いの起きた場所らしい。

 つまり現在進行形で聖杯戦争が起こっているってことらしい。

 聖杯とは万能の願望器だとかなんとか。超すごいドラゴンボールみたいな物だと思って置けばいいか。

 何で聖杯も聖杯戦争も知らないのよ!講習で説明したでしょ!?

 とか言われたけど寝てたし知らないに決まってるよね。

 そしてまあ、その聖杯戦争にイレギュラーが起こりやばいことになってしまった、みたいな感じらしい。

 最優のサーヴァントのセイバーってのがボスでクーフーリン(キャスター)以外のサーヴァントも皆敵になったとかなんとか。

 なるほど…?とか言っておいて納得した風を出しておく。

 少し前まで一般人やってた人間にはレベルが高すぎた…

 取りあえず、

 サーヴァント←やばい

 聖杯←やばい

 聖杯戦争←やばい

 現状←超やばい

 こんな認識で良いか。

 あ、サーヴァントと言えば俺二人くらい多分倒したよ。

 腕長いやつと紫。

 見栄なんて張らなくて良いんだぞ、と暖かい眼で慰められた。解せぬ。

 説明兼休憩も済んだことだし先に進むことに。

 正直もっと休みたいくらい疲労しているのだがさっさと行かないと骨に集られるし、仕方ないのだ。

 キャスター曰くいくら来ようが倒せるがなるべく体力は温存したいらしい。

 まあそういうことならさっさと行こうぜ!と先頭を走りだす。

 ん?何かこっちに飛んできt

 

 

 気が付いたら人気の無い上燃え盛る街に一人――「おい、大丈夫か坊主?」

 うっひょぉおぉおおおおああああ!?

 気が付いたら目の前にキャスターがいたんご…

 ビビりすぎて思わず叫んでしまった、許さぬ…

 しかしまた復活地点が更新されたようだ。

 心臓に悪い地点だがラッキーなことだ。

 さっきは味方と合流したことで完全に油断しますた^^

 飛んできたのはドリルみたいな剣でした…

 きっと俺の頭は跡形も残らなかったことだろう。

 また現れたのであろう新敵に辟易しながら俺は何でもないと進みだした(マシュの盾に隠れつつ)

 轟音が鳴り響く。

 マシュの盾がドリルソードを弾きとばしたのだ。

 第二射目。

 これはキャスターが炎を連続で飛ばし撃ち落として見せた。か、かっけぇ…!

 薄々気づいてはいたのだがもしかしてキャスター、恐ろしく強い上に超かっこよいのではなかろうか。

 今度からキャスターの兄貴と呼ばせてくだせぇ!

 次々と振ってくる剣を完璧に撃ち落としてくキャスニキ(キャスターの兄貴)。

 おぉすげぇ、と思いながらも木材片手に走り出した。

 キャスニキに攻撃を相殺されてる今が一番付け込める隙があるのではと考えた結果だ。

 そんな俺を守るようにマシュが隣を走ってくれる。

 立花くんはキャスニキの後ろ…ん?立香くん…ちゃん…?

 見慣れないオレンジの髪を持つ少女が視線の先にいた。

 性…転…換…?

 

 

 気が付いたら人気の無い上燃え盛る街――「おい、大丈夫か坊主?」

 立香くんはちゃんではなくくんに戻っていた。黒髪青年である。

 さっきのは幻覚とでも思っておこうか…

 火の粉と鉄の欠片が降りしきる空の下、キャスニキが落とさなかった敵の剣を拾い駆け抜けた。

 木材より重いがその重みが逆にしっかりとした安心感を与えてくれる。

 次々に現れる骨どもを滑らかに切断していく。

 キャスニキ曰く、マシュの盾がセイバーを倒す鍵だそうなのだ。

 ならばこそこんな雑兵どもの相手でマシュを消耗させる訳にはいかない。

 より体に力を込めて、前へと進む。

 赤い外套に白髪で褐色の肌の男――あれが敵か。

 強化を走らせた剣を振るう。

 一閃二閃。

 白と黒の双剣が難なくそれを弾く。

 流石、というべきか。

 マシュと俺のコンビネーションを捌きながらキャスニキの炎も上手く躱している。

 中々決定打を決められない。

 ぶつかり合っては弾き合い、そしてまた切りかかる。

 どうして容赦なく人に剣を振るえるのかってか?

