艦娘たちの試練再び。
彼を応援してくださいね。
朝食の後、状況開始前、体育館兼講堂は賑やかだった。
艦娘たちのユニホームの更新が始まった。
おかげでユニホームを一気に更新することになった。
艦娘たちに臨時収入ができたので、出入り業者にインナーも見繕って持ってきてもらう。
「写真を撮った人から、ユニホームを着替えてください。
着古した衣類は、ランドリーバッグに入れてください」
古着姿の撮影と古着の回収をする眼鏡。
妖精たちも手伝い作業は進んでいく。
= = = = =
「眼鏡、これで全部か?」
数個の大型のランドリーバッグを前にして確認する。
「はい」
【ジーーーー】
くたびれた下着をゴミ袋に放り込んでいく。
「うーん、やっぱりめぼしいのはないな」
ほとんど売り物にならないボロ布ばかりだった。
もう少し小綺麗にしとけば、目の保養になるだろうに。
「てーとく、何をなさっているんです」
「選別」
「何のですか?」
「
「?」
「眼鏡、工作艦か妖精に聞いてみろ。
こういう布地は、機械整備で機械油を拭いたり、ねじ穴にねじ込んでオイル漏れを止めたりするんだよ」
【ジーーーー】
眼鏡が疑いの目を向けてくる。
嘘じゃない。
俺は、兵学校時代の実習で見てきた。
「眼鏡、ちょっとこい」
「何ですか?」
ノコノコと無防備に近寄ってくる眼鏡。
「キャーーーー」
スケベスカートを一気にめくってみると眼鏡が悲鳴を上げた。
「お、眼鏡、それ脱げ」
眼鏡は、この間、買う羽目になったインナーを穿いていた。
「うーーーーー」
唸る眼鏡。
「また買ってやるから」
「えっ!本当ですか」
「おう、次から1週間穿き続けたら、取り換えろ」
≪ガッコン!≫
眼鏡が艤装を展開して、こちらに主砲を向けてきた。
= = = = =
眼鏡が飯を食いに行った。
眼鏡の居ぬ間に古いユニホームの選別に取り掛かる。
どれもこれもじっくり見るとボロ布だった。
ほつれはかろうじてクリアしていても、汗ジミみたいな汚れがあったりする。
「不味いな。
これじゃ、売り物にならねえんじゃねえか?
あの店の商品、着古してても小綺麗だったりしたもんな。
えーと?
繕ったスカートが見あたらないな」
= = = = =
食堂では、艦娘たちが新しいユニホームで盛り上がっていた。
眼鏡は、ある駆逐艦が一部古いままのユニホームを着ていることに気が付いた。
「吹雪さん、そのスカート」
「あ、大淀さん。
まだ穿けますし、大事にしたいなぁって」
「・・・・」
「大淀さん?」
「いいなあ、いいなあ。
いいなあ、いいなあ」
何かのスイッチの入った眼鏡。
(いいなあ、いいなあ)
こっちでもしゃもじを持った艦娘に何かのスイッチが入っていた。
= = = = =
「なあ、頼むよ。
お前たちなら、かけつぎとかできるんだろ?」
提督は、妖精に手当たり次第に頼み込んでいた。
「じゃあ、シミ抜きとかはどうだ?」
執拗に縋りつく提督。
もう恥も外聞も関係なかった。
当てにしていた副収入のその「当て」が外れていた。
「くっそー、これじゃ営舎のリニューアルの資金が・・・・
いやいや、俺の遊興費ができねえじゃねえか」
戦艦ふたりが、すぐそばに立っていたことに気が付いた。
私腹を肥やす機会が先延ばしになった提督。