ブラック鎮守府で我が世の春を   作:破図弄

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大淀に気を使ってしまった提督。

ブラックから脱落しそうです。

彼を応援してくださいね。


第32話 間宮の憂鬱

「間宮さん、定食をお願いします」

「畏まりました。

 ちょっと待ってくださいね」

 

巡洋艦までは、通常の食事が摂れるようになった。

戦艦や空母の皆さんはまだ粥だった。

物足りないと思われたが彼女たちの表情は明るかった。

談笑しながら、手が止まることもなく鍋を空にしていく。

 

厨房には駆逐艦たちが(はしゃ)ぎながら、間宮さんを手伝っていた。

 

うー、ゲス提督が着任したはずなのに。

みんなの表情が明るい。

きっと先任(クソ)とのギャップで錯覚しているはず。

はずなのに、別の可能性を否定しきれない。

わたしは、ほかの鎮守府と連絡が取れる。

先任(クソ)の時には、その機会は皆無だった。

通信が復旧してから、近隣の鎮守府に連絡を取った。

それとなく提督の噂を聞いた。

返事は共通して、そんな提督の話を聞いたことがないということだった。

あの提督は本物だろうか?

その疑問への返答は、まったく別の将校の話だった。

 

容姿は主観のため、あまりあてになりそうもないが、とりたてて褒めるでなく、可でもなく不可もなくといったところか。

ただし、人格に関しては、絶賛と言ってもよかった。

今の提督に出合っていなければ、転属したいと言った艦娘もいた。

 

「嘘、あんなゲスに。

 スカートの中に手を入れてくるのよ」

そうだ、そんなセクハラを重ねてくるヤツだ。

 

 = = = = =

 

大淀さんの顔が赤い。

 

女だから判る。

充実したその表情に焦りを感じる自分がいる。

 

提督は、優しい?

 

蹴られ、髪を掴まれ、言葉は私たちを罵った。

でも、提督は、あの人は、交換条件で、わたしたちを求めなかった。

何人かの提督に、わたしたちは、身体を明け渡してきた。

入渠することで身体は、元に戻る。

だから、我慢できた。

 

でも、この提督は違う気がする。

あれほどの傍若無人のはずなのに、それで泣いている艦娘がいない。

 

ただ単に気まぐれなのかもしれない。

でも、食堂(ここ)で食事をせず、わたしにそれを求めない提督(かれ)

 

わたしは、自惚れもあり、自分の肉体に多少自信がある。

今までの提督(おっさん)たちの反応が根拠だ。

 

間違いない。

提督は、わたしの肉体は好みのはず。

でなければ、膝に座ったとき。太腿に押し付けるような圧迫がありようもない。

 

だから、昨日のアレが判る。

 

気持ちが向かないと手を出してくれない。

 

はしたない自分に気が付いた。

ビッチなんだ。

 

提督は、ビッチが嫌いなんだろうか。

待っていれば・・・・

 

「間宮さん。

 次の鍋をお願いできるかな」

「あ、ハイハイ。

 もうすぐですよ。

 遠慮なく食べてくださいね」

 

「おかしなものだ。

 粥だと、いくらでも入る代わりに

 皆に食事が行き渡るだけ、気が楽だ」

 

「あーあ、長門ったら、それで提督に言いくるめられたのね」

「食べ物で釣られるのは仕方がありませんわ」

「わたしも彼女と同意見」

「一航戦は仲が良いですね」

 

間宮はこの時、戦艦と空母は条件が整えば、要注意艦娘に躍り出ると思った。




提督がいないところで、ややこしくなっています。
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