 死にたくねぇからだよくそったれが。

 両手で柄を握りしめて勢いよく振り落とす。

 瞬間、剣は霞と消えた。

 同時に俺の視界は剣でいっぱいに染まった――

 

 

 気が付いたら人気の無い上燃え盛る街に一人――「おい、大丈夫か坊主?」

 ああ問題ない。早く先に行こう。

 視界が軽く歪む。

 立ちくらみだろうか。今まで無かったことなので少しばかりビビった。

 それにしてもやつを攻略するにはどうするべきだろうか。

 無尽蔵(多分)に剣を作り出せるとかぱないよぉ…

 巨人さん並みに攻略の糸口がつかめない。

 剣は途中まで使わせては貰うがやつ相手には使えない。

 剣を使う以上木材なんて持っていられない、中々どうして剣は重いのだ。

 何てったって剣って鉄の塊だからね?

 全身に強化をかけてやっと振り回せるくらいなのだ。

 自分のあまりのスペックの低さに涙目である。

 戦闘系ゲームの主人公がうらやましい。

 あいつらほいほい剣とか銃とか扱いやがるからな…

 あ、でも俺もある意味主人公なのではなかろうか。 

 セーブして死んだらやり直せるとか超主人公。

 でもそのセーブは自分でできない、みたいな

 やだ…俺ってば超欠陥品…

 そんなことを考えていたら時間がきた。

 地に突き立つ剣を手に取り走り出す。

 作業的に骨を貫き斬り飛ばして白髪の元に向かう。

 消される前に剣を投げつける。

 何ともないようにはじき返されるがそれは想定内だ。

 全身に強化を回し、石ころを握りしめてぶん殴る。

 一発二発三発。

 ジョブジョブストレート!と言わんばかりに放つが見向きされることなく防がれる。

 まあ当然だな。

 こっちが戦闘とはほぼ皆無だった一般人であることに対して相手は名のある英雄(多分)なのだ。

 ダメもとで挑もうじゃあねぇか。

 狂ったように拳を撃ち放つ。

 最初は驚いたように対応していた白髪も慣れてきたようで俺の未熟な拳を軽々とはじき返しそのまま首元に剣をねじ込んだ。

 

 

 気が付いたら人気の無い上燃え盛る街に一人――「おい、大丈夫か坊主?」

 ああ、大丈夫だ。

 それより、残った敵はセイバー以外で誰がいるんだ?

 何?俺の話が本当ならばあとは警戒するのはアーチャーだけ?

 バーサーカーは森にいるから放っておけば良い?なるほど。

 アーチャーはどう倒せば良いとかあんのか?

 え、いや特に無いってちょっと…キャスニキが相手する?

 そんなことしたらセイバー倒すの難しくなるじゃないですかやだー!

 マシュを主軸に戦うのが吉だな。

 剣を片手に走り出した。

 マシュを戦わせないよう骨の相手を進んで引き受けていく。

 見つけたぞ白髪頭ぁ!

 炎の雨が降りしきる中剣がぶつかり合って俺の持つ剣のみが姿を消した。

 だがそれは想定内。

 今までと違い戦っているのは俺だけではないのだ。

 マシュの大盾が猛威を振るう。

 俺を何度も殺したのだからかなりの威力を内包しているだろう。

 拾った棒切れを強化しマシュに隠れるようにヒットアンドアウェイだ。

 俺程度の強化ではぶつかり合う度に一瞬の拮抗の後に綺麗にスライスされてしまうがそれで構わない。

 身体に無数の切り傷が出来上がっていくがもう俺はその程度では気にすらしない。

 そこらに転がっている石を強化し蹴り飛ばして足を止めさせる。

 それにしてもマシュの盾が強すぎる。

 白髪の攻撃は早く鋭いが威力が若干足りていない。

 大盾を主武装とするマシュを抜けないのだ。

 そして戦闘面に関しての未熟さは俺がちょいちょい邪魔することでしばらくは拮抗を保てられる。

 そしてしばらく均衡を保ったところでキャスニキの炎ドーン!  

 隙が出来た所をマシュの盾が弾き上げ俺が頭をカチ割った

 キャスニキが軽い調子で白髪に謝罪をしていた。

 知り合いだったのだろうか。

 まあ知ったことではない、さっさとセイバーの元に行こうではないか。

 と、その前に休憩タイムである。

 俺もマシュも結構傷だらけなのだ。

 戦闘では欠片も役に立たなかった所長唯一の見せ場である。

 体力が回復していきゅぅぅぅぅぅ。

 完 全 復 活 

 血が足りないのか疲れたのか若干フラフラとするがまあ問題はなさそうだ。

 サクッとセイバーを倒してゆっくりカルデアで休みたいですね…

 そういえばカルデアってどうなったのん?

