誰がそんなに飲んだのでしょうか。
彼を応援してくださいね。
「あーあ、負けちゃったね」
「もう少しだったっぽい」
「いじめられてると思ったけど、あの強化演習のおかげだよね」
艦娘たちは、大淀の想像が正しかったと納得した。
特に防御力の低い駆逐艦は、冷静な雷撃が必要になる。
袋叩きを経験し、身体で覚えた回避運動を始めて実感できたのは、模擬戦だった。
提督は、やっぱり優しい。
あの大人のテクニック、荒っぽいナデナデ、ちょっと恥ずかしいスキンシップ、口移し。
駆逐艦たちは、ナデナデが多かったが、一人前のレディーは、口移しを選んだ。
飲み干すと真っ赤になって倒れてしまったが、口元は緩み、鼻血を出していた。
天龍は、列に3回並びなおしていた。
気が付くと間宮が混じって、武蔵も並んだ。
いつの間にか鎮守府全体の連帯責任となり、加賀は反省が足りないからとフルコースを要求した。
赤城も自分がふがいなかったとフルコースを願い出ていた。
いつしか体育館兼講堂に甘い香りが充満していた。
= = = = =
俺は、模擬戦の反省中だ。
空母の艦載機が不足している、練度が低い。
航空兵力が敵を押し返せずに空母は攻撃されてしまうだろう。
戦艦も対空兵装が不足気味だ。
このまま化物、中でも鬼、姫級の遭遇すると轟沈するに違いない。
もっと効率的に訓練しなければと考える。
≪ボーン≫
柱時計は、22時30分を指していた。
「そろそろ風呂に入るか」
結局、風呂は大浴場一カ所しかなかった。
仕方がないので、妖精に風呂場に仕切りを作らせた。
これで、大破した連中が居ても風呂に浸かれる。
何度も疑問が湧いてくるが、なぜにこのブラック鎮守府で妖精が実体化するのだ?
= = = = =
男湯側に蛇口はない。
湯船から直接湯を掬い、掛け流す。
この風呂の仕切りには、不思議なものがある。
小窓だ。
それも男湯側に錠がある。
(作り間違えたんだろうが、間抜けな失敗だ)
男湯と言っても、湯船につかれるように仕切られている壁際の通路のようなスペースになっている。
幅が大人一人分しかない。
女湯をできるだけ広く取っておかないと入渠で順番待ちが発生して稼働率が落ちる。
ということで、男湯と女湯を間違えるはずはないのだが。
≪カラカラ≫
「提督、入っているか?」
声の主は武蔵だ。
「おー、いるぞ」
「オ、オレもいるぜ」
「なんだよ、生巡かよ」
「なんだとは、なんだよ!」
生巡は揶揄うと面白い。
「わたしも入ります」
「眼鏡、なぜ俺に報告する」
「わたしは、てーとくのモノですから」
「ビッグ7を忘れないでもらおう」
「もう長門ったら、あの量で酔っちゃうんだもの」
戦艦2隻も加わった。
「おいおい、湯が溢れるんじゃないか」
「みなさんで入るんですし、いいじゃないですか」
「間宮もか」
急に騒がしくなってきた。
(のんびり浸かりたかったんだが)
「提督、そっちに行っていいか?」
「武蔵、冗談としては面白いが、狭くて敵わんから、却下だ」
「じゃあ、提督がこっちに来ればいい」
「冗談としても面白くないな」
(武蔵が記憶がないことと関係あるのだろうか?)
「オ、オレは平気だぞ。
むしろ、変なことしやがったら握りつぶしてやるからな」
「あのなあ、その前に見られるってことは、気にしねえのかよ」
「あっ。
べ、別に恥ずかしくねえし、へ、減るもんじゃねえしな」
生巡の基準が解らなくなってきた。
「ドМビッチ」
「ドМでもビッチでもねぇー」
コイツは本当に揶揄うと面白い。
≪ボソボソボソ≫
(何かを相談しているのか?)
「あの、てーとく、ジロジロ見ないなら、女湯に入りませんか?提督は、
「眼鏡、女湯乱入を口実に俺の更迭を願い出るつもりなら、無駄だぞ」
がっかりする艦娘たちに提督は気付かなかった。
空母たちが、食事を終えて、入渠のために移動していた。
風呂問題解決していました。