ブラック鎮守府で我が世の春を   作:破図弄

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ブラック鎮守府は機能しません。

彼はめげません。

野望に向かってまっしぐらです。

彼を応援してくださいね。



第3話 鎮守府機能停止

「はい、全艦出撃不能です。

 全く、ひどいものです」

 

≪報告書を提出せよ≫

 

「はい、了解しました。

 ただ、機能復帰を最優先としたいと愚考いたします」

 

≪やむを得まい≫

 

「ありがとうございます。

 重ねてお願いがあります。

 よろしいでしょうか?」

 

≪緊急事態だ。

 受け付けよう≫

 

「近隣の鎮守府に当鎮守府の索敵を肩代わりしていただきたい」

 

≪検討してみよう≫

 

「ありがとうございます」

 

≪あくまで検討だけである≫

 

「はっ!了解であります」

俺はマイクの前で敬礼をした。

 

通信機のスイッチを切った。

 

「クソが、電話料金までピンハネしてやがった」

先任は、受信のみの契約に切り替えてわずかな基本料までケチるクソだった。

 

まあ、それを逆手にとって、緊急無線で大本営に連絡した。

おかげで、大本営も事が重大だと勘違いしてくれただろう。

 

腹を減らした艦娘が、小汚く臭く転がってるだけだったし、一週間もしたら、選び放題やり放題。

 

キヒヒ、たまらねえなぁ

 

 = = = = =

 

間宮は、久しぶりに厨房に立って(・・・)いた。

 

残り少ない練炭と豆炭に火をつけ、あるだけの寸胴鍋に薄い粥とカレーの汁を作っていた。

具はない。

 

先任の提督が、食事を禁止して以来、弾薬、燃料までもが減らされた。

 

ガスが止まり、ボイラーの火が消え、水が止まったのはいつだったろうか。

記憶があいまいで覚えていない。

 

雨水で凌いだのも数日だけ。

 

【鎮守府から離れることを禁ず】

先任の最後の命令は、電気を止められたこの鎮守府への死刑宣告に近かった。

 

この時すでに歩いて助けを呼びに行ける者が居なかった。

辺鄙な鎮守府に来訪者もなく、静かに死を迎えるようだった。

 

そんな時、どうやら後任の提督らしい。

 

・・・・最悪だった。

わたしたちに【汚い】【臭い】と罵声を浴びせる。

 

艦娘にも心がある。

 

次の提督の方が、容赦がなかった。

 

間宮は俯いて立っていた。

床に滴が落ち続けていた。

 

 = = = = =

 

「おい!何してんだよ」

俺は、突っ立てる間宮に蹴りを入れる。

 

間宮は、一瞬ビクッと動いたあと、動かなかった。

 

「無視すんなよ。

 できたか?」

 

『はい』

 

「じゃあ、ちっこい奴らから食わせるぞ」

 

俺は、柄杓で椀に粥を入れ、その上にカレー汁をかけた。

そして、近くに転がってる駆逐艦を起こして飲ませた。

 

駆逐艦は、熱がりもせず一気にがっついて飲み干した。

(間宮は、こいつらが火傷しない程度に冷ましてやがったか)

 

「まだたくさんあるからね」

間宮が2杯目をよそおうとした。

 

「勝手なことしてんじゃねえよ」

俺は、駆逐艦からつかみ取った椀を間宮に投げつける。

 

椀は、間宮にヒットしていい音が鳴った。

「アハハ、いい音が鳴ったよな」

おっと、はしゃぎ過ぎた。

 

駆逐艦の髪を掴む。

駆逐艦は身体を縮め強張る。

 

「俺の命令なしに勝手に食うな。

 まず全員、食ってからに決まってるだろ。

 バカか!」

意地汚い駆逐艦を怒鳴りつけてやった。

うーん、いい感じ。

俺が、鎮守府の主だもんな。




間宮さん、駆逐艦ちゃん。

災厄はいつまで続くのでしょうか?
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