 あ、壊滅的ですかそうですか…

 寝床は大丈夫?あ、大丈夫。なら良かったぜ。

 何にもよくないわよ!とかいう言葉はスルーの方向で。

 それじゃあそろそろ行こうか、という立花くんの言葉で皆が歩を進め始めた。

 

 

 濃厚な死の匂いが立ち込めていた。

 近づいていくだけで身体にかかる重圧で潰れそうになる。

 呼吸をするのすら一苦労だ。

 全身を強化しコンディションを全快に近づける。

 これでは立花くんは苦しいだろうと振り向けば普通にピンピンしていた。

 (((俺がくそ雑魚すぎる可能性)))

 悲しみに溺れながら感動の対面である。

 ああ、会いたかったぜセイバー(初対面)

 カルデアにいるナビゲーター―ロマニ・アーキマン。通称Dr.ロマンがあれはアーサー王だと冷静に皆に伝えた。

 有名なアーサー王が女性なのは驚くものがあったが特に気にすることでもない。

 さっさと死んでくれ。

 拾っていた鉄パイプを強化し上段から振り落とし――

 気づいた時には俺の首は滑らかに滑り落ちていった。

 

 

 濃厚な死の匂いが立ち込めていた。

 ちょっとセイバー強すぎないだろうか。

 回避しようとか考える間もなく斬り飛ばされるとか…

 巨人さんより強い気がするぜ…!

 今度は遠くから強化石ころ投げる作戦に切り替えてみた。

 ま、魔力が飛んでくるぅぅぅぅぅぅぅ。

 

 

 濃厚な死の匂いが立ち込めていた。

 遠近万能とか最強にしか見えない件について(真顔)

 俺の強化石とかジュッと蒸発してた。

 魔力はちょっと防ぎようがないので強化したパイプで殴りかかる。

 拮抗することもなく俺の身体ごと切り捨てられた。

 

 

 濃厚な死の匂いが立ち込めていた。

 くっそ魔術師の本気を見てみやがれえぇぇぇぇ! 

 魔術をガンガン撃ち放つ。

 当然のように意味はなかった(白目

 

 

 濃厚な死の匂いが立ち込めていた。

 今度はいきなり襲い掛からず話させてみた。

 え、エクスカリバー…

 

 

 濃厚な死の匂いが立ち込めていた。

 唐突の宝具である。

 ここでマシュが重要になってくるという訳ですね!

 素早く後ろに隠れた瞬間セイバーが剣を振るった。

 闇をそのまま凝縮したような真っ黒な破壊光線をマシュと立香くんのきずなぱわーな盾の宝具がそれを防ぐ。

 凄まじい破壊音が辺りを散らし、展開されている宝具以外の場所が全てを消し飛ばしていく。

 控えめにいっても絶大な魔力量だ。

 キャスニキ曰くセイバーは聖杯と直接リンクしておりそれにより無限ともいえる魔力を得ているとかなんとか。

 チーターやん!ただのチーターやん!

 しかし文句を言ったところでどうにもならない。現実は厳しいのだ。

 魔力が散りマシュとセイバーがぶつかり、マシュが一瞬で吹き飛ぶ。

 セイバーの細腕からは考えられないような膂力だ。

 驚く間もなく切りかかってくるセイバーの一撃を鉄パイプで受け流し、一瞬でごみと化したそれ投げ捨てると同時に拳を振るう。

 気づいた時には宙を舞っていた。

 い、一体何が(ry

 

 

 濃厚な死の匂いが立ち込めていた。

 60kgオーバーの俺を片手で投げ飛ばすとか…

 身動き取れない中でバターのように滑らかに切断されてしまった。

 あの膂力も魔力によるものなのだろうか…

 取りあえず真正面から戦っても勝ち目がないことだけはよく理解した。

 何か他に手は…

 あちこち見回しながら先に進んでいく。

 おっ、良い物見ーつけたっ。

 心地の悪い振動を聞きながら時を待つ。

 まだかと罅割れた空を見上げた瞬間真っ黒な光の柱が天に昇って行った。

 来た!

 瞬間俺は廃車寸前の車を発進させた。

 一本道に入ると同時にクラッチを踏み込みギアを上げてアクセルを踏み込む。

 エンジンが勢いよく音を立ててスピードが馬鹿みたいに上がった。

 狙うはセイバーただ一人。

 マシュが勢い良く吹き飛ぶと同時に車はセイバーの真横に突進した。

 同時に轟音、衝撃。

 片手で車を止めた…だと…?

