ブラック鎮守府で我が世の春を   作:破図弄

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なぜかグダグダの鎮守府。

艦娘たちと深海棲艦たちの思惑。

彼を応援してくださいね。


第8話 できる女、間宮

執務室に戻ると間宮が居た。

いつものように応接セットのテーブルに出前が置いてあった。

 

「またか、全くご苦労なこった。

 何なら女体盛りでも用意しておけよ、クヒヒ」

間宮の男好きする船体を嘗め回すように眺める。

これは欠かせない有用なセクハラだ。

 

「あ、あの・・召し上がって(・・・・・・)ください」

間宮が伏し目がちに朝食を勧めてきた。

 

「・・おい!

 俺の目の前で気を抜くとは偉くなったもんだな」

「え!・・あの提督、何を」

俺は餌付けに成功したと思っている間宮に身の程を教えることにした。

 

 = = = = =

 

提督が戻られました。

ご無事なのでホッとしてしまいます。

 

「またか、全くご苦労なこった。

 何なら女体盛りでも用意しておけよ、クヒヒ」

まさか鎮守府全員を相手にしても、まだ足りないのでしょうか?

わたしに投げられる情熱的な視線。

 

今ならきっと邪魔は入りません。

「あ、あの・・召し上がって(・・・・・・)ください」

わたしのほうから抱いてだなんてはしたないことを言ってしまいました。

 

「・・おい!

 俺の目の前で気を抜くとは偉くなったもんだな」

「え!・・あの提督、何を」

服を脱ぎ始めたわたしになぜか提督は不機嫌です。

 

 = = = = =

 

「日勤中に服を着崩して寛ぐのを俺が見逃すと思っているのかよ」

「・・・・」

間宮の顔が真っ赤になっていく。

怒り心頭ってところか。

ブラックな俺が風紀に甘いと思っていたなら残念だったな。

「俺はな自分には甘いが艦娘たち(お前ら)には厳しいんだよ。

 とっとと持ち場に戻れ。

 艦娘や深海の連中が腹空かしてんだろ。

 鳳翔や伊良湖だけじゃ回せねえだろ、グズ」

俺は間宮に蹴りを入れる。

これでダメ押しは完璧だ。

 

顔が真っ赤なまま俯く間宮は無言で執務室のドアを開け放ったまま出て行った。

 

「頭に血が上りやがったな。

 俺にかかればこんなもんさ」

間宮がパタパタと去っていくのを見届けてドアを閉めた。

 

改めて間宮の用意した朝食を食べることにした。

ソファに座り朝食を覆っているフードカバーをどける。

「今日のメニューはずいぶん精のつくメニューだな

 魚介類の煮込みと豚の生姜焼き、納豆とヤッコ、山芋に海苔か」

とにかく朝食しては、おかずが多かった。

「うな丼がついてりゃ100点だったな」

大盛りの丼を手にして、今日最初の任務を朝食を胃に納めることに定めた。

 

 = = = = =

 

(提督のイジワル♪

 本当にブラックです♪)

間宮はニヨニヨが止まらなかった。

<俺はな自分には甘いが艦娘たち(お前ら)には厳しいんだよ。

 とっとと持ち場に戻れ。

 艦娘や深海の連中が腹空かしてんだろ。

 鳳翔や伊良湖だけじゃ回せねえだろ、グズ>

 

自覚がないのかもしれません。

情熱的な視線だったのに自制していただくなんて。

そのうえ艦娘たちの空腹や鳳翔さんたちが忙しいことを気にしていただいて。

「・・・・照れ隠しのキックも最近はかわいいと思えますね」

 

間宮は脱ぎ掛けた服を着直しもせず食堂に入っていく。

「おはようございます!」

 

 = = = = =

 

間宮が食堂に姿を見せた瞬間、彼女を中心に同心円状にどよめきが伝播していった。

 

「ま、ま、間宮さん」

「ふ、服が!」

「やっぱり司令官のところで!」

「ゲス野郎、オレのほうがちょろいんだぞ!」

 

「加賀さん、今からでも遅くありません。

 間宮さんの敵討ちに参りましょう」

「赤城さん、胸当てを外すのは露骨です」

正規空母2隻はなぜが競うようにただの袴姿になっていた。

 

「翔鶴姉ぇ!五航戦も出撃よ!」

「五航戦の子にはまだ早いわ」

加賀が瑞鶴を切り捨てるように言った。

 

「はいはい、中佐に限ってはこんな短時間じゃ終わらせないから。

 みんな落ち着いて」

中尉は頬張ってた生姜焼きを飲み込むと浮足立ってきた艦娘たちをなだめた。

 

 = = = = =

 

「間宮、説明して」

「あ、はい」

「その前に服直して、こぼれそうだから」

「へ?

 ・・キャーキャー」

中尉の指摘に間宮は自分の胸元を見て慌ててブラウスのボタンを留めた。




抜けられなかった間宮でした。

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