罪を感じている提督が決して埋めない堀ができています。
彼を応援してくださいね。
「中佐、早とちりです、はぁー」
中尉が呆れ顔でため息を吐く。
「悲鳴が聞こえて、はだけててりゃ、心配するだろ」
微妙な空気が俺の勘違いを解きほぐしていく。
「いきなり拳銃は、物騒よ」
「おまえに何かあったら、みんな悲しむからな。
その身を護る責務が俺にあるだろうな」
「一生?」
中尉のその無茶ぶりに呆れることがある。
他人を一生護るなんてことは、できることじゃない。
「そこまで面倒は見られん。
その役は、貴官の旦那になる人物の役目だな」
俺は、あるべき姿を人生の後輩に言い聞かせた。
「ブーーーー」
甘やかされてきただろう中尉は、膨れて不満をあらわにした。
「提督、何か誤解があったようだ。
どうだろうか、安眠を妨害した艦娘選び、制裁を加えるというのは?
むろん言い出したわたしが引き受けよう」
いち早く名乗りを上げたのは、長門。
ちらりと武蔵を見た。
「居候のわたしが咎めなしというのも不自然だな」
武蔵も名乗り出る。
「「安眠の妨害なら、オレたちだろうな」」
生巡ズが負けずに名乗り出る。
「あらー、天龍ちゃんが、そういうなら、提督お手伝いしますね」
龍田がおまけだった。
「そういうことなら、わたしも入らないと」
そういうのは陸奥だった。
「提督、気が向いたから来た。
赤城さんは援護です」
「加賀さんの援護です」
一航戦は仲がいい。
「「てーとく、わたしたちの至らない点を叱ってください」」
眼鏡ズが思い出したように入ってきた。
「パトロール艦隊は、今夜まとめて味見でしたよね?」
艦隊旗艦の川内が代表して参加を表明した。
川内、鬼怒、吹雪、夕立、睦月が、一大決心をし自分をその場に留めるために手をつないでいる。
「提督、スタミナ料理でご希望おありですか?」
間宮はさりげなく面倒見の良さをアピールした。
「提督、わたしたちはのちほど・・・・」
鳳翔の奥ゆかしく積極性がさく裂。
「提督ー、なぁ~?意外とイケてんだろォ~あたし」
「軽空母、酔っ払いは、部屋で寝ろ」
隼鷹の頭を撫でて、掴んで顔の向きを出口の方に向ける。
今回ばかりは、俺の早とちりだったようだ。
かといって、艦娘をこのまま信用するほどお人よしでもない。
臆病な俺は、一抹の不安さえ、警戒するのだ。
とりあえず、艦娘の神経を逆なでしないようにいつも通りの態度をとる。
激高しないだろうと甘い見通ししかないが、仕方がない。
「中佐、腕枕ー」
「貴官、寝ぼけているのか?」
独身女性がむやみにおっさんと同衾するなど不自然極まりない。
「ハイハイ、みんな解さーん。
今からわたしと中佐の時間だから。
痛い痛い」
とんでもない言葉を口にした中尉を父親代わりに頭を鷲掴みにする。
「
「今から電話して叱っていただこうか?」
「それは勘弁」
いつものやり取りで、話が終わる。
= = = = =
「肝をつぶすってああいう心境なんだ」
俺は、まだ心臓がバクバクと鳴り続けていた。
ソファーでウイスキーをチビチビ飲んでいた。
「中佐、横いい?」
申し訳なさそうにドアから覗いている中尉がいた。
「ああ、もう酔いは醒めたのか?」
「うーん、まだ、少し酔ってるよ」
「酔ってる自覚があるなら、大丈夫だな」
「えへへー」
ペタペタと歩いてきた。
来客用のスリッパに履き替えていた。
「貴官、それ、俺のシャツだろ」
「えーそうだったんだー、気が付かなかった」
中尉は、わざとらしくとぼけてポスンと隣に座る。
風呂に入ってきた彼女は、すっかり女性の香りに包まれていた。
「くーー」
「貴官、そのまま寝ると風邪ひくぞ」
「・・・・」
なぜか一瞬で眠った中尉。
「仕方ねえな」
肩にもたれる彼女を起こさないとように静かに酒を飲む。
「貴官、乳揉むぞ」
中尉が、ピクンと動く。
「やれやれ」
もうグッダグダです。