提督の野望は達成できるのか?
彼を応援してくださいね。
「おーい、巡洋艦」
「何ぃー、飲み行くのぉー」
「お前じゃねぇよ、お前、空母だろ」
「紛らわしい呼び方するなよぉー」
「うるせぇよ、薄いの破るぞ」
「・・・・ふふん、全力で抵抗するぜ、パーッとな。
ヒャッハー!」
いきなり真っ赤になったかと思ったら意味不明のハイテンションになった軽空母。
俺は、無視して、生巡のところに。
「なんだよ」
生巡は警戒し、身体の向き変えて、尻をガードする。
「何、期待してんだよ、ドMビッチ」
「オレはドMでもビッチでもねえ!
殴り込みに行くぞ、オラー!」
一歩踏み込んで拳を向けてくる巡洋艦。
俺はその拳を手のひらで包むように掴むと脚の間に蹴りを入れる。
「解体すんぞ」
「ひゃん、お、お、お、お前ぇーーーーー、どこを蹴りやがるーーーーー」
痛くはないはずでも、破壊力は抜群のようだ。
耳まで真っ赤にした巡洋艦だが、両拳は、すでに両掌で封じている。
ブンブン振り回そうとするが、俺が放さない限り、攻撃に繋がらない。
無駄にあがいて息が上がる巡洋艦を引き寄せて耳元に息を吹きかける。
「フッ」
「ウオッ!、な、な、何」
「ビッチぃ、期待してんじゃねぇ」
「ビッチじゃねえ・・・・よ」
萎れてしまった生巡。
「手を放すが、殴るんじゃねえぞ」
「ふん!」
手を放すと巡洋艦はふくれてソッポを向いてしまった。
俺は制服の内ポケットからこいつに渡す予定のワイロを取りだし、巡洋艦の手に握らせる。
「な、何これ?」
「硬くて長いのが好きだからって、あんまり強く握るなよ」
「・・・・あ!な、なんだよ、それ。
あ、あ、あ、あんまり言い過ぎるとぶん殴るぞ!」
さんざん
「くっそー、舐めてるだろ!オレのこと舐めてるだろーー!」
「おいおい、周りが引いてるぞ」
≪ヒソヒソ、ヒソヒソ≫
≪ねぇねぇ、舐めるって・・・・≫
≪それは、・・・・やっぱりかな?≫
「ちがーう、みんな、誤解だからー」
鎮守府の中庭には、羊羹を握った両手を天に突き上げる生意気な巡洋艦の姿があった。
渡すものは渡したので、俺はその場を後にする。
少し離れたところで言い忘れたことを思い出した。
「おーい、なまじゅーーーん!そのワイロはぁーー、荷物運びしたお前んとこで分けて食えよぉーーー」
≪ワイロ?≫
≪もしかして、みんなでやられちゃったとか≫
≪食べられちゃったから、今度は食べちゃえとか≫
「バカヤロー!コレ何とかしろよぉー、ゲス野郎ぉーー!」
= = = = =
(てーとく・・・・)
≪バキッ!!≫
(・・・・)
スタスタスタ
「ねぇねぇ、ここ誰か使ってるー?」
「たぶん空いてるよぉー」
「じゃあ、洗おっと。
・・・・誰ですかぁー、洗濯板割っちゃったのぉーーー」
= = = = =
町に向かって走る
夜中のうちに工作艦が整備しておいてくれたので調子がいい。
「ワイロってたこ焼きとかがいいかな」
工作艦は、絶対、味方にしなくては鎮守府を我が物にすることはできない。
抱きこむのに良い方法はないかと思案する。
とりあえず、必要と言われた要望を叶えてやって様子をみるか。
お気に入りの銘柄に火をつけて、息抜きに嗜好を重ねて道中を楽しむことにした。
攻略する対象が増えてきました。
生巡はもう落ちてるかも知れませんね。