呼吸さえできなかったほどの苦痛。
彼を応援してくださいね。
てーとくの<懲罰>は、もどかしい。
頭を撫でられて照れくさいのは序の口でした。
爪を立てて首筋や太腿を引っ掻く。
と書けば、痛そうです。
実際は、爪で撫でるようにされるので、恥ずかしいけど、だんだんより強い刺激を求めてしまいました。
テクニックというものでしょうか?
思わず声が洩れそうになったり、悶えるのを我慢したり、みんなも同じみたい。
熱い吐息が零れてしまいました。
それをみんなに見られて、ますます恥ずかしくなって、息を止めたり。
このことは、お互い秘密にしておこうとなりました。
「俺みたいなゲスの弄られて悔しいだろ、クヒヒ。
これから、どんどん罰をくれてやるからな、キヒヒ」
てーとくの言葉にドキッとしてしまいました。
= = = = =
「とうとう、ここの担当海域にも出現したか」
今回、遭遇戦を回避できたのは幸いだった。
眼鏡の判断も悪くはない。
悪くはないが、もし偵察艦隊に取り返しのつかない被害が出た時は、彼女が一番苦しむことになる。
そのための<
<
回数が重なると立場を忘れて、俺を恨むようになる。
顔を合わせるだけで【勝負だ、夜戦だ】と殺気立って挑んでくる艦娘も珍しくない。
少将のところで集団に襲いかかられるとは油断した。
殺せると思ったのか、全員笑っていたのは、正直怖かった。
今までと違って潜入ではなく、提督として着任したからには、艦娘たちに反逆を抑え込んで支配しなければ。
= = = = =
夕食後の食堂で自由時間を過ごしていた戦艦たちが、あることを気にしていた。
「なんだ、偵察に出た子や大淀の様子がおかしい。
間宮さん、何か知りませんか?」
「その、執務室で懲罰を受けたとか」
「そうですか。
・・・・それにしては、肌の色つやが良いような」
「長門もそう思った?」
「陸奥さん、みなさん、食事中になんていうか心ここにあらずって感じでしたよ。
あと、思い出したようにニヨニヨしてみたり」
「大変!海岸に艦娘が倒れてるクマー!」
結構重大な事件を軽巡が叫んで飛び込んできたが、語尾のおかげで緊迫感が薄かった。
= = = = =
「どこの艦娘でしょうか?」
眼鏡が同類を心配している。
海岸で倒れている艦娘を観察する。
「目立った被害はないな。
大和型2番艦か、この周辺の鎮守府には、いなかったはずなんだが」
情報部時代の記憶を思い出す。
戦艦に触れてみる。
バイタルは安定しているようだ。
意識がないので、蹴りを入れてみる。
≪≪ひどい≫≫
野次馬もとい、艦娘を案じて集まってきた艦娘たちは、俺の蹴りを見て声を揃えて言った。
「俺に逆らってみろ、これくらいじゃ済まないからな、クヒヒ」
「うーん」
眼鏡戦艦が意識を取り戻す。
艦娘は睡眠と異なる休眠状態に陥ると自力では覚醒できず、外部からの衝撃で覚醒する。
休眠状態から覚醒しても、条件が揃ったままだと休眠を再開する。
生体兵器として、保管を考慮しての仕様だった。
一般的には薬剤を投与で、休眠、覚醒と切り替えるが、休眠に至った経緯が判らない場合、覚醒での投与の量を間違うと脳を損傷する。
この鎮守府に来て、休眠状態の艦娘たちを見て、ガキたちと同じ手加減(脚だが)で蹴って、うまくいったのは幸いだった。
そうでなければ担当技官の派遣を要請して、鎮守府の再開が大幅に遅れるところだった。
「武蔵だな。
所属はどこだ?」
「むさし?」
武蔵が漂着しました。