最低系チートオリ主がライブでサイリウムを振るお話 作:hotice
なんで今回は短いです。
神崎ちゃん達と別れて帰る途中のことだった。武内と話しながら歩いていると遠くから呼ぶ声が聞こえた。
「おーい、宗~。ちょっと待っとくれ~。」
そう言って少女がこちらに走ってくる。その少女の顔は見知ったものだった。
村上巴。ちょっとアレな家系の子で、かつて彼女を含めて色々とあったのだ。
彼女は随分急いでいたようで息が切れていた。
「はぁ、はぁ、久しぶりじゃけぇの、宗。2年ぶりになるんかな?」
「久しぶり巴ちゃん。ちょうど2年になるかな。
でもどうしたのさ、そんなに慌てて。」
「いや、お前さんに挨拶しにきたんじゃ。前にあれだけお世話になったってのに挨拶すらしねえのは仁義にもとるけえの。」
彼女はまあ、そういう家の子なので仁義だとかを重要視しているらしい。自分はあまり気にしないと言っているのだが…。
「うちだけやのうて組そのものを見逃してもらった上に、一度は助けられもしたんじゃ。お前さんが気にせんでもそんな真似は出来ん。」
「律儀だなぁ。それで、なんでこんなところにいるの?」
確か巴ちゃんはアイドルとかちゃらちゃらしたもんは好かんとか言ってたのに…。巴ちゃん演歌好きだから演歌歌手になったのだろうか?
「ああ、それがプロデューサーにアイドルにならんかと誘われてな。こいつにも組を助けてもろうたようなもんやから、その恩返しじゃ。正直アイドルしとるだけじゃ全然返せてないんじゃが、こいつは他に何も望みよらんからな…。」
「いえ、私は大したことはしてませんから。大体は織谷がやったことです。」
全くこいつは自己評価が低くて困る。
アメリカの時だって、お前がいなければ俺は"あの子"を救えなかったっていうのに。「俺だけなら世界は救えたかもしれないけど、"あの子"は見殺しにしていた。"あの子"を救ったのは間違いなくお前だぞ、武内。」
「宗のいう通りじゃ。プロデューサー、お前がおらんかったら今頃日本中で、下手すればアジア圏一体巻き込んでの大抗争じゃぞ。そうなればまず間違いなく、うちらは織谷の奴に殲滅されとった。あまり卑屈になるのはいい男のすることじゃないけん。」
そういうと武内の奴は首筋に手を当てて黙り込んだ。こいつ照れてやがる。
まあこいつは女の子の笑顔のために動いてるやつだからあまり自分の功績に興味がないんだろうが…。
「こっちも質問してええかの、宗?なんでお前さんがここにおるんや?またなんぞ問題でも起こったんか?」
「いや、武内の奴から自分がプロデュースしてるアイドルに会って欲しいって言われてね。」
色々と楽しい人ばかりだった。武内の奴の女の子を見つける目はほんとさすがである…。
「成程、そういうことか。正直プロデューサーがお前を呼んだと聞いて肝が冷えたぞ。」
別にそんなに巴ちゃん達の組に危害加えるつもりはないんだけどなぁ。きちんと裏の社会でそういうのが必要だと分かってるし、潰した所で別のが湧いてきて余計荒れるってだけで、正直意味がないし…。
「だからこそお前さんは怖いんじゃ。お前さんは割り切れる人間じゃ。自分の中に明確なラインを引けてしまう人間じゃ。
お前さん、多くの一般人や身内に被害が出たなら、意味があると思えば、手段を選ばずに即座に潰しに来るじゃろ?正直お前さんみたいなのは裏じゃ一番敵に回したらあかん人種や。文字通り何でもやりおる。
しかもそれでほんとに世界を相手にできる力を持っとるんだから性質が悪いどころの話じゃあないけん…。」
「まあでも、お前さんはうちらの組の恩人や!また実家に寄ってくれよな。その時は盛大に歓迎するで!」
そう言って巴ちゃんはにっかり笑う。確かに色々と気になることもあるし、一度寄らせてもらうことにしようかな。
「そっか。ならまた今度少しだけ寄らせてもらうね。それじゃあまたね、巴ちゃん。」
「おう、またな、宗。はよう来てくれるのを期待しとるで。」
女の子「なんで私なんか助けたの!?こんな私なんか!」
武内P「笑顔です。」
女の子「え?」
武内P「あなたの笑顔が見たいと思いました。きっととても綺麗なので。」
ちなみに大体武内Pのしてきた事がこれです。
それと書きたいネタがなくなったので一度ここで完結扱いにしようかなと思います。
なんか面白そうなネタがあればその内何か書くかも。