ブラック鎮守府で我が世の春を   作:破図弄

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武蔵の激白。

提督は、なぜ鋼の意思を持つのか。

彼を応援してくださいね。


第24話 夜戦、突入?

間宮と鳳翔に少将の手土産の酒を勧める。

「少将も喜んでくれたし、ご苦労だった。

 せっかくの差し入れだ、飲んどけ」

「どうしたんです。

 提督にお持ちになったのでしょ。

 わたしたちに優しいじゃないですか」

 

「優しい?ガラじゃねえよ」

「「そうですね」」

大人の艶っぽさ持つふたりがクツクツと笑う。

 

「何か言いたげだな」

俺は、2隻の含み笑いが気になった。

「よろしいんですか、食堂(ここ)でお酒を勧めたりして」

「私室に連れ込んでから、じっくり飲むというのもありますよ」

(こいつら、何を企んでる?)

 

「中佐、舐められてますよ。

 生意気だから、制裁を加えないと」

中尉が明らかに面白がっている。

(黒幕は中尉だ、間違いない)

「貴官、何か吹き込んだのか?」

 

「ほらほら、殴る蹴る制裁はしないんですか?

 それとも、泣き叫んでも容赦なく責め続けるとか。

 お手伝いしますよ。

 なんかゾクゾクしますよね、クフフ」

中尉の言葉に違和感を感じた。

彼女がここまでいう意図が判らない。

ふと、カウンターに置かれたコップに気が付いた。

 

「貴官、コップ酒で何杯飲んだ!」

日本酒の栓は抜いていないのに日本酒の匂いがしたのはこのせいだ。

中尉は酔っても顔に出ないのを思い出した。

 

「間宮、中尉は何杯飲んだ?」

一升瓶の中身は、約半分!

「本当に普通のお酒だったんですか?

 立て続けにごくごく飲んでいらしたので、度数が低いの(ローアルコール)と思いました」

 

「ちゅーさー、ねえ、やりましょうよぉ・・ぐー」

中尉が酔いつぶれた。

弱い方ではないが、少ないつまみで一気に飲んだせいだろう。

自室に氷嚢を取りに行っている間の出来事だったという。

 

俺は気付いてしまった。

何かを決心して、酒で勢いをつけようとしたのだろう。

 

中尉を誘って初めて飲みに行った時に似ている。

「あの時は、着任祝いで鎮守府の門前町に繰り出したな」

情報部に所属していると各地に潜入するので、通常、転地で同じ配置になることはない。

何かの手違いで、被ったと思われる。

お互い初対面のふりをしていたのを思い出す。

(中尉の演技は、お世辞にもうまくはなかったな)

 

一軒目は創作料理の店で飯を食い、二軒目が洋風居酒屋だった。

俺は、ここまでで帰る予定だった。

彼女は、ショットバーをご所望だった。

仕方なく連れて行くとウオッカを立て続けに注文して酔いつぶれた。

ショットバーへ向かう道すがら中尉は妙なこと口にしていた。

【大尉(当時)、父のこと、気になりますか?でも、遠慮はいりません】

 

「じゃあ、俺は寝る。

 酒は、伊良湖と3人で飲むもよし、飲みたい者に振舞ってもいいぞ。

 そうだ、俺もそろそろいい目を見させてもらおうか。

 夜、俺の相手をしたヤツは、贔屓してやるぜ。

 濃いのを飲むことになるがな、クヒヒ」

中尉を抱きかかえ、食堂を出た。

 

「ウム、伝説の【お持ちかえり】だな」

武蔵は提督が中尉をお姫様抱っこする姿を見送って言った。

 

「で、では、この後」

長門が食いついた。

「提督のことだ。

 中尉を介抱し、あの方からは手は出さないだろう。

 が、我々が支援すれば、ふたりは結ばれるのではないか」

武蔵が企みを提案する。

 

「それは余計なことでは?」

長門が疑義を唱える。

 

「この武蔵、中尉殿には、いろんな意味で貫徹して欲しい。

 うまく誘導すれば、ンフフ。

 最良の策だと自負する」

武蔵が胸を張る。

 

「うーむ」

「長門どうするの?」

陸奥はまだ少し躊躇の残る長門に尋ねた。

 

「よし、貴艦に協力しよう。

 ただし、あくまで中尉殿の貫徹を支援するわけであって、決して私欲からではない。

 不測の事態には、わたしが引き受けよう」

長門が、顔を赤くして宣言した。

「被害担当艦がこの武蔵だけで充分」

「話が違うではないか」

長門が抗議の弁を述べる。

 

「貴艦こそ、独り占めしようとしたぞ」

武蔵が言い返す。

 

2隻が低レベルで言い争いを始める。

 

『加賀さん、今のうちに一航戦出撃しましょ』

『赤城さん、鼻血出てますよ』

正規空母2隻は、忍び足で食堂を後にする。

 

「長門、先を越されるわよ」

「「何!」」

陸奥が食堂の出入り口を指さすと長門と武蔵が示す方向に視線を向けると空母の後姿があった。

 

「あ、ずるい。

 わたしも出撃するぞ」

武蔵が走り出す。

その後を数隻の艦娘が追いかけた。

 

厨房もなぜか誰もいなかった。




とうとう夜戦に突入?
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