中尉の気持ちはどうなるのか。
彼女を応援してくださいね。
黒塗りのセダンを見送る。
何だろう。
あの父娘の落胆は。
俺が何かでしゃばるような真似をしたのか?
・・・・
これは、アレか、中将の娘をどうこう採点するようなことを言ったからか。
結婚のけの字も縁のない中年風情が。
確かに落ち込まない道理はないな。
中尉にメールを打っておくか。
<美鳳 様
先ほどは失礼した。
貴官は魅力的で、小官には眩しすぎる>
=送信=
おっと、途中で送ってしまった。
<位で、良い相手と巡り合い、幸せになれると想う>
=送信=
= = = = =
≪ピコンピコン≫
中佐からメール。
珍しいな。
<美鳳 様
先ほどは失礼した。
貴官は魅力的で、小官には眩しすぎる>
え!何々!これって、気のせいじゃないよね。
≪ピコンピコン≫
また来た。
<位で、良い相手と巡り合い、幸せになれると想う>
位?階級のことかな?
この【想う】って、異性として考えるときの字だよね。
中佐ってば、わたしが中尉くらいでちょうどいいって
わざわざ美鳳なんて、一度も呼んでくれないのに。
クフ、クフフ、もう、魅力的っていつもは言ってくれないのにぃ、あー、ダメダメ、照れ笑いが止まらないよぉ。
= = = = =
「あー、女の扱いは、やっぱり苦手だ」
「提督がそのようにおっしゃるのは、滑稽ですね」
「なんだと、最近てめえ、生意気だな。
解体すんぞ」
「フフ、いいですよ。
提督がご希望なら、本望です。
その前に、味見してはいかがですか?」
少し頬を染め、微笑む間宮だった。
「提督、その味見、先にこの武蔵によろしく頼む」
武蔵は、元から居場所がないので、訓練と食事以外は、執務室に
間宮は、最近、執務室に出前に来るようになっていた。
俺が飯を食い終わるまでテコでも動かない。
明石の胃袋を掴んでいる間宮は敵に回せない。
「くっそー、お前らは、どうしたいんだよ。
ブラックなんだぞ」
「フフ、そうですね。
このまま鎮守府の全員、贔屓してください。
ご指名で提督のお相手するかもしれませんよ。
わたしは、泣きながら嫌がって差し上げますし」
提督を呷る間宮。
その表情は、どこまでも柔らかだった。
「提督!この武蔵は・・・・優しくしてもらえないか。
その、甘えながら果ててみたいのだ」
今までみせた態度の中で、一番照れていた。
「あー、女の扱いは、やっぱり苦手だ」
愚痴をこぼしながら、お代わりの茶碗を間宮に突き出す。
間宮は、その手を包み込むように受け取り、お代わりをよそって、提督に渡す。
≪くーーーーー≫
その横で武蔵の身体の一部は、緊急事態を報せ、彼女の眼は潤んでいた。
「お前、さっき飯食ってただろ」
「わたしは卑しい女だ。
罵ってくれていい・・・・ごはんチョーダイ」
最近、武蔵は甘えることを覚えていた。
= = = = =
「うーーーーー」
「どうした?」
「そろそろ戻らないと」
「そうだな、そろそろ戻らないとな【ニヤニヤ】」
「ふーーーーー」
「どうかした?」
「そろそろ戻らないと」
「そうですね、提督がお待ちですよ【ニヤニヤ】」
同艦で基本的に意気投合したものの、
別れが近づく
「わぁーーーーー。
このまま、帰ってたまるかー。
中佐ぁーーーー、オレの×××をいじめてくれーーーーー」
天龍’が、我慢しきれず執務室に突撃を敢行した。
「ちょっと天龍。
・・・・、わたしもーーーーーー」
大淀’は一思案しながらも、自分の気持ちに嘘がつけなかった。
天龍’に遅れはとるまいと最大船速で執務室を目指した。
2隻の巡洋艦は、突撃したが、想いを遂げられなかった。
しかし、畳床の上で上気する姿が確認された。
畳の上で何があったのでしょう?