ブラック鎮守府で我が世の春を   作:破図弄

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加賀が危なかったです。

一段とブラックさが濃くなります。

彼を応援してくださいね。


第14話 交差しない航路

「眼鏡、ちょっと席を外すんでな、後を頼む」

「てーとく、そんな、わたし、何か失礼があっても」

慌てる眼鏡。

 

「あら、接客程度もこなせないのね。

 ほほほ、情けないこと」

間違いなく喧嘩を売っている眼鏡(ダッシュ)

 

「む!」

聞き捨てならないと睨む眼鏡。

もし、漫画的表現が目に見えたら、眼鏡ズの間には、バチバチと火花が散っていたことだろう。

 

俺は、一旦執務室を後にする。

 

 = = = = =

 

パトロールに出ていた連中が帰投した。

妖精(チビ)が教えてくれたのだ。

どういうわけか、常に何チビかまとわりついている。

 

加賀を犯そうとしたときは、いなかった。

俺がブラックな証拠だ。

妖精が邪悪な力で、実体化できなかったんだろう。

ブレかかっていた気持ちを立ち直らせることができた。

 

 = = = = =

 

「そう、みんな隠れたのね。

 気が向いたらだって、どう思う」

手に乗せた顔を真っ赤にする妖精に話しかける艦娘。

 

「身体が目当てなら、気が向いたらなんて」

抜け駆け未遂犯は、強制しない提督(おばかさん)に振り向いてもらう方法を考え始めていた。

 

 = = = = =

 

パトロール艦隊は、天龍と龍田、睦月、弥生、望月、卯月だった。

 

「ちぇっ、深海棲艦ども全然いねえじゃねえか」

「そうよね。

 わたしの魚雷、うずうずしてる♪」

殺る気満々の巡洋艦ふたり、かなり危なく見える。

 

「およ、提督にゃ」

「司令官、弥生帰投しました!」

「司令官、出迎えごくろー」

「うぅ~ちゃん~、感激~!」

先に提督を見つけたのは、駆逐艦たちだった。

 

「誰が出迎えだ。

 ナメてんじゃねえぞ。

 生意気言ってっと、誰か解体してやろうか?キヒヒ」

≪≪ヒーーーーー!≫≫

どこかふざけているような悲鳴を上げる駆逐艦たち。

 

「オレの目の黒いうちは、好き勝手させねえぞ」

生巡が駆逐艦を庇って割り込んでくる。

 

「ほほう、俺の権限に逆らえると思っているのかぁ?」

俺は、生巡の片腕を(ひね)り逃げなくして、胸を揉む。

 

「その手、落ちても知らないですよ♪」

病み巡の脅しは、俺には効かない。

こっちは、生巡が弄られるのが面白いでの、言葉に凄みがない。

 

「ちょおーーーーーーーーーとぉぉぉ、むぁったぁぁぁーーーーー。

 そんなヤツに手を出すなら、オレと勝負だぁーーーー」

生巡(ダッシュ)が抱きついてきた。

 

「なんだテメェは!

 オレの方が先だからなぁ。

 提督、そうだろ?」

 

「オレが来たからには、交代だ交替!

 中佐、提督に頼んで連れてきてもらったんだよー。

 もう、このままじゃ、帰りたくないんだよー」

 

生巡ズが俺に掴みかかって、口喧嘩を始めた。

(ああ、うるさい)

 

 = = = = =

 

執務室でゲストの少将がゲスに苦言をこぼす。

「貴官、ふたりともウチの艦娘なんだが」

「すみません、少将。

 やり方がエグ過ぎたんでしょうか。

 少将の着任で、俺のことは嫌な記憶と一緒に忘れると思っていたんですが」

 

「ニシシ、中佐は、酷いことをし過ぎるから、艦娘ちゃんたちが忘れたくなくなるんだよ」

中尉が楽しむように会話に加わってきた。

「そんなの記憶するものか?」

「そりゃね、ブラックなんでしょ」

満面の笑みで下から覗き込んでくる中尉。

 

「まあ、ブラックだから、セクハラも厭わないし、抵抗しなかったときは、痛てててて」

「小官を女だったって思い出してくれましたか?」

俺は中尉に肩関節を決められ、趣味ではないが額を床に擦りつけていた。

床の木目を堪能しながら、床を叩いていた。

 

「中佐、あまり待たせるのは良くないぞ」

ヤレヤレと半ばあきれる少将。

「えーと、懸案事項がありましたか?」

俺には、心当たりがなかった。イテテ

 

 = = = = =

 

訪問してきた艦娘のふたりは、執務室を追い出され、食堂にいた。

「てーとくは、この鎮守府の艦娘を自分のモノになさいました。

 あなたがたは、過去の艦娘です。

 そちらの提督は、お優しい方ですから、 てーとく(ゲス)のことは忘れて(あきらめて)ください」

 

「「勝手に決めてんじゃねぇ」」

生巡ズは、意気投合していた。

 

「あなた、中佐を知らないみたいだから交替しましょう」

眼鏡(ダッシュ)は、諦めていなかった。

 




龍田、睦月、弥生、望月、卯月が新たに登場ですが、セリフに特徴ないと出番少ないかな。

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