ブラック鎮守府で我が世の春を   作:破図弄

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とうとう2艦隊に蹂躙される鎮守府。

彼を応援してくださいね。


第13話 つかの間の安息

「皆さん、飲み物は行きわたりましたか?

 では、とんでもないゲス野郎から乾杯の言葉です」

眼鏡の反抗的な仕切りで艦娘と深海棲艦が飲み物の準備をしている。

 

「あー、この鎮守府ももう終わりだと思う。

 さすがに深海棲艦たちをヒーヒー言わせるだけの体力は俺にない。

 鹵獲された連中も俺の命令を聞け、以上、乾杯!」

≪≪かんぱーーーい(カンパーーーイ)!≫≫

 

「新入りども、間宮たちの飯で轟沈しとけ、キヒヒ」

「ソウ カンタンニハ イカナイサ」

提督の言葉に自信満々の泊地水鬼。

 

数分後、鳳翔の焼き鳥の虜になっていた泊地水鬼が発見された。

 

 = = = = =

 

「中佐、デタラメなブラックだよ」

「中尉、それこそ、俺なんだよ」

 

食堂から抜け出し、屋上に人間がふたりきり。

 

「あー、中尉。

 心配かけてすまなかったな」

「な!あなた、本当の中佐なの?」

中尉は腰のホルスターから回転式拳銃を抜いた。

「こらこら、物騒だろ。

 ・・・・いやな、今回ばかりはダメだと思ったよ」

シガーに火をつけ、フェンスに身体を預けるとふかし始めた提督。

 

「らしくないよ」

「でもないさ。

 艦隊を前にするのが、あれほど心細いとは、想像できていなかった」

提督の背中に縋り付くように中尉は寄り添った。

 

「あの状況で、彼女は踏ん張ったんだな」

「彼女?」

「ああ、懐かしい彼女さ」

提督はキョトンとする中尉に目線で見る方向を教えた。

 

「オジョウサマ オヒサシブリデ ゴザイマス」

声の主はレ級だった。

 

「レ級よね」

中尉には何のことかわからなかった。

「なりは小さくなったが、彼女だよ」

「え、え、え。

 ・・もしかして、信貴お姉ちゃん?」

中尉に微笑みを向けるレ級。

 

 = = = = =

 

「テイトクー、モット カマッテクレナイト ハンラン スルゾー」

「深艦達より、俺たちへのイヤガラセ(いいこと)のほうが先だろうが」

酔った飛行場姫と生巡は提督に絡んでいた。

 

ついさっきまで屋上にいたのに妖精さんたちが探索、発見し食堂に連れ戻されてきた。

 

「そんなこと言っていいのか。

 お前ら、俺に構うと恥ずかしい姿を敵味方にさらすことになるんだぞ、クヒヒ」

 

「て、提督。

 あ、荒潮は、おへその下がキュンキュンしています。

 ちょ、懲罰ください!! もう我慢できません」

「そ、ダメよ。

 それは独立愚連艦隊の連帯責任なんだから」

高雄の言葉に愛宕が相槌を打つ。

 

「ちょっと待ちなさい。

 懲罰と言ったら、帰還命令を守らなかった我々が受けるべきだろう」

長門の言葉に提督の救援に向かった艦娘たちが一斉に頷いた。

 

「だめよー、みんな一度は帰還したから、命令違反はしていませんよー。

 テイトクー、私にご褒美くださいね、もう我慢できない、ハァハァ」

「おい、龍田、お前変だぞ」

座っている提督の許の艦娘や深海棲艦たちを押し退け、目が据わっている龍田が提督の前に跪く。

 

「んふふふ~、逞しいご褒美♪」

「ちょ、離せ、話せばわかる」

「提督、どうぞ、お話しください。

 私は離しませんけど~。

 あん、引っかかって見せてくれませんね」

龍田がいよいよ吶喊するその瞬間。

 

≪ゴキッ≫

鈍い打撃音とともに龍田は動きを止めた。

 

「はあ、はあ。

 は、はしたないことをするんじゃねぇ」

龍田の薙刀を構える天龍が肩で息をしていた。

 

「生巡、よくやった。

 今夜、かわいがってやろうか、キキキ」

「オ、オレなんかでいいのかよ」

顔を真っ赤にし、照れている天龍は、提督に顔を向けられなかった。

 

「らしくねえな。

 こんなことをしたら、ぶっ倒れそうだな」

提督は、この生巡めとばかりに頭をガシガシ撫でた。

 

その直後、のぼせたように気を失った天龍が姉妹艦と並んで寝かされていた。

 

 = = = = =

 

情報部の一室。

 

「この報告の確度は?」

「噂の域を出ておりません。

 しかしながら、近隣水域に対して、頻度は低いようですし、水の消費量が不自然に多いようです」

「フム」

その士官は一考すると部屋の中を数回往復する。

 

「よし、査察の準備だ。

 状況次第では戦闘になるだろう。

 その時はわたくしが前に出ましょう」

「そんな、閣下自らでなくとも」

「貴様らで敵う相手だと思わぬことだ」




とうとう情報部に情報が。

ブラック鎮守府の運命はいかに。
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