 か、完全に予想………内だ。

 車をバラすセイバーをその車の後ろから眺めていた俺は車が爆発した瞬間鉄パイプを突き出した。

 グチャリと嫌な感触が手に伝わってくる。

 すぐさま手を離して回し蹴り。

 同時に不自然に煙が消し飛んだ。

 血を流しながら笑うセイバーが、そこにいた。

 

 

 濃厚な死の匂いが立ち込めていた。

 片手でぶん投げられた(真顔)

 建物にぶつかってぐちゃっである。

 大体キャスニキの援護射撃の炎が降る中あんなに動けるとかセイバーがおかしすぎる。

 見えていない所からの攻撃からは一瞬反応が遅れるがだから何?ってくらい意味をなさない。

 マシュだけでは技量不足。

 キャスニキがいても決め手に欠ける。

 俺はただのカス。

 あれ、これどうしようもなくない…?

 真っ黒な魔力が俺を呑み込んだ。

 

 

 濃厚な死の匂いが立ち込めていた。

 もう…何か消し飛ばされるのも慣れて来た感がある。

 最早消し飛ばされるプロとか名乗れちゃうレベル。

 何それ超不名誉…

 取りあえず一対一だと数秒も稼げないということが良く分かったので魔術師らしくかっこよさげに後ろで佇んでみた。

 マシュと立香くんのきずなぱわー!な宝具がセイバーの宝具を防ぎきる。

 爆炎と共にキャスニキが動きだした。

 今まで通り炎の雨が降り注ぐが物怖じすることなくセイバーはかわしていく。

 立香くんが吹き飛ばされるようにこちらに戻ってくるのと同時にマシュがセイバーとぶつかり合った。

 当然のように弾き飛ばされ建物に叩き付けられるのを横目にキャスニキが走り出す。

 なるほどこれが正規ルート…! 

 何事も先行せずに後ろからゆったり見ているのが一番よろしかったようですね(にっこり

 キャスニキとセイバーがぶつかり合う。

 一見互角だ。

 上手くセイバーを捌いている。

 キャスターだけあって魔術も上手く使いセイバーの魔力も上手くいなしているのだ。

 かっちょええ…

 しかしジリ貧だ。

 元々立香くんと仮契約している状態にあるので魔力にも当然底がある。

 立香くんの代わりに俺が援護をしていたりするがそれもあまりを意味をなさない。

 どす黒い、巨大な魔力が全てを呑み込んだ――

 

 

 濃厚な死の匂いが立ち込めていた。

 長期戦になると死ぬのが良く分かった。

 短期決着とか無理ゲーすぐる。

 ど、どうしたら…

 キャスニキに宝具はないのかと聞くがセイバーの宝具と真っ向でぶつけ合わせられるような宝具ではないらしい。 

 どんな感じなのかと聞けば巨大な燃える藁人形だとかなんとか。

 よ、弱そう(失礼)

 そいつの手だけ地面から出したり結構便利らしい。

 よ、弱そう(二回目)

 失礼か!と頭をはたかれた、解せぬ。

 ただクリティカルヒットすれば倒せるそうだ。

 もちろん全身に纏っている魔力を消せれば、らしいが。

 これは…! 無理ですね…

 どうしようかなーと考えている内にマシュが吹き飛んでいった。

 今度は戻って来ていない立香…ちゃんの襟を引っ張り後ろに投げ飛ばす。

 視界は黒に染まっていた。

 

 

 濃厚な死の匂いが立ち込めていた。

 どうにも立香ちゃんだと逃げきれないみたいですね…

 ふと横を見たら今度も立香ちゃんだった。

 一体どういうことだってばよ!

 頭を抱えている内にセイバーの宝具が放たれた。

 気づいたんだが宝具を撃ってから少しの間は纏ってる魔力は消えるっぽい。

 ただキャスニキが魔力を練り上げるのは良いのだがそんな隙は当然のようにくれないだろう。

 マシュも数瞬で吹き飛ばされるし俺は一瞬も持たせられない。

 何てったって武器のスペックが違いすぎるのだ。

 いや技術とか力も全てにおいてあっちの方が上なんだけどね?

 あ…キャスニキに強化してもらえばよくね…?

 視界が斜めにずれていく中そう思った。

 

 

 濃厚な死の匂いが立ち込めていた。

 中二チックな文字を鉄パイプと身体に刻んでもらった。

 ウッヒョイ!体がくそ軽いぜ! 

 麻薬でもきめてんじゃねぇかってくらい軽くて若干ハイになっている変人がいた。

 というか俺であった。

 だってこれまじやばいよぉ…

 今までが錘でもつけていたんじゃないかってくらい軽い。

 二つの宝具が消えると同時に駆けだした。

 中二パイプと剣がぶつかり弾き合う。

 いつの間にか、見えなかった剣速が目で追えるようになっていた。

 やっぱり経験値的なあれがたまっているのだろう。

 セイバーが驚いたように目を見開くのが少しだけ愉快だった。

 左下からの一閃。回転してきて右からの一撃。

 あからさまに魔力が迸っている時だけ全力で回避しそれ以外はギリギリで反応して弾き合う。

 全部反応しきれているように見せかけて三回に一回くらいしかまともに防げない事実。

 中二パイプが悲鳴を上げ始めた。

 上から振り落とし。返すように下から一閃。

 中二パイプが真っ二つに切断された。

 右斜めから振り上げ。流れるように左下からの振り上げ。

 二つのパイプが粉々になった。

 風を穿つような突き。真っ赤な血が溢れかえった。

 ゴボリ、と血が喉元を通って吐き出される。

 憐れむように俺を見る金の瞳が酷く愉快だった。

 セイバーが薄く口を開いて何かを呟いた。

 お前絶対人じゃないだろう、みたいなことを言われた。

 失礼なやつだな…

 まあそれよりも要するにお前の体を纏う魔力が邪魔なのだろう?

 引き抜こうとする腕を引っ張り両手で身体をがっしりとホールドする。

 瞬間魔力が爆発した。

 同時に燃え盛る、巨大な藁の手がセイバーを掴んで叩き潰した。

 流石キャスニキ…さすきゃす…

 地面からズゴゴゴゴと出てきた藁人形はその腹にセイバーを収め、大きく燃え盛ったまま轟音を立ててその身ごと地面に叩き付けた。

 それが消えた時、セイバーは全身から金の粉を出していきながら クククッグランドオーダー…! みたいなことを言って消えていった。

 グランドオーダーって何だろうか。狼狽える所長を横目に頭を捻らせた。

 響く不愉快な笑い声。

 まだ地獄は終わらないようです(白目)

 まあこっちには最強のキャスニキがいるしよゆーよゆー。 

 とか思っていたらキャスニキが消えた(真顔)

 めっちゃ悔しそうに消えていくもんだから文句も言えない。

 セイバーが死んで聖杯戦争が終わったかららしい。

 大して良くはない眼をこすって見たらそこには緑色のいかにもキマっちゃってる目をした―レフ!!―

 所長が泣き叫ぶように目がイカれてる感じの男の名前を呼んだ。

 ていうか俺も知ってる人だった。

 あれレフ教授やん…超知ってたし超お世話になってたわ…

 そんな教授に所長が希望を見つけた!と言わんばかりの笑顔で駆けよっていった。

 あーこれは嫌な予感がするぜー。

 すると予感が当たったのか。

 ここの空間とカルデアが繋がり、カルデアスと呼ばれる機械に所長が放り込まれた。

 泣き叫び続けていた彼女の声が掠れていき、やがて消えていく。

 カルデアスの中は人が生きながらえられる場所どころか太陽やブラックホール何かと同一視されるものだ。ただ死ぬだけでなく永遠に死に続ける、みたいな大変鬼畜な環境らしい。

 高笑いしながらレフ教授が話し続ける。

 オルガ――所長はとっくに死んでいて精神のみでここに存在していたらしい。なるほど分からん。

 だけどカルデアが半壊なのも俺たちがこうしているのも人理がやばいのも全てやつのせいなのは良く分かった。

 まじかーそうだったのかー。

 はぁ。死ねよ。

 俺を一瞥した教授は何ちゃっかりお前生き残ってんねん、と憤っていたが怒りたいのは俺の方だったりする。

 しかし何かする前にレフは消えてしまった。

 もうお前らは死ぬ運命にあるけど抗えるもんなら抗ってみな!みたいなことを叫びながら。

 

 

 世界が揺れる―

 マシュと立香くんを抱え込むように引き寄せた。

 世界が崩れゆく―

 徐々に自分という存在が消えていくような感覚を覚えた。

 必死に抱き寄せ二人という存在を通して自分はいるということを再確認する。

 マシュと立香くんが必死にドクターを急かすように叫ぶ。

 嫌な浮遊感が俺を襲う。

 それでもグッと二人を掴んで離さない。

 少しずつ視界が歪んでぼやけていく。

 またやり直しか。

 視界がぐるりと暗転した。

 

 

 何やかんや助かったっぽい。

 若干涙目のロマン含め職員たちが視界に入ったことで確信した。

 流れるようにベッドに回収されてポイッとされる。

 暖かな毛布の存在が何よりの癒しに思えた。

 ああ、長い一日だった。

 本当に、本当に長かった。

 沈むように意識は途絶えた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 


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