「ホラァホラァ、あんた毎回アンパンマンにやられてるのに本当懲りないですね?」
いつもの如く俺様、ばいきんまんは我が永遠のライバルのアンパンマンのアンパンチを受けてボロボロになり、ばいきん城に帰ってきた。
そしてホラーマンに出迎えられながら呆れられた。
「うるさい! 次こそは……次こそは絶対にアンパンマンを倒してみせる!」
頭のタンコブを撫でながらホラーマンに言い放つ俺様。
次は開発中のダダンダンマークXを完成させて……いやモグリンを使って地下から攻めるのも有りだな。
「ホラァ、そのセリフ毎回聞いてるけど何時になったら実現するんですかね?」
「ぐぅぅ!」
ホラーマンは意外と毒舌だ、舌があるかは疑わしい容姿だが。
だが嫌味を言いながらも俺様の怪我の治療をしてくれるコイツは良いやつだと思う、少なくとも出迎えもしないドキンちゃんに比べたら月とスッポンぐらい差があるぞ。
「そもそも世界征服が目的ならアンパンマンなんかほっといて地球の裏側でも侵略した方が早くないです?」
「分かってないな」
「ホラァ?」
ホラーマンは首を傾げてる、こいつは見かけに反して悪では無いから分からないんだろう。
「良いか、俺様は悪の中の悪、バイキンの中のバイキン、ばいきんまん様だぞ? その俺様が正義のヒーローであるアンパンマンとの戦いを避けて世界征服して何の意味がある。
絶対ヒーローたるアンパンマンを倒し、その上で果たしてこそ世界征服する価値があるのだ!」
コレだけは譲れない俺様の信念、俺様が俺様たる所以だ。
「俺様は騙し討も卑怯な事もする、だがアンパンマンとの勝負から逃げる事だけはしない。俺様が【ばいきんまん】である限り【アンパンマン】と戦い続ける、またアイツが【アンパンマン】である限り【ばいきんまん】と戦い続ける、俺様達は永久に戦い続ける運命にあるのだ!」
そう、俺様達は戦い続ける【悪】と【正義】を掲げて。
「ホラー、よく分からないですが永久とか運命と聞くとまるで恋人みたいに聞いてくるですね?」
ホラーマンの一言を聞いて俺様はクスリと笑う。
「そうだな、ある意味恋人よりもお互いを強く思いやってるかもな」
だが決して交わることは無い、【正義】と【悪】、【パン】と【バイキン】である限り。
俺様達は永遠のライバルだからな。
「待っていろよアンパンマン! 必ず貴様を倒してみせるからな、はっひふっへほー!!」
ばいきんまん城の天井に我がライバルを思い描きながら俺様は高らかに笑う。
「本当懲りない人ですねぇ、ホラホラァ」
「それが俺様、ばいきんまんだからな!」