オブリビオンゲート 異世界龍 彼の地にて 斯く集えし   作:ArAnEl

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スカイリム、ダークファンタジー大好きで、もしスカイリムのアルドゥインがゲートの世界に来たらどうなるか、を考えました。

クロスオーバー作品は初めてです。どうか皆様のご指導、ご感想いただければと思います。


世界喰らい編
Last Legend


異形の昼とも夜とも言えない空。太陽のような光を中心に空、紫、薄紅色の雲が渦を巻いていて、オーロラの様にも見える。

 

誰もが見惚れるようなこの絶景の空はこの世のものではない。

 

ソブンガルデ。

 

タムリエル大陸北部にあるスカイリムという地域に住んでいたノルド人に古代から伝えられている死後の楽園、つまり天国のようなものである。

 

その楽園で、遠く山のふもとである戦いが決着をつけられようとしていた。

 

4人の騎士、そのうち3人は古代の英雄であり、既にこの楽園に召されていており、残り1人は生きながらも、ある特別な方法によりここにいた。

 

そして彼らが囲んでいたのは、

 

体長40〜50メートル、翼を広げた場合の横幅もそれぐらいの大きさの漆黒のドラゴンである。

 

まさに悪魔、というのが正しい表現である容姿のこのドラゴンは『世界を喰らう者(ワールドイーター)』としてはるか古代より恐れられていた。

 

ドラゴンという種族を超越し、もはや『災害』として世界を破滅に陥れようとした彼は、事実、過去の英雄は彼を倒せず、一時的に別次元に封印することしかできなかった。

 

結果、現在という未来に送り込まれた彼はまた世界を破滅に陥れようとした。

 

しかし人々は強かった。

 

『死』という概念を持たない彼は無敵の存在であった。

 

しかしその『死』の概念が無いが故に、『死』という『有限』を理解できなかった彼は、破滅への道を歩んでしまう。

 

Joor(定命の者) Zah(有限) Frul(一時)!」

 

一人の騎士が呪文を唱え、それを漆黒の龍にぶつけた。

 

ドラゴンレンド

 

古代人がこの漆黒龍を倒すため、定命の概念を持たない『ドラゴン』という概念的存在そのものを覆すために作られた、数少ない人間によって作られた『龍語(スーム)』である。

 

このスームにより、いかなる魔法、武器、その他干渉を受けない漆黒の龍は強制的に地面に叩きつけられ、地上戦を強いられた。

 

しかしかつて『世界を喰らう者(ワールドイーター)』と呼ばれただけに、地上戦においても圧倒的戦闘力を有していた。多少の攻撃ではビクともしない。

 

しかし今回戦っている相手はかつての英霊と現在の英雄だ。英霊に至っては過去に一時的にとはいえ彼を封印することに成功している。確かに彼は復活してより強大となった。かつての3人だけなら負けなかっただろう。

 

しかし今回はさらに1人いた。しかもこの3人を凌駕するほどの実力である。英霊がかつて3人でドラゴンレンドを用いてやっと同じ土俵に立てたのに対し、先ほどのドラゴンレンドもこの1人によるものだ。

 

魔法、剣と鱗が弾かれる音、雄叫び、咆哮、そして流血。さらには空から隕石のようなものが絶え間なく降ってきた。

 

ドラゴンは焦っていた。

 

まず何よりも万能の存在である自分が、定命の概念に混乱している。本来ならこのような攻撃も効かない。そもそも攻撃が攻撃となる前に無効化するのだ。

 

それが今となっては痛み、熱、冷たさ、痺れ、疲労……

 

どれも初めてで混乱している。

 

ただ、分かっているのは自分が絶対絶命の危機に陥っていること。

 

しかし、それでもあくまでも理論上そう考えただけである。

 

自分は死ぬのか?死とはなにか?死んだらどうなる?死後は?そもそもこの世界が死後の世界なのでは?

 

このように人間が何千年もかけて考え、現在も研究され続けている真理についての考えがここ数分に圧縮されて思考を駆け巡っているのだ。

 

しかし彼にはまだ策はあった。しかしあまりにも混乱していたため、その機会をほんの一瞬、本当にほんの一瞬だけ見誤った。

 

一瞬首に鋭い痛みを感じた。痛みというより何か雷が体を走っていった感じであった。

 

まずい、これはまずい、と思った時は既に遅し。全身の内から痛みのようなものを感じた。

 

表皮にヒビができ、小さいものが次第に大きくなりあっと言う間に全身へと広がった。

 

全身の力が抜けていく、意識も遠のいていく。

 

しかし、まだ余力はある。最後の手段を用いる最後の手段だった。

 

口を大きく開いた。

 

しかし、自分が起こした結果は望んだものではなかった。

 

Zu'u unslaad(我は永遠のそんざいだ)! Zu'u nis oblaan(破滅させることなどできぬ)

 

これが彼の断末魔となった。

 

これと同時に鱗で覆われた表皮はほぼ全て落ち、かろうじて龍のような形をした『何か』を保てたが、発光し、少しづつ消えていった。

 

薄れる意識の中、彼は思った。

 

なぜ、最後の最期に意味のないことをしたのだろう。

 

断末魔や雄叫びなど、意味はない。

 

そして意識が消える直前、彼は悟った。

 

Ful oaar los fin faas(これが、恐怖か)......」

 

彼は誰にも聞こえない同族の言葉をつぶやき終わると、完全に見えなくなった。

 

彼のこの世界での伝説は一旦ここで終わった。

 

......

 

しかし、あくまでもこの世界では、だが。

 

この様子を終始観察していた者がほくそ笑んだ。

 

「新しい駒が手に入ったわ……」

 

.........

......

...

 




亀更新になるかもしれませんが、暖かい目でお守りください。

次回予告、もう一つの門
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