ブラック鎮守府で我が世の春を   作:破図弄

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頑張った間宮

せっかくの据え膳だったのに

彼を応援してくださいね。


第37話 訪問の準備

「本日、マルナナマルマルを以って、鎮守府の通常任務を再開する。

 近日中に近隣鎮守府との演習を行う予定である。

 訓練を開始せよ。

 なお、昼食は、間宮が外出のため、行動糧食で賄うこと。

 眼鏡」

「以上、解散!」

 

 = = = = =

 

今、リトルシガーをふかしながら、軍用車を転がしている。

 

ルームミラーを覗くと後部座席では、眼鏡と間宮が気まずそうに座っているのが見えた。

 

今朝のアレが原因だろう。

 

 = = = = =

「眼鏡、今日索敵を代行してくれていた鎮守府に挨拶に行くから、同行しろ」

「・・・・はぃ」

「どうした?仕事でヘマでもしたのか?」

「いえ、その・・・・」

巡洋艦は、制服を弄り言葉にしなかった。

 

「伸びたゴムのパンツは嫌だろうな、キヒヒ」

「パンツは見られませんから!」

「パンツって言ってしまいやがった、このスケベスカート」

「な!」

「俺にも面子ってもんがあるから、途中で訪問着を買ってやるよ」

「え!でも、それは経費じゃ・・」

「俺のポケットマネーからだよ。

 これでお前は俺の命令のままに動く奴隷みたいなもんだな、キヒヒ」

眼鏡には、私費で服を購入する以外の内容は、聞こえていなかった。

 

 = = = = =

 

「間宮、他所で幸せに暮らす間宮(・・)を見せてやる」

「提督・・・・」

間宮は手を胸の前で握り、瞳を潤ませていた。

(どういう意味だ?)

幸せに暮らすというキーワードだけが独り歩きをしていた。

 

 = = = = =

 

「間宮さん、どうしたんですか?」

「大淀さんこそ」

「わたしは、てーとくのお供でほかの鎮守府にご挨拶に」

「わたしは、ほかの鎮守府の幸せな【間宮】に合わせてくれると」

((提督(てーとく)は、わたしをお披露目するために連れ出すんじゃないの?))

 

 = = = = =

 

町に来た。

おととい以来で特に何も変わっていない。

 

早速、服屋に行く。

中尉に聞いておいた店にする。

 

「いらっしゃいませー」

中に入ると居づらい空間だった。

洋装を中心に下着から小物まで揃えている店だった。

 

「あー、彼女らに訪問着として使える服を見繕ってくれないか?」

「特にご希望がございますか?」

「いや、彼女らの希望通りでいい」

「畏まりました」

「じゃあ、俺は外で待ってるから、早めに決めろよ」

 

そそくさと店を出る。

店の駐車場があってよかった。

(一時間は覚悟しないとな)

女の買い物は長い。

そのうえ、似合っているかどうかを聞いてくる。

そして、褒めながら、似合っていると言う。

そこから、また品定めが再開する。

 

ふいにドアが開き、誰かが乗り込んできた。

「ちゅーさ」

「中尉。

 また(・・)さぼりか?」

中尉だった。

「ひっどーい。

 わたしが推しのお店を教えたのにぃ」

「いやいや、軍務はどうした?」

「えへへー」

コイツ笑ってごまかしやがった。

「ねえねえ、わたしもついて行ってあげようか」

「それ、意味あるのか?」

「わたしは、ただの中尉だけどぉ、ね?」

「フィアンセでも何でもないのに意味あるか?」

中将の娘ではあるが、俺とは無関係だ。

「そ、そこは、なにかあるんじゃないかって、思わせるのよ!努力してよね」

「なんの努力だよ」

 

 = = = = =

 

「お優しい提督ですね」

「「はい!」」

 

「インナーはどうされますか?」

「あんまり甘えることはできませんから」

「わたしも・・・・」

 

「商売抜きっていうものできませんしぃ。

 着てみせてみませんか?

 お気に召したら、買っていただけるかもしれませんし」

 

数分後、店に呼ばれた中佐は、一緒に店に入った中尉に関節を決められ床を叩いていた。




眼鏡は半ケツのローライズ
間宮はレース柄の紐パンでした。

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