ブラック鎮守府で我が世の春を   作:破図弄

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眼鏡がもめたのはなぜでしょう?

間宮はドMでしょうか?

彼を応援してくださいね。


第44話 ブラック提督、帰るカッコカリ

「吹雪、くすぐりには慣れたのか?」

「はい、もう泣いたりしません。

 中佐のは、すごかったんですよ」

「そうか、チッ、つまらんヤツだ」

「ヒドイです、中佐」

「セクハラの楽しみが減ったじゃねえか」

「じゃ、じゃあ、巡洋艦の皆さんみたいに胸・・痛い」

一人前のことを言いかけた駆逐艦のデコに容赦ない手刀を打ち込む。

 

「そういうことは、好きになったヤツに頼め。

 駆逐艦のくせに」

『だってぇー』

生意気になりつつある駆逐艦は、小声で口答えしてきたが、聞こえないふりをした。

 

 = = = = =

 

鎮守府に帰投の支度をして、駐車場で見送りを受けていた。

「少将、今度はこっちに来てください。

 上玉を用意しておきますから」

「おう、用意はいらんが、邪魔はしに行く」

少将と別れの挨拶を交わす。

 

≪≪中佐≫≫

居並ぶ被害艦らと見知った艦娘らの言葉が重なった。

「二度と来るなってんだろ。

 もう俺の鎮守府があるから心配するな。

 そっちを可愛がるからよ、キヒヒ」

 

生巡が一歩踏み出してきて拳を突き出してくる。

「何言いやがる、勝負がついてないから絶対来いよ。

 オレ待ってるか・・ら・・・・」

生巡がなぜか泣き出した。

「何、子供みたいに泣いてんだよ」

「泣いてなんかねぇよ。

 目にゴミが入ったんだよ」

 

≪≪中佐!≫≫

艦娘たちが一斉に襲い掛かってきた。

下敷きになった俺は、その重さ圧迫され気を失った。

 

 = = = = =

 

「ウッ、痛ってー」

「気が付いた?」

声の方にハンドルを握る中尉がいた。

俺はというと背もたれを倒した助手席に座らされていた。

シートベルトの締まりがやけに痛みとなって響く。

 

「肋骨にヒビが入ってるかも」

「くっそー、艦娘(あいつ)ら、こんな仕返しを用意してやがったのか!」

「中佐、そのうち殺されるよ」

「まあ、ブラックは自覚あるからな。

 覚悟はしてるさ」

「解ってないなぁ。

 タンクが空っぽになっちゃうって意味なのに」

「なんだソレ?」

中尉は時々意味不明なことを言うので深くは考えないでいいだろ。

 

「眼鏡、間宮、居るか?」

「「はい」」

後部座席から返事があった。

 

「なんだ、あのまま、あっちに転属を願えば、少将なら相談に乗ってくれただろうに」

「そうですね、でも、わたしは提督のモノですから」

「わたしは給糧艦として、提督の許にいないといけませんから」

「お前ら、本当にバカ艦だな」

「「はい、バカですよ」」

コイツら開き直りやがった。

 

 = = = = =

 

「中尉、鎮守府(ウチ)で飯でもどうだ?」

「あら、いいのですか?

 お邪魔じゃありませんこと?」

「お前、何か企んでるのか?」

「いいえー。

 ただ、馬に蹴られたくないと思っているだけですぅ」

「その例えはおかしくないか?」

「どうですかねぇ」

中尉の声は、楽しそうだった。

 

「中尉、ぜひ寄って行ってください。

 手によりをかけますから」

「中尉、この提督((ゲス))の過去をおしえてください」

「ありがと、間宮。

 大淀、任せてよ」

女性士官と艦娘、女どもが結託した瞬間だった。

 

(マズイ、これに鎮守府の艦娘たちが合流したら、クーデターも起きかねない)

背中にじっとりと汗をかいている自分に気が付いた。

 

「中尉、実は用事を思い出してな」

「じゃあ、急ぎましょうか」

「いや、途中で降ろしてくれたらいいから」

「中佐、水臭いこと言わないでくださいよぉ。

 今、シフトチェンジを繰り返してもいいと思っているくらいなんですから」

そういうと中尉は、俺の腹の上でシフトチェンジの仕草をしてみせた。

「言っている意味が解らん」

 

「フフ。

 ・・・・中佐って、まだまだ子供ですね」

「貴官に言われたくないであります」

俺はその時、子供というキーワードで致命的なことに気が付いた。

財布の中身がほとんどないことを思い出したのだ。

艦娘の服を買ったとき、クレジットカードを忘れていた。

現金で支払って子供の小遣い程度の所持金しか財布に残らなかった。

 

抗うすべを失っていた俺は、俺の鎮守府に戻るしかなかった。

俺の運命は誰も知らない。




提督、ブラックを自覚してから最大の危機です。

「悪が栄えた試し無し」かな?
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