ブラック鎮守府で我が世の春を   作:破図弄

22 / 111
さぁ、いよいよでしょうか!

ここで提督の威厳を示せるか!

彼を応援してくださいね。


第22話 パワーバランス

「あ、熱いな」

「無理にしなくていいぞ」

 

「む、無理はしていない」

「その割にぎこちないな」

 

「先任の時は、ただ終わるまで耐えていただけだったから」

「やっぱり、無理しているだろ」

 

「わたしじゃダメなのか」

「いや、どっちかというとねじ伏せて、好き放題してやりたいところだが・・・・」

 

「そ、そうか。

 貴様もそうなのだな。

 わ、わかった・・・・

 おい・・・・」

「・・・・Zzz」

 

「なんだ、好き放題とか言っておきながら・・・・」

≪ゴソッゴソッ≫

「むーーー。

 入渠で復旧できるにしても、好き放題されている間は、正気を保っていられるかどうか、わからんな」

戦艦は、目が覚めた提督がほかの艦娘に劣情(モノ)を無理強いするのを防ぐため、その場に留まった。

 

緊張に疲れた戦艦は、いつの間にか眠ってしまった。

 

 = = = = =

 

「いつの間にか眠ってしまったか」

(・・・・ぐっすり眠っていたということか)

 

戦艦は、横で眠っている提督の鼻を摘まむ。

「憎らしい人ですね。

 早く、その本性を現しなさい」

鼻を摘まむのを止めて、身を起こす。

「これでも食らいなさい」

<ふにゅー>

「ふふ、息がくすぐったい」

 

部屋はもう明るい。

戦艦は布団から離れ、昨晩脱ぎ捨てていた服を着る。

「今、目が覚めたら、危ないかもね」

戦艦は、ちらりと提督を見たが、起きる様子はなかった。

 

 = = = = =

 

「てーとく、起きてください」

「・・・・おお、眼鏡。今何時だ」

「マルロクサンマルです」

「そうか。

 今日、来客が2件ある。

 執務室に通してくれ」

「お時間は?」

「おそらく午後いちだ」

「了解しました・・・・」

「どうした?部屋を見回して。

 何か落としたか?」

「私以外、誰かいましたか?」

「お、おお。

 いたいた」

「だ、誰ですか!」

「誰でもいいだろ、どうせ、全員竿姉妹になるんだしよ、キヒヒ」

 

≪ガッコン!≫

「判った、判った。

 艤装を引っ込めろ。

 お前も可愛がってやるから」

 

≪ドッドドーン≫

「次は外しません!」

 

 = = = = =

 

「さっきの砲撃、誰だったんだろうね」

「巡洋艦の誰かっぽい」

「わたし、あれで目が覚めた」

 

朝の食堂は、鎮守府内での砲撃音の話題で持ちきりだった。

先任(クソ)の横領が顕著になってから、携行する弾薬も不足し、各自節約を強いられていた。

命がかかっているため、なおさらだった。

久々に聞いた音だった。

 

「全員、傾注。

 提督から通達があります」

≪ざわざわざわざわ・・・・≫

 

「諸君!おはよう。

 今日は、諸君らに朗報を知らせることができてうれしい」

≪ざわざわざわ≫

 

「近日中に諸君らに新しいユニホームを支給できることになった」

≪≪キャー!キャー!≫≫

 

「改めて、サイズの再申請をしてほしい。

 詳しくは、眼鏡に相談してくれ。

 では解散。

 眼鏡、後を頼む」

 

「良かったー」

「タイミング良かったっぽい」

「なんか夢みたいだね」

 

「そこの駆逐艦」

 

『お呼びですか、提督』

『っぽい?』

『どうしよう』

 

「お前だ、スカートが裂けてるのか?」

「えっ!あ、あの、これは、その、洗っていたら、すみません、すみません」

 

「悪くないっぽい!」

「古いのしかなくて、仕方がなかったんです!」

 

「そんなことはどうでもいい。

 脱げ!」

「え?」

「早く脱げ。

 俺は忙しいんだ」

「でも」

「どうせ、艦娘しかいねぇだろが。

 解体するぞ、グズ」

「・・・・はい。

 これでいいですか!」

「何してんだ?」

駆逐艦は、何を思ったか、スカートを脱いで、目の前に立った。

 

「え、何って、その・・・・」

「新しいユニホームが届くまでそのままじゃ困るんだよ。

 貸せ!」

俺は、駆逐艦からスカートを取り上げると私室に向かう。

 

こんなこともあろうかとアレが役に立つかも。

俺は、偶然、購入していたモノの使い道を思いついていた。




下半身、下着丸出しの駆逐艦。

戦艦さん、欲情してはいけませんよ。

▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧 ※ログインせずに感想を書き込みたい場合はこちら
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。