新しい人生は新米ポケモントレーナー   作:とぅりりりり

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TS(?)ネタ。アホな内容なので難しいことは考えないでください。読まなくても支障はありません。多分疲れてた。ヤマもオチもない。


逆転○○ちゃん

 

 

 

 グルマシティへ向かう途中、海沿いのラヅタウンにたどり着き、修行や休息も兼ねてしばらく滞在することとなった。

 歩き疲れてラヅタウンにつくなりすぐ熟睡してしまい、記憶があやふやだ。

「ヒロー? 早く起きなよー」

 妙に体が重くて気だるい。ぐずりつつもベッドから這い出て眠気覚ましに顔を洗おうと洗面所へ向かう。冷たい水で少し頭は冴えたが違和感は消えない。

「ヒロ、まだ準備できないの?」

 そう言って洗面所に入ってきた赤髪の眼鏡女。誰、と思う前に女はけらけらと笑う。

「何初対面の人間見たような顔してんの」

「……えっ、イオト……?」

「それ以外誰っていうの。もう一回顔洗ったら? 先にレストラン行ってるからねー」

 まぎれもなく女なのは間違いない。しかし、雰囲気というか顔立ちというか色々な要素がイオトであることを証明してくる。なにげに胸があんまりないけどリジアよりは一応ありそうだ。

 寝ぼけているんだろうか。なんでイオトが女になっているのか。というかなぜイオト本人は平然としているのか。

 わけがわからなくてもう一度顔を洗い、面をあげると見知らぬ女がいた。どことなく自分と似ている気がするが気のせいだろう。

 そのまま自分の体を見下ろすと妙に胸元が膨らんでいる。というかこれ――

「な、な……」

 胸部に膨らみ、脂肪の塊――ようするにおっぱいがついている。

 恐る恐る触って見ると柔らかい。そんなに大きくはないけど平均的くらいだろうか。

 ふにふにと触っていると途端にリジアのまな板を思い出してなぜか悲しくなってきた。

 すると、ガタッともの音がしてそちらを振り返り、自分が傍から見ると自分の胸を揉んでいるやばい状態だと気づいて血の気が引く。

「……何自分の胸揉んでるの……キモ……」

 ドン引きした目でこちらを見るのはエミ。イオトと違って見た目が全然変わっていない。が、よく見ると胸元がちょっと膨らんでいる。

「……エミ、おっぱい触っていい?」

「は?」

「すいません寝ぼけてました」

 あまりにも威圧的に言われるものだからさすがにこれ以上は言えない。というかやっぱりこれ、俺たち女になっている――?

 シアンはどうなっているのか、思い至り、慌てて慣れない着替えをすませてイオトが先にシアンとレストランに行くと言っていたのでまだ引き気味のエミと向かう。

 

 どこだろう、とぐるりとレストランを見回すと、なんか明らかに異質な存在がいた。

 

 混乱する頭で恐る恐る近づき、それに声をかける。

「シ、アン……?」

「はいですよ」

 

 俺の目の前でシアンだと返事をするそれは筋骨隆々な、世界観間違えてる何かだった。

 

 和服、のような何かなのだが袖が引きちぎられているせいで引き締まった上腕二頭筋が激しく自己主張してくる。嬉しくない腹筋チラリズムのおまけ付き。世紀末かよ。顔つきもなんか……せめて痛みを知らず安らかに死ぬがよいとか言いそう。お前本当に16歳のままか?

「ヒロちゃん、今日はやけに小さく見えるですね」

「俺にはお前が大きく見えるよ……」

 2mはあるんじゃないかな。俺は逆に縮んでるのですごく見下されるのは仕方ないものの、絵面がシュール過ぎて思考が追いつかない。

「ボクはまだまだ成長期ですからね。きっとまた背が伸びたです」

「それ以上伸びて何を目指すつもりだよ。覇王にでもなるつもりか?」

 一応言うとシアン(♂)と俺とイオト、エミ、の三人が女という図は完全にハーレムなんだけどシアン(♂)の見た目のせいですごく……お付きの者みたいに見えてしまう。ちょっと見た目のパワーが強すぎる。

 

 いや性別変わるだけでこんなに変わるのおかしくない?

 

 手持ちたちも一緒に食事をするためにボールから改めて出す。俺の手持ちだけじゃなく、全員オスメスが逆転している。

 マリルリさんもメスじゃなくなっている。イケメン度が半端ない。

 足元に擦り寄ってくるイヴを抱き上げ、あんまり変化がないことに安堵しながら抱きしめると草の香りで癒される。

「オスでもかわいいな~」

「ふぃ?」

 あんまり見た目に変化がないだけあってイヴや手持ちたちは心の拠り所だ。というか約一名が変わりすぎだ。誰だよこの世紀末。

 

 とりあえず、イオ子、エミ子、シアン(♂)と俺ヒロ子は何もなかったかのように町観光がてらゆっくりするわけだがシアン(♂)の存在感が強すぎてゆっくりできない。

 とりあえずありえないこの状況で一緒にいれるはずもなく、ゆっくり落ち着いて考えたいがために一人で回ると3人に半ば言い逃げるように走り出し、町中のベンチでぼーっとしていた。

「俺……男、だよな?」

 これを言ったらいけないとはわかってはいるのだが、リジアよりあるこの胸は、朝触ったときは確かに間違いなく自分の体のものだった。

 いったい何が起こっているのか。というか俺以外誰もこの状況をおかしいと思わないのか。

「ヒロじゃない。一人で何してるの」

 鈴の鳴るような声。聞き覚えのない女のそれに反応して顔をあげると見覚えはないが思い当たる人物が一人いて思考がフリーズした。

 着物、眼鏡、いつも怒ってるように見える顔。つまり……

 

「け、ケイ子――ッ!」

 

「誰がケイ子よ」

 

 黒髪和服美人(貧乳で眼鏡)とか要素はそのままなのに女になると途端に萌えキャラみたいだなお前……。ていうか改めてイオトと要素が似てるなこいつ。揃って貧乳とか遺伝子が強すぎる。

「うえぇ……お前もかよ……」

「なんかあんた、口調変わった?」

 まず性別が変わったかな……。

 とも言えないのでぐっと飲み込んで「い、イメチェン……」と答えると「言葉遣い悪いと男に引かれるわよ」とまるで女みたいなことを言われた。いや今俺はたしかに女なんだけど。

 俺以外が自分の性別に疑問を抱いていないせいで俺がおかしいみたいになってきた。あれ、俺は男だったよな? やばい、呑まれるな。

「あれ? ヒロ姉だ!」

 聞きなれない声。また誰か性別逆転しているのかと振り向くと水兵服の少年が笑顔でこちらに近づいてくる。これは、紛れもなく――

「ナギサ……?」

「ん? まさかもう忘れちゃった? えへへ、僕だよー」

 あざとい。男でもあざとい。いやかわいいんだけど、男だとどうしてもランタの方を思い出してしまう。俺の中ではランタが好青年になったというような見た目にしか見えなくて辛い。

 そんなことを考えていると、ナギサ(♂)の後ろからサングラスをつけてガムをくちゃくちゃしながら俺にガン飛ばしてくる女がいることに気づき、まさか――と思って震えた声で指をさす。

「ら、ランタ……?」

「あぁ? 何よ」

 ぎゃ、ギャルになるのかー! お前ら逆転したらあざとい美少年と態度の悪いギャルになるの双子のくせに極端だなー!

「こら、ラン! 女の子がそんな風に睨んじゃいけません!」

「兄貴がそう言うなら……」

 力関係も変わっていないようで兄と妹のやり取りを見ながらやっぱりシアンの変化は一人だけおかしいという結論になる。

「あれぇ、ヒロちゃんだぁ」

 あっ、この流れ察しがつくぞ。

 わかってはいるけど、一応振り返ってみると前髪で顔が隠れた陰気な男がいる。いや、予想はつくんだけど誰だこれと言いたい。まあでも要するにオカルトマニアだから男になるとこうなるんだろうなぁ……。

「リコリスさん、ご無沙汰ですね……」

「そんなに久しぶりって感じはしないけどねぇ」

 なんだこの狂った空間。

 俺だけがこの状況がおかしいと感じている。誰も違和感を抱かない。

「四人はなんでここに……?」

「レグルス団の目撃情報があったから」

 ケイ子がそう答えるが今それよりも俺は自分が正気なのかちょっと疑わしくて変な汗が出てきている。寝たら元通りになってないかな。

「……大丈夫?」

 俺の様子がおかしいと気づいたケイ子が顔を覗き込んでくる。うわめっちゃかわいい。でもケイを知っている分素直に喜べない。

「ヒロ姉具合が悪いなら病院案内しようか?」

 ナギサ(♂)が無駄にかわいらしい顔を心配そうに曇らせながら俺の手を取る。

 まずい、このままだと自分の性別を見失いそうになる。ケイ子には喜べないし、ナギサ(♂)には男相手だからときめいてたまるかという思いで頭が爆発しそうだ。

「だいじょうぶ、だいじょうぶだから、おれかえる」

 手を振り払って半ば逃げるように走り出した俺は町の外れまで脇目も振らず突っ走る。

 

 一旦落ち着け。俺は男。男だから。

 

 自分に言い聞かせているとカサカサと葉のこすれる音とともに誰かの気配を感じる。

 なぜか嫌な予感がして視線を向けてみるとどこか覚えのある格好。

 

 そう、男物のレグルス団の制服を身につけたリジアだった。

 

 元と違うのは体つきとみつあみの長さ。元よりかなり短めだがしっかり編んでいるのが確認できる。あとは女のときよりちょっと目つきが悪い気がするがそれ以外は服装くらいで大きな差はない。

「またお前か……」

 鬱陶しそうに吐き捨てる低い声。女のときより露出こそ少ないものの、すらっとした長い手足。

 

 懺悔します。リジア(♂)にドキドキしてしまいました。。

 

 いやでも元々好きな相手だから性別関係ない好意なんだこれは。つまり俺は決して男相手にドキドキしたわけではない。セーフ。

「り、リジアの性別が変わっても俺は好きでいられるってことだから……」

「は? 何ほざいてるんですか、お前」

 ダンッと壁に追い詰められて俗に言う壁ドン状態。顔が近くて見下される状況に鼓動が早まる。やばい、心まで女になりそう。

「いい加減、立場の違いをわからせないといけないようですね」

 リジア(♂)は背も高いし口調が丁寧寄りな分すごく威圧的でちょっとした恐怖だ。少なくとも、男女の力の差が逆転しているので前みたいにリジアを抑えることができなくなっている。

 ちょっと性別変わった程度で、と思っていたが割と本気でピンチかもしれないことに気づいてさーっと血の気が引く。

 ときめいてる場合じゃない。純粋の命の危険を感じたところで何かがリジアに飛んできた。

 リジアもそれに気づいて俺から離れると舌打ちして飛んできた方を見る。

「ヒロちゃんから離れるですよ!」

 

 シアン(♂)が現れた。絵面がシュールすぎる。どうやっても世界観を間違えている。

 

「チッ! コウガ!」

 ゲッコウガを繰り出したリジアだがシアンはポケモンの出す気配もなく強く拳を握りしめる。

「ふんっ!」

 シアンの拳圧でリジアが吹っ飛び、次いでゲッコウガも弾かれた。

 

 もうあいつ一人でいいんじゃないかな。

 

 ていうか真面目な話ポケモンを使え。

 ふっとばされたリジアとその手持ちはシアン(♂)が近づくとやばいとわかったのか即座にテレポートで撤退し、残されたシアンはフッと笑ってしみじみと言った。

「やはりボクが拳を交えるまでもなかったか……です……」

 何言ってんだこいつ。あと「ふんっ!」で地形を変えるんじゃねぇ。

「ヒロちゃん、大丈夫です?」

「俺は大丈夫だけど世界観が大丈夫じゃない」

 拳一つでポケモンを圧倒するんじゃねぇよ。もう性別逆転よりもシアン(♂)のインパクトが強すぎる。

「一人はあぶねぇですよ。一緒に戻るです」

 これと並んで歩くの嫌だなぁ、と思いつつシアン(♂)に近寄ると何かに足を引っ掛けて後ろに倒れてしまう。

 全ての動きがスローに見える。

 徐々に「あ、これやばい」と感じるのは足元に石ばかりがあるからだろうか。頭を打ったらシャレにならない気がする。

 

 鈍い音とともに、視界が暗転し、強制的に意識が途切れていった。

 

 

――――――――

 

 

 跳ねるように飛び起きるとまず自分の体を確認して胸がないことや自分の息子がちゃんとあるのを確認して安堵する。

 ベッドから飛び降りてレストランがある方へと向かうといつもの見慣れた3人が先に朝食を取っていた。

「あ、ヒロ。今日はやけに遅いね」

「俺より遅いなんて珍しいなー」

「ちゃっちゃとご飯食べちゃうですよ」

 エミの胸はない。イオトも呑気にスープを飲んでいる姿は男のもの。

 そして、シアンもちんちくりんなピンク頭。

「よかった……シアン……いくら筋肉が好きだからってあんまり鍛えすぎるなよ……」

「は? いきなりなんです?」

 いつもどおりのシアンを見て心の底から安堵した。よかった……世界観無視した世紀末覇者シアンなんていなかったんだ。

 

 謎の悪夢のせいで男リジアに対するときめきとかもろもろ危ない道の踏み外し方を仕掛けたがきっと大丈夫、明日には忘れると自分に言い聞かせて遅めの朝食をとるのであった。

 

 

 

 ――ポケモンセンターの外に、ムシャーナがいることに気づかないまま。

 

 

 

――――――――

 

 

 

「うーん……」

「リジ姉、どうしたッスか?」

「いやぁ……変な夢を見まして」

 レグルス団アジトでぼんやりと雑用をしていたリジアはキッドに夢の話をする。

「私が男になってる夢なんですけど、あんまり詳しく思い出せなくて」

「へー。俺、夢とか見てもすぐ忘れるッス」

「んー……なんかちょっと楽しかった気がするんですけど」

 結局あんまり思い出せないままリジアは雑用を片付けていく。夢のことは一日と経たずに忘れられていくのであった。

 

 

 

 




ヒロ子:あんまりかわらないけどちょろい
イオ子:重度のショタコン
エミ子:大差ない
リジア(♂):ちょっとだけ強気
ケイ子:少し女子力が上がる
ナギサ(♂):あざとい
リコリス(♂):オカルトマニア化が激しい
ラン子:ギャル

シアン(♂):ジョインジョインシアン


Qなあにこれぇ
A疲れてた


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