ブラック鎮守府で我が世の春を   作:破図弄

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物資も補充された鎮守府

艦娘も体力が戻ってきました。

彼を応援してくださいね。



第36話 鎮守府の回復

俺は今、間宮の私室にいる。

正確には、待ち伏せということかもしれない。

 

日付が変わったが間宮が戻ってこない。

大食いが、まだ食い終わらないからだろう。

 

執務室と私室は洋装だが、艦娘たちの部屋は和装になっている。

空調の差なんだろう。

執務室には、クーラーが残っていた。

先任(クソ)は、生活環境を維持したかったんだろう。

 

今思いついた。

自分だけの風呂があったんじゃないのか?

 

艦娘の部屋には、据え付けの空調はない。

ここは元々扇風機しかなかった。

引き戸を開けっぱなしにして、扇風機を回せば夏を凌げるらしい。

その扇風機も売り飛ばされて、去年の夏は、地獄だった。

調査して、殺意が湧くほどだった。

 

引き戸と床の隙間に光が漏れる。

間宮が帰ってきたのかもしれない。

 

その予想は、間違っていなかった。

引き戸が開かれると湯上りの間宮が立っていた。

「提督!・・何かご用ですか?」

「立ち話もなんだから、入ってこい」

「・・・・はい」

 

板間の隅に畳が置かれている。

俺が座っているところだ。

文机があり、ひじ掛け代わりにもたれている。

 

「いい部屋だな。

 俺が入って台無しだが、キヒヒ」

「・・・・」

 

「今日、もう昨日か。

 入荷した食料のリストだ。

 明日から大食いも通常メニューに戻せ」

間宮の顔は、ぱぁと明るくなった。

「給糧艦間宮!明日から通常運用を再開します!」

「人手は、非番のを使え。

 砂糖を100キロ俺が使うから、除外しとけ」

「・・わかりました」

リストを文机に置いて立ち上がる。

 

「あ、あの」

「なんだ?」

「提督のお食事を」

「そうだな。

 俺は、汚職は喜んでするが?」

「茶化さないでください。

 このままでは、お身体に障ります」

「俺を心配して、何か得することでもあるのか?」

間宮は黙ってしまった。

 

これが現実だ。

自分は安全な鎮守府に居て、艦娘(こいつ)らを死地に行かせる提督(ゲス)を心配する必要がどこにある。

 

いっそのこと、好き勝手、やりたい放題してみせれば、提督(ひきょうもの)の命令を絶対とせず、生き残る道を選ぶようになるだろう。

「大声出すな。

 邪魔されたら興を削がれる」

俺は、間宮に手を出す。

湯上りの石鹸とおそらくは間宮の匂いが鼻腔をくすぐる。

この間宮(・・)も同じ匂いがする。

 

「別に嫌がってもいいんだぞ。

 その方が、興奮するからな、クヒヒ」

間宮は、抵抗しなかった。

「【窮鳥懐に入れば猟師も殺さず】は、俺に通用しねえよ」

間宮を畳へ組み敷く。

「どうだ?

 お前が信じたお優しい提督なんかここにはいないぞ、クヒヒ」

「・・・・ぃ」

「どうしたぁ?

 泣いてもいいぞ。

 止めねえがな、キヒヒ」

間宮の頬を舐めあげる。

湧きだす嫌悪でいっぱいだろう。

 

(このままじゃ、ダメ!)

わたしは思い続けてきたことを行動に移した。

 

わたしを組み敷くこの男性を跳ねのけ、逆に抑え込んだ。

そして、この男性(ひと)の心臓の音を聞く。

「嘘つき」

「くっ!動かねぇ」

「人間は艦娘に勝てません。

 すべては艦娘の自制心に成り立つんです」

「ち、きっしょ」

非力なこの男性(ひと)は往生際が悪くもがいている。

 

「止めないのは、こっちの方です」

わたしは初めて(・・・)自分の想いで唇を重ねた。

たぶん、ほんの少しの間だったはずなのに、わたしの中では長い時間だった。

「ぷはぁ。

 さあ、どうですか?」

「ビッチが。

 大人を見くびるんじゃねえよ。

 これからどうするつもりだ?」

「え?」

間宮は固まった。

 

数分後、提督は間宮の私室から出てきた。




間宮は頑張りました!

でも、まだです